講義レポート

街の発酵

「BREWING CAMP in ポートランド」講義レポート

ポートランドから帰ってきました。ポートランドは日本の夏と違い、暑すぎず、じめじめとした湿気もなく、気持ちがいい風が時折吹いています。15分あれば街の中心部はどこにでも移動でき、30分あればダウンタウンから少し離れたおもしろいお店や農園にも行けるほどコンパクトな街になっています。

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そして、話に聞いていたとおり、みんなフレンドリーでとても親切です。ドアを開けて待っていてくれたり、スーパーのレジの人が話しかけてくれたり、エレベーターで一緒になった人が降りる時に「Have a good night.」と声をかけてくれたり、バスを降りるときにみんな運転手に「Thank you!」と言っていたり、例を上げればきりがありません。接客もフレンドリーで業務感を感じません。その人とその人がお互いにひとりの人間として接しています。みんな義務感やルールからそうしているようではなく、そうしたいからしているという印象を受けます。

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現在、ポートランドに住むビアギークなレッドさんと、ビール醸造を学ぶポートランドツアーの計画を立てています。ポートランド市内には約60ヶ所ブリュワリーがあり、徒歩圏内でブリュワリーをいくつかまわれるほどです。今もなお増え続けており、把握が追いつかないほどとも言っていました。ちょうど滞在中に広場ではとても大きなビアフェスティバルが開かれており、日本からも5つのブリュワリーが参加していました。日曜日にはビアバーの隣の道路を封鎖して小さなイベントも開かれていました。

なぜここまでブリュワリーが多いのでしょうか?それは、ホームブリューイング(自家醸造)が盛んで、趣味が高じてブリュワリーを開く流れが多いことが要因の1つです。大手の画一的なビールを飲まされるのではなく、自分が本当に飲みたいものを自分でつくる。リベラルな精神がベースになっています。

また、誰でも自宅でビールが作れてしまうので、ブリュワリーはそれよりもずっと美味しいものを作らないとお金を払って飲んでもらえません。そのため、ブリュワリーの作るビールの質も高まり、味のわかる舌の肥えた飲み手も増え、良い相互作用も生まれているようです。

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日本ではビール醸造を学べるプログラムはほとんどありません。ポートランドのブリュワーから直接ビールづくりの知識や一連の工程の作業も実際に体を動かして学ぶ4日間のプログラムを検討しています。ビールについてのプログラムですが、このプログラムが実現することによってこの小さなきっかけが大きな変化になりうるのではないかと考えています。ポートランドはボトムアップで社会、街、暮らしの状況が形成されています。ビールづくりだけでなく、コミュニティ形成や街づくりにも触れながらビールの世界を深めていきたいと思います。

詳細が確定したら改めて紹介したいと思います。

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随時、説明会を開始しています。詳細はこちらをご覧ください。

(クリエイティブチーム 佐藤大智)



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