講義レポート

フォトライフ入門」キュレーターの水澤です。
受講生の木村さんが講義の様子をレポート書いてくださいましたので、ご紹介します。


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何となく自由大学の講座一覧を眺めていて「フォトライフ」というネーミングがちょっと気になってました。というのも、フィルム時代の安い一眼レフを買い、夢中で撮り続けていたこと。その後、独学の限界を感じ、撮るのをやめてしまったこと。いろんなことを思い出し、「最近撮ってないな」とか「写真上手くなりたい」そんな気持ちがだんだん高まって、写真を好きだったあの頃に戻りたい!と思い、気づけばポチっと申込をしていました。
そして迎えた講義当日。みなさんの自己紹介から、熱い想いが伝わってきます。写真への関わり方も様々。デジカメも、超シンプルなタイプから、一眼レフまで多種多様。個性的な方々ばかりです。


初日のテーマ「食べものを撮る」。このためのポイントを一通り伝授いただき、すぐさま被写体となる素敵なカフェごはんが登場。気分が高まります。
光源(ライト) ⇒ ディフューザー(光を柔らかくするカーテン) ⇒ カフェごはん(被写体)の位置関係を変えることで、印象がガラリと変わってくることを、実際に確認しながら撮影開始。みなさん積極的に動きます。遠慮がちに、後ろの方から撮っていた自分は、余計なものが写っていたり、手ブレでボケボケだったり、後で笑えることになる写真を量産してしまいました。不安な気持ちの残るまま、あっという間に、初回講義は終了。大丈夫か?自分?
ところが、そんな不安はすぐに無くなりました。ここからが本当のフォトライフ入門の始まり。当然、講義の中でも質問タイムや解説の時間をとってくださいますが、フォトライフを充実したものにするための、いろいろな仕掛けが用意されていたのです。懇親会のセッティングや、メーリングリストやFacebook活用の提案。始めたい人には開設のアドバイスまで。モチベーションあがりますよね。
・日々の食事を中心に、フェイスブックなどへ写真投稿。
・大平教授からの素敵アドバイス。(まるで、通信教育のオマケ付)
・みんなからは「美味しそう!」など素敵コメントが届きます。
投稿下手な自分も他の方の写真やコメントを見て、良い刺激を受け、自分もがんばろうという気持ちになれたし、光の位置や構図など、きちんと考えて撮るようになりました
まさに、フォトライフを、みなで満喫している感じ。授業の無い日も、とても楽しく充実していました。キュレーターの水澤さん、管さんの、時には熱く、ときにはゆる~いフォローや、大平先生の素敵なコメントが、皆をやる気にさせてくれます。受講生、教授、キュレーターのみなさんで、ワイワイ盛りあがっていった感じは、まるで部活のノリ。そして、気のせいか? いや決して気のせいではなく、みんなの写真が、だんだん上手くなってる。素敵ですね。
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講義で印象に残ったのは、アドバイスが簡単明瞭でわかりやすい。
たとえば「半逆光」。これを意識するだけでも、料理が見違えるように美味しく撮れる。また、「ポートレートを撮る」体験も新鮮でした。
自分の経験上、誰かを撮るのはキレイな場所やおめでたい行事での「記念写真」がほとんど。まるで「記念」が主役で、「人」は脇役のようなで、誰がいたかを記録する備忘録のような感じ?になっていました。今回は、単純に「その人を主役として」撮る。写真としては当たり前のようだけれど、今までにない経験でした。声をかけ、素敵に見えるポーズを見つけ、その人の魅力を最大限引き出す。単にシャッターを押すのではなく、そんなことを考えて撮るようになりました。
それから、「自分自身がモデルになる」ということ。モデルの経験がない自分は、終始固まったままでしたが、どんな風に声をかけられると笑顔になるとか、緊張しなくなるとか、モデルを体験することで、自然な表情を引き出す方法についても考えるようになりました。初めは手探りでしたが、講義の後半では、その方法も何となくわかってきて、とても自然な笑顔が撮れるようになりました。光の当て方も、ただ明るくするだけでは不自然で、どうすると自然になるかなど、いろいろ撮り比べて感覚をつかんでいきました。
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最終日は、テーマを決めて卒業制作です。一人ひとり、撮られる側と撮る側を決め、モデルからの要望も聞きとって、今まで教わったことをフル活用。なんとなくではなく、考えながら撮っていきます。そして、あっという間に撮影終了。撮った側が、それぞれベスト1を選び、みんなの前で発表。要望どおりに撮影できたかなど、話をして無事終了。
でも、みんな名残惜しそう。その後の懇親会では、追加で撮影会をしたり、キュレーターのお二人を女性陣が取り囲み、いろんな表情を要求してみたり。最後まで笑いの絶えない楽しい時間を過ごせました。
講義終了後も、花見や撮影大会の提案や、自由大学のイベントでも撮影する機会があるよという案内があり、卒業後も繋がりは継続しています。何より、みんながこの「フォトライフ入門」を受講し、素敵な写真生活を始められたこと。それが一番の宝物ですね。自分としても、写真を撮る楽しみを取り戻せたし、これからも、みんなで「フォトライフ」を充実させていきたいと思います。


【講義情報】「フォトライフ入門」※第3期申込受付中
日程:4/21(土)、4/28(土)、5/12(土)、5/19(土)、5/26(土)
会場:世田谷ものづくり学校内
教授:大平啓吾 キュレーター:菅真樹、水澤充
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