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旅と日常

FREEfromFREEDOM!

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隔週で発行している「自由大学マガジン」の人気のコラム、FREE from FREEDOM!そのバックナンバーをお届けします。


 

「学びは旅のようだ」。先日卒業生に、自由大学での学びについて聞いてみると、そんな言葉が出てきた。旅先の飲み屋さんで地元の人と話し込み、今までの自分にはなかった価値観に触れたことがあった。自由大学に来て、偶然にも同じ講義に居合わせた仲間と出会い、新しい価値観を見つけるのは、そのときの経験とダブるものがあると、彼女は話していた。

旅に出ると、どこか自由な気持ちになる。いつもと違う風景や、言葉の違う人々、もちろん自分のことは誰も知らない。そんな非日常の世界が、自分が抱えているしがらみから少しの間、解放してくれたりする。そして、旅は自分でつくるもの。同じ場所を旅しても、すごくたくさんのことを感じる人もいれば、何も感じない人もいる。

自由大学の学びも同じで、家と会社の往復という日常からちょっと離れたところにある廃校で、いつもと違う人に出会い、自分で学びを獲得する場所。旅と同じように、同じ講義を受けても、何を得るかは人それぞれだ。

何を獲得するかは自分次第というのは、旅や学びに限らず、なんでもそうなんだろう。同じ仕事をしていても、やりがいを感じられる人もいれば感じられない人もいる。きっと面白い旅ができる人は、日常からもたくさんのことを学んでいるだろうし、仕事なんてそもそも学びに溢れてるから、毎日が学びの連続だ。もちろん、いいときばかりじゃないだろうけど。

そう、いいときばかりじゃない。だから旅に出るし、学びにも来る。自分をちょっと自由にするために。旅で英気を養って、改めて日常に戻ってみた瞬間。その瞬間が大事だと思う。その瞬間を逃しちゃいけない。日常に取り込まれる前に、身軽なままに、何か行動してみたい。旅で感じたことを綴ること、学んだことを人に話すことなど小さなことでもいい。いつもなら大胆と思えるような行動なら尚更いい。再び日常に絡み取られる前に行動することが、自分を新しい世界に誘い、日常に変化をもたらす。

非日常と日常は分断されたものではなくて、どちらも同じ自分の時間。非日常と日常の境界のゆるやかな時空の中に、毎日を旅するように自由に生きるヒントが隠されているように思う。

text: 小酒ちひろ(クリエイティブチーム)

[自由大学マガジン vol.107 2014/4/30]

 


カテゴリ: ☞ コラム


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