講義レポート

世界で一番面白い街を作ろう!

クリエイティブ都市学-Portland レポート

クリエイティブ都市学の第3回目の講義に参加させていただきました。

今回は大企業に勤める傍ら、クリエイティブな観点から石巻の街づくりを中心となって行っている3名をゲストに向かえ、ポートランドと共通する「街づくり」についてのお話をしていただきました。

クリエイティブ都市学1

ハーマンミラージャパン株式会社の代表取締役社長でもあり、大人の部活動として、株)石巻工房でプロボノワークに没頭されている松崎勉さん。

クリエイティブ都市学2

Wieden+Kennedy Tokyoでのコピーライターを経て、外資系企業のクリエイティブディレクターとして勤める傍ら、ISHINOMAKI2.0の理事を行う岩井俊介さん。

クリエイティブ都市学3

Wieden+Kennedy Tokyoで同僚だった仲間と、震災後、救援物資などの活動を行い、ISHINOMAKI2.0の立ち上げに関わる飯田昭雄さん。

 

この3名をお招きして、港町という立地条件やDIY精神が盛んな点など、ポートランドと石巻の共通点から垣間見る人々の暮らしや想いについてお話をお伺いしました。

 

震災後、避難所生活を強いられている人や、ボランティアなど復興に携わる県外の人たちにとって、まず必要なものは「場所」だったそうです。皆が集まり、話ができるような居場所、楽しいと思える空間を作ることから、石巻の街づくりは始まりました。

 

石巻に集まる人は皆、職業はバラバラでも、石巻を復興させたいという共通の想いがあります。多くの人が集まり、新しい交流が生まれ、新たな文化が生まれる、そんな場所や環境が石巻にはたくさん誕生しています。様々なジャンルの専門家たちが、それぞれの仕事のクリエイティブな知識を活かし、石巻工房や、寿ダンスホールなど、多種多様な面白いプロジェクトが発足し、石巻がクリエイティブな街へと今、生まれ変わっているようです。

クリエイティブ都市学4

ISHINOMAKI2.0では、世界で一番面白い街を作ろう!をモットーに、年を追うごとに、クリエイティブな活動が盛んになっています。企業に勤めているとどうしても、与えられた役割をこなすことに重点をおいてしまいがちですが、ゲストの3名のように好きなことを続けることで、自分の役割を仕事以外の社会でも創り出すことができる、ということを感じました。それは決して好きなことだけをする、という自己中心的なものではなく、満足していない課題の発見から始まり、もっとこうだったら楽しそう、こうだったらよかったのに、という当事者になる意義が必要だといいます。

 

このように当事者になる意義や機会がこれからの石巻にはますます増えていくと予想されます。ゴールがないからこそ面白い、未来を創る一人として、自分の存在意義は自分の行動次第で見つけることができるのだ、というお話がとても心に残り、石巻について話す3名の生き生きとした姿がとても印象的でした。

 

ゲストの肩書きを見てしまうと、一見かけ離れた存在のように感じてしまいがちですが、時間は自分で創るということ、そして楽しいと思えることを続けること、という非常にシンプルな時間の使い方をしているということに気づきます。

 

石巻とポートランド。この2つの都市には、非常に似ている価値観や時間の使い方があり、今もなお変化し続けている非常に面白い街だと思いました。好きなことをみつけたら、発進する。嫌なことがあっても、発進する。ゴールは決めない方が、面白い。目標は高く持つ。そんな熱いメッセージが伝わりとてもワクワクしてきました。

今年の夏は久しぶりに東北は石巻に行ってみようと思います。

text 自由大学フェロー 石川妙子



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