講義レポート

旅に問いを立ててみると、暮らしの視点も変わる

「じぶんスタイル世界旅行」受講生に聞く!講義の後に旅はどう変わった?

講義「じぶんスタイル世界旅行」は開講から丸3年を迎えました。個性豊かな受講生とたくさん出会えましたが、その中で、この講義で出会ってその後一緒に旅に出た人たちがいます。第4期受講生の山田佳奈さんと原喜美さんのお二人に、受講した当時の感想やその後、旅だけでなく暮らしまでも変化したという2人に、キュレーターの武谷朋子がインタビューしました。

Q:講義を受講したきっかけは何だったのでしょうか?

山田:仕事が一区切りついて時間ができたんですよね。何か学びたい、新しい人と繋がりたいと思って自由大学の講義を探していたんです。その中でも自分の興味につながる旅の講義があったので受講しました。

原:わたしはその時いろいろ転換期で。人から紹介されて知った自由大学に興味があったことと、旅が好きだったこともあり、受講を決めました。

 

Q:集まった同期のメンバーの印象はどうでした?

原:最初、よく知る前はおとなしい感じの人が多いかなと思ったんですけど、話してみるとみんな個性的でおもしろくて。旅の講義だから情熱的で熱い感じの人が多いと思いきや、意外にも落ち着いた感じの人が多かった印象ですね。

山田:後からじわじわくる感じの面白さを持ってる人が多くて、もっと早く飲みにいきたかったなと(笑)

 

Q:講義で印象に残っていることってありますか?

原:教授の森川寛信さんから「まずはやってみたらいいよ」と言われたことがあって。組織に属しながらも海外の旅を通じてやりたいことをどんどん実現している森川さんが放つ言葉ってすごく説得力があるんですよね。あれこれ考えちゃってできないことも多いけど、まず興味あることをやってみることが大事だなって。

山田:やっぱり教授森川さんの熱量の大きさかな。よくある淡々と話す講座とは違って、気持ちを込めて伝えようとしてくれているのが分かるから、受け止めたいなって。講義の中心でもある「じぶんスタイルな旅の考えかた・創りかた」も自身で行動して体現していることだし、とにかく深く考えている。世界をフィールドにやってみる、というハードルが、あの場にいるとどんどん下がっていくような気がしましたね。

原:旅の講義だったけれど、自分を知る機会でもあったなーと。直感で深く考えずに決めていることもこれまで多かったけれど、「それって何でだろう?」と問いを立ててみただけで、視点も変わるんだなって。

 

Q:受講した翌年にアメリカのポートランドにお二人で旅に出ましたよね。きっかけは何だったのですか?

山田:仕事でアメリカとのやりとりが増えていて、なんとなく次はアメリカを旅したいと思っていたんです。講義では「ビオ」「オーガニック」というキーワードを元に旅づくりをしていたので、その後もキーワードに繋がるモノやコトにはより意識が向くようになっていました。そんな中で興味惹かれたのがポートランドだったんです。

原:移動して観光名所を見て、という旅のスタイルにはもう面白みを感じなくなってきていて。「街づくり」「クラフト」あたりのキーワードが気になっていた時期でもあったので、ポートランドはまさにここ!という感じでした。そんな時にさそってもらったのもあって一緒に旅することになりました。

Q:ポートランドには一緒に行くけれど、興味あるキーワードはちょっと違うお二人。旅の準備や現地での過ごし方はどんな感じだったんでしょうか?

山田:興味のある「ビオ」「オーガニック」系の下調べは結構していきましたね。現地で情報を聞きながらアップデートもしていったけれど、やはり事前準備の大切さは現地にいってからすごく感じました。調べていなかったら出会えなかった場所もたくさんあります。講義の時も「準備はすごく大切!」って言われたのを思い出します。

原:一緒に旅はしたけれど、時々自分ひとりの時間も持ったり、お互いの興味ある分野を2人でまわってみたり。スケジュールが詰まり過ぎたツアーでもないし、無計画な旅でもない。興味あることにまつわる場所や人を訪ねて過ごす時間は、ものすごくリフレッシュできたし、バランスもよかったなって。またすぐ行きたいくらい(笑)

Q:講義が終わってから行った旅は、これまでと何か変化がありましたか?

山田:ポートランドに行った後に、とある事情でスケジュールの決まった海外のツアーに参加したんです。それなりに楽しかったけれど、あまり記憶に残らなくて。同じ旅なのに、ツアーと自分で創り上げる旅では、こんなにも自分の中に刻まれる深さが違うのかと思いましたね。個人で行く旅は、時間かけて下調べしたり、現地でも分からないことがどんどん出てきたりもする。でも自分の足で移動したり人と触れ合えるからこそ学べることもある。それが旅の面白さでもあるし、だからこそ自分で創りあげる旅の方が何倍も楽しいんだなと改めて感じました。

原:旅って、ただ観光したり何かを外から見たりするだけじゃなくて、現地の人とコミュニケーションを取ることで初めてわかる文化や習慣もある。どうやってその街や人と関わるか、それってまさに講義で考えていたキーワードが大事なんだって思いました。だから、旅はもちろんですが、普段の生活でも自分なりの「キーワード」を意識するようになりましたね。

Q:この講義、お二人にとってどんな場でしたか?

原:スケジュールが決められたツアーや、飛行機に乗って定番観光して、という旅が物足りなくなっていたところだったので、新しい切り口で旅を考えるきっかけとヒントをたくさんもらえる場でした。

山田:じぶんスタイルな旅づくりって、結局自分のことを知らないとつくれないんです。そういう意味で、旅の講義なのですが、これからやりたいことを改めて考えることもできたし、自分のことをよく知る機会にもなりましたね。

原:あと、他の人の旅の話は聞いていて純粋に面白いんですよ。「あ、その視点いいかも!」という気づきもたくさんあったので、自分の中の新しい引き出しを発見する場にもなるんじゃないかなと思います。

 

山田さん・原さん、ありがとうございました!

海外の旅のことを考えるというと、どこか現実とはかけ離れた非日常のことと考えてしまうかもしれません。でもこの講義で考えるのは、海外の旅をツールとして、自分のフィールドを拡げたり、普段の暮らしをも面白く変えていく視点です。自分の興味を世界に繋げていくことができたら、行き先は同じでも、感じ方や学びが変わってくるはず。「じぶんスタイル世界旅行」の受講生には、卒業後に活躍の場を拡げている人がたくさんいます。そんな仲間たちの今後の展開もまた楽しみです。

(text : キュレーター 武谷朋子)

講義「じぶんスタイル世界旅行」 -ユニークな問いを立て、日常に繋がる旅をしよう-

https://freedom-univ.com/lecture/world_travel.html/



関連する講義


関連するレポート