講義レポート

ベストセラーを生む書籍企画書とは?

「出版道場」講義レポート

出版道場」で助手を担当している鈴木貴大さん(早稲田大学1年・18歳!)から、7/14(木)に行われた第1回の講義レポートが届きました! さっそくご紹介いたします!


はじめまして。「出版道場」助手の鈴木貴大です。都内某所のバーで教授の鈴木収春氏と遭遇したときに「出版道場」の話を聞いて、おもしろそうなのでアルバイトで授業を手伝わせてもらうことになりました。鈴木同士ですが、血縁関係はありません。


講義開始30分前に教室に集合するように言われていたのですが、いきなり鈴木教授が(数分ですけど)遅刻! 来る前に渋谷TSUTAYAで友人の漫画家・オカヤイヅミさんのデビュー作「いろちがい」を買っていたら、エレベーターが混んでいて遅れたそうです。

バタバタと準備をしていると、受講生の方たちが続々と集まってきました。会計士やデザイナーなど、みなさんすごい経歴をお持ちの方ばかりでびっくりです。ちなみに、女子率が7割で鈴木教授もうれしそうでした。

第1回のテーマは「書籍企画書」
出版社の編集会議で使われる企画書のフォーマットを見ながら、どのような視点で企画が選ばれるのかを解説していきます。受講生には、実際に使われた記入済みの書籍企画書も配布されます。なんと今回配布されたのは、幻冬舎の編集会議にこれからかけられる、現在進行形の企画書。

鈴木教授いわく「ベストセラー著者になってもらう講義なので、ベストセラー思考の強い幻冬舎に向けて書いた最新の企画書を見てもらうのが早いかなと思った」とのことです。

各項目の解説をする前に、鈴木教授から出版ビジネスについての解説がありました。「1冊売れて出版社に入ってくるお金は、定価1,000円の本なら690円(講談社の場合)で固定されている。だけど、本は印刷物なので、たくさん刷れば刷るほど原価率が下がって1冊当たりの利益が大きくなる。大ベストセラーはお金を刷っているようなもので、1万部の本を10冊つくるより、10万部の本を1冊つくったほうが圧倒的に儲かるのが、ビジネスとしての出版の本質。」

各項目を解説するなかで、多くの受講生から「意外!」との声があがったのが、「原稿を書き始めるのは企画書を持ち込んで、会議を通過してからでいい」ということ。小説の新人賞などに応募する場合は原稿を書かないと始まらないですが、一般書の場合は企画書だけで議論するのが普通なのだそうです。

「日本だけで1年に数万冊の本が刊行されているのだから、そのうちの1冊を自分が書くことは、それほど難しいことじゃない。ただ、売れる本をつくるとなると、途端に難度が上がる。出版社の編集者だけでなく、偉い人や営業部にも色気をもってもらえるような、売れる確率を上げるための戦略を伝えることがこの講義の役割。」レジュメの項目を時間ぴったりで完走して講義は終了。

終了後の懇親会は、なんと全員に参加していただきました。「第1期から、おそらくベストセラー著者が出ると思う」と、鈴木教授も自信ありげです。第2回の講義は、書籍企画書で一番重要なプロフィールのつくり方がテーマ。
なぜプロフィールが一番重要なのかというと、プロフィールがすごい人なら、企画のテーマが微妙でも「このテーマじゃ厳しいけど、別のテーマで書いていただくことはできないの?」と話が前向きに進んでいくからとのこと。
他人が見てぐっとくるプロフィールをつくるにはどうしたらいいのか? 僕も次回の講義が楽しみです!



関連するレポート