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20年履ける靴に育てる キュレーター 三麗世奈

FREE from FREEDOM

隔週で発行している「自由大学マガジン」の人気のコラム、FREE from FREEDOM!今回は20年履ける靴に育てる キュレーター 三麗世奈さんの文章です。


東日本大震災から二年が経ちました。あの日から、恐くて悔しくて悲しくてたまらないながらも自分には何が出来るのか何をすべきなのかを考え、皆が自分や他人と向き合うようになったように思います。

私は震災が起きた五月に宮城県の女川町に炊き出しのボランティアに行きました。津波で全てが流された街は人が住んでいたとは思えない程何もなく、大きな建物がころんと転がっているだけでした。あの時の、ものが腐敗しているようなニオイを忘れることはできません。体育館に避難していた方たちへ800食分を作りました。乾燥して冷えたものしか食べられない状況にあった方々へ温かいスープや揚げ物、果物。とても喜ばれました。笑ってる人を見て涙が出るなんて初めてでした。

「20年履ける靴に育てる」も14期が始まり、ものを大切にしたいという心でたくさんの人と繋がっています。震災では、大切にしていたものを一瞬のうちになくしてしまう悲しさを目の当たりにしました。それでも私たちはまた新しい大切なものを得るのだと思います。

その時支えてくれた人たちや今使っている物を大事にしなければと心から思ったはずです。節電で街が暗かったあの数ヶ月間、私たちはたくさんの反省と希望と感謝を抱きました。時が経ち、街は明るくなりましたが、まだ終わったわけではありません。

あれから二年が経ちましたが、ニュースで現状を知って、あまりの変わらなさに驚きました。まだ不自由な暮らしをしている方がたくさんいます。もしも自由があり、自分の好きなことややってみたいことの出来る環境であるならば、それは感謝をもってやるべきです。自分が得たもので人を幸せに出来るかもしれません。

20年履ける靴に育てるの卒業生達も、身近な人の靴はもちろん、街に出てたくさんの人の靴を綺麗にして喜ばれています。私たちがアクションすることで誰かが喜んでくれたり、考え方が変わってそれが広まったとしたらとても嬉しいことです。


カテゴリ: ☞ コラム


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