講義レポート

60年代からの旅学

「自由になる旅学」講義レポート

自由になる旅学」第1期 第2回目の講義は自由大学のファウンダー黒崎輝男さんをゲストにお迎えしてお話をうかがいました。黒崎さんは「自由大学」をはじめ、青山の「Farmer’s Market」や講義の会場となっている表参道の「COMMUNE246」など、”東京の今をつくる”プロジェクトをこれまでいくつも仕掛けてきました。

この講義のコンセプトでもある「都市(Urban)×旅人(Traveler)の新しい暮らしのカタチ」。まさに黒崎さんはそのパイオニア的な存在であり、今もプロの旅行者として最先端のライフスタイルを探求し続けている方です。「都市にこそ冒険がある」「都市をどう旅するのか?」をテーマに1960年代から世界中を旅している黒崎さんが、パリやロンドンなどで出会ったカフェのエピソードから講義はスタートしました。

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カフェはただコーヒーを飲むだけの場所ではなく、人々がリアルにコミュニケーションを創造していく場として昔から大切な存在。それは、インターネットなどの普及で人間関係が希薄になっている現代においても変わらないとのこと。このテーマは秋に開講する「カフェ自由大学」のコンセプトにつながっているそうです。

各国の都市を訪れる際には「マーケット」「骨董屋」「古本屋」などを巡り、そこで現地の人達と友達になっていく。コミュニーションを通じて仕事をカタチにしていくことが黒崎さんがプロの旅行者として大切にしているセオリー。そのアプローチがIDEEの創業や現在のライフスタイルに大きな影響を与えているそうです。世界各国での経験や出会いは黒崎さんに「世界はどう動いていくのか?」「人生とはなにか?」という人生の課題を意識させるきっかけになったとのこと。

ライフスタイルをデザインして、東京から世界に対してムーブメントを起こしていきたい。それがCOMMUNE246やFarmer’s Marketなどのプロジェクトに深くつながっているとのことでした。「趣味や興味から物事をとらえてアプローチしていくことで、商業的な観点からは発想できない新しいモノ、面白いモノが生まれてくる」「ただ旅行をするのではなく、プロの旅行者として目的や視点を持って旅をして欲しい」と黒崎さんから受講生のみなさんにアドバイスをいただきました。事前に現地の情報を調べておくのも大切だが、実際に訪れてみると沢山の違いが見えてくる。そこをアジャストして自分なりに自由に探求していくのがプロの旅行者とのこと。そして、それを誰かと”共有”したり、違った視点を持って”チャレンジ”できると素晴らしい経験となるそうです。

旅から帰ってくると現地からの視点で都市(東京)を眺めることができるし、「常に時差ボケ状態」「常に旅行中」の気分で過ごすことができれば、自由な発想で色々な物事を考えることができる。黒崎さんが新しいライフスタイルを世界中に発信し続けられる理由が少しだけ分かった気がしました。

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講義の後半はCOMMUNE246内にあるシュアワークスペース「MIDORI.SO」に移動して、フリーのディスカッション。あっという間の90分間でしたが、とても貴重な時間を共有することができたのではないでしょうか?

講義終了後は先週に続いてCOMUUNE246での放課後活動。みなさんの色々なお話も聞けて、充実した時間を過ごすことができました!

(Text:キュレーター Kenichi OKUZUMIさん)



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