講義レポート

専門家になることはベストセラーの第一歩!

「出版道場」 講義レポート

こんにちは。「出版道場」で助手を担当している鈴木貴大さんから、第2回に続き、7/28(木)に行われた第3回の講義レポートが届きました! さっそくご紹介いたします!


出版道場」助手の鈴木です。 第3回の「出版道場」は、フィジカルトレーナーとして史上初のK-1三階級制覇を成し遂げた古家政吉さんをゲストにお迎えして、「売れる!と思われる専門家になる」ノウハウを解説していきます。現在、古家さんは鈴木収春教授とともに細マッチョになるトレーニング本を制作中とのこと。講談社より10月中旬刊行予定です。
dojo3-1.jpg▲発売に備え、鈴木教授もヘルシア緑茶でダイエット中。


まずは、鈴木教授から専門家になるメリットについて解説がありました。
「自分が困ったときやスキルを得たいときのことを考えてみてほしい。歯が痛ければ歯医者に行くし、免許がほしければ教習所に行って教官に運転を学ぶ。これは、人がなにかを得たい、解決したいと思ったときに、専門家を頼るということを意味している。この講義の受講生のほとんどが文芸ではなく一般書で著者を目指すと思うが、出したい本のテーマにおいて、日常的に頼られるくらいの専門家になる必要がある。ある特定の分野で専門家として認知されることは、ベストセラーに直結すると思ってもらって問題ない。それだけでなく、戦略的に専門家になれば講演もできるし、取材も来るし、メリットは大きい」(鈴木教授)

高校球児だった古家さんは、建設業というまったく関係ない業種、しかも社長という立場から、「野球選手になるのは無理だけど、スポーツにずっと関わりたい」という理由でスポーツ選手のフィジカルトレーナーを目指し、見事成功を収めました。特に格闘技のフィジカルトレーナーという分野では、圧倒的なポジションを築いています。ただ、ゼロからのスタートだったために、ここまで来るのに10年かかったそうです。

「デザイナーだとしたら、デザインの特定分野で上位になることを目指すのが専門家として認知されるための正攻法であり、最短距離。でも、時間はかかるけどゼロからやりたいことの専門家を目指したっていい。ただ、その場合は時間を縮めるために、より戦略的に動くべき。古家さんが歩んできたプロセスは、ゼロからでも、そうでなくても戦略を練る上で非常に参考になる」(鈴木教授)

古家さんは、スポーツ選手のフィジカルトレーナーを目指しているにもかかわらず、最初は整体の学校に通いました。整体師になるわけではないのに、なぜ遠回りをしたのか。そこにはスポーツ選手の人生に合わせた戦略がありました。

「スポーツ選手は怪我をしてうまくパフォーマンスが発揮できなくなって引退することがほとんど。身体をケアできれば選手は現役期間を延ばすことができるし、たくさんお金を稼げる。だから、整体師を目指したわけじゃないけど、選手の人生をサポートできる整体のスキルは、トレーナーにとっても必須だと考えた。選手に喜んでもらえるスキルを持っていれば、選手との信頼関係も築きやすい」(古家さん)

dojo3-3.jpg▲本では選手よりすごい身体を披露するという古家さん。

古家さんは整体のスキルを身につけた後、専門学校のグループが経営している整体サロンでバイトを始めます。サロンの経営にコスト意識がないことに気づいた古家さんは、会社に店舗経営を任せてもらえるよう直訴しました。もともと経営者だった古家さんは、その経験を生かして利益を伸ばし、数年後にはグループ全店舗の統括マネージャーにまで上りつめました。

「そのときに出会ったのが、PRIDEで活躍した総合格闘家の大山峻護選手。会社の紹介で身体のケアを任せてもらい、ミルコ・クロコップと大山選手が戦うときにはセコンドにもついた。ただ、相手は全盛期のミルコ。KOで負けた大山選手になんて声をかけたらいいかわからず、身体のケアはできてもメンタル面はケアできない自分の無力さを思い知った。そこで、メンタル面も強化しようと、ポジティブ心理学を学び始めた。ポジティブ心理学は元気な人をより元気にする心理学で、体育会系のスポーツ選手にはぴったりだった」(古家さん)

整体、フィジカル、メンタルという3つの分野を正しく見ることのできるフィジカルトレーナーはほとんどおらず、古家さんはスポーツ選手から絶大な信頼を得るようになります。独立後、破竹の勢いでフィジカルトレーナーとしての実績は積み上がり、特に格闘技の分野では、京太郎選手(第2代K-1ヘビー級世界王者)、長島☆自演乙☆雄一郎選手(K-1 WORLD MAX 2010 〜-70kg Japan Tournament〜王者)、久保優太選手(K-1 WORLD MAX 2011 〜-63kg Japan Tournament〜王者)と、3人のK-1王者誕生にフィジカルトレーナーとして携わりました

格闘技のフィジカルトレーナーとして圧倒的なポジションを確立した古家さんは取材を受ける機会も増え、本の刊行も決定しました。

フィジカルトレーナーは星の数ほどいる。でも、格闘技×フィジカルトレーナーとなると、いまなら古家さんの名前があがる。その古家さんが細マッチョになれる本を出すなら、説得力は十分。実際、講談社の会議もすぐに通過した。片づけコンサルとか、かなりニッチな分野であればそのままでいいけど、『トレーナー』『デザイナー』『経営コンサルタント』などのライバルが多い分野では、なにかキーワードをかけ合わせてライバルを減らし、専門家としての認知度を上げていく必要がある。認知度が上がれば、ベストセラーを出せる確率も高くなる。古家さんの場合は『フィジカルトレーナー』に『整体』と『メンタル』をかけ合わせて選手からの信頼度を上げ、そこに格闘技、特にK-1という強いキーワードが加わったことで認知度が急上昇した」(鈴木教授)

dojo3-2.jpg▲「『出版エージェント』でぐぐると一番上にくる」と豪語中の鈴木教授。

「余談ですが、私がエージェントを担当している経営コンサルタント・木村康宏さんは、ある日コンサルティングする分野をラーメン店に限定した。経営コンサルタントは山ほどいるけど、ラーメン店にだけ特化した人は皆無。1500店以上のラーメン店の売り上げを伸ばし、ラーメン専門コンサルタントとして圧倒的なポジションを確立した結果、講演や本の出版も可能になった。古家さんに限らず、特定の分野で専門家になることがどれだけ有益かがわかると思う。かけ合わせるキーワードにも戦略が求められるが、そのコツは受講生のみに公開ということで(笑)」(鈴木教授)

木村さんが8月末に出す新刊『ラーメン屋の看板娘が経営コンサルタントと手を組んだら』(幻冬舎)は、新人としては異例の初版大部数が決定したとか。古家さんの書籍よりひと足先に、ベストセラー誕生の瞬間が見られそうです!



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