隔週で発行している「自由大学マガジン」の人気のコラム、FREE from FREEDOM!そのバックナンバーをお届けします。
潮目が変わる、と感じるときがある。そんなときは年月をかけて積み上げたことでも手放さなければならない。これと決めたことは地味に続けるタチなので、それをやめるということには多少の抵抗も感じる。
一方で、潮目が変わるときというのは、新しいことへの憧れや好奇心がわいてくるものだ。振り返るとそんなときには、誰かのことを羨ましく見ていたりする自分がいる。
積み上げてきたことを手放すことは、痛みも伴う。手放した方がいいという時分に入っても、やってきたことに100%満足ということはなく、もっとこうすればよかったと思うことも多々あり、新展開をするよりも、やるべきことがあるように思えたりもする。
ただ、潮目が変わるときというのは、必要なのは改善ではなくて、枠を取り払うことなのではないか。続けていくうちにつくってきた自分の領域。そこにはもう成長はなくて、今までとは別の価値観を持ち出すようなことが求められるときなのだと思う。
自分が続けたいと思っても潮目の変化は止められず、その物事から自分自身が必要なくなる場合もある。それはその事業なり、プロジェクトなりがまた別のステージに移ることでもあるだろう。
続けてきたことに執着する一方で、新しいことへの好奇心がわいてくるのは、新しい領域に踏み出したいという欲求の現れだ。
自由大学には、そんな潮目を感じた人が多く集まっているように思う。潮目が変わる時には新しい人との出会いがあるもの。これまでとは違う出会いが、自分に未知の価値観をもたらしてくれるだろう。
text: 小酒ちひろ(クリエイティブチーム)
[自由大学マガジン vol.110 2014/6/11]