講義レポート

「質問する」ことの楽しさに気づく

「質問学」2期 講義レポート

「質問学」キュレーターの岡島です。この講義の魅力は、教授もキュレーターも受講生も参加者全員で“質問”によってどんな効果がもたらされるのか、実践を交えながら考えていきます。だから、講義が終わっても質問力の磨き方を自分で見つけることができる人が多いのかもしれません。2期の卒業生である武地紫さんよりレポートが届きました。講義の概要をぎゅっと詰めて書いてくれました。

質問学

 私が「質問学」を受講した理由

2013年1月~2月にかけて火曜日の夜5回を使って開かれた講座でした。初日の前日は関東でも公共交通機関の運行に影響が出るくらいの大雪で、翌日の講義初日もキャンパスの校庭は前日の雪がたっぷり残っていました。その後の講義もなぜか、火曜日になると雪が降ったり降雪予報が出たり、で何かと雪にご縁がある講義でした。

受講生は全員で17名。働き盛りの方たちばかりで、職場内や取引先でのコミュニケーションを円滑にすることを目的として受講していました。かく言う私も、大学で学生の皆さんの学びや、先生方の授業運営のサポートを担当する仕事をしており、もちろん私も皆さん同様、それらの業務の中で、主体である学生や教員のニーズを通常のコミュニケーションの中でいかに引き出して、より質の高いサービスを提供することができるか、それをさらに追求したいと受講しました。

講座の基本構造は、週1回の講義×5回。これに加えて、2回ほどゲストスピーカーが登壇します。また、各講義終了後、翌週までの宿題が課されます。ここでは4回目の講義を中心にレポートしたいと思います。

 

人の魅力や本音を引き出す質問とは?
4回目の講義はゲストに鈴木収春さんをお呼びして、1~3回目で学んだ質問のスキルを使って、模擬取材を行うというミッションでした。といっても当日いきなり質問をぶつけるのではなく、宿題としてそれぞれが鈴木さんのことを調べて質問を考えてきました。

私も含めてほとんどの受講生は鈴木さんを直接知らないこともあり、以下のプロセスにしたがって模擬取材への準備をしました。

1) 鈴木収春さん研究(各自Webを中心に)

2) 鈴木さんへの質問を「キャリアの転機」という切り口から複数考える

3)「質問マトリックス※」に基づいて分類

※「質問マトリックス」は、第3回目の講義で学んだ内容です。準備した質問を4象限に分類してみる、というものです。(下図を参照)

4) 分類した質問をWeb上でシェア

質問学02

 

4回目の講義当日は、やっぱり雪予報でしたが、熱い思いを秘めた私たちは講義前の小一時間を使い、リアルな場でシェアしてさらに鈴木さんに対しての共通理解を深めました。

その予習シェアの時間で、面白かったのは、同じサイトをもとに鈴木さん研究をしているはずなのにみんなの視点が全くちがうこと!

これにより、更に鈴木さんへの興味が深まりました。

そして、いよいよ講義です。

カレンさんの導入的なインタビューがあり、続いて受講生が一問一答形式で質問をぶつけていきました。

内容は、受講生それぞれが、質問を準備しつつもその場の話の流れに合わせて、質問をしていきました。会社設立の経緯やそのネーミングの由来から始まり、大手出版社での体験談、挫折の実績、将来への方向性など、鈴木さんそのいろいろな角度からの質問に対して、時には熱く語ったり、時にはヒラリとかわしたりしつつもしっかりと答えてくださって、おまけに講義のあとの懇親会まで企画してくださり、すっかり鈴木さんの奥深い魅力に惹きつけられてしまいました。

そして、その4回目のインタビューの振り返りとなったのが最終回の講義です。

カレンさんからは、質問の流れができていて、マトリックス上もバランスがあり、メリハリがあったなどの高評価をいただく一方、いわゆる「いいこと」ばかり書き過ぎている、むしろ違和感を持ったところなども含めて、感じたことを大切にすることも必要、それも含めてその人の魅力と考えることも大切というアドバイスをいただき、改めて、インタビューを通して得た自分自身の感覚を人に伝えることとは?について考える機会となりました。

 

“質問することを”一生の楽しみにする

受講してみて、まず最初の講義で聞いた「自分軸を手放し相手軸にフォーカスする」ということ。これは講義の中では「宿題」という形で日々、意識することを心がけるシステムになっていました。これが結構、難しい。でも、会話の中で相手が持っている「キーワード」を意識して探すことにより、いつの間にか自分軸から離れているという必殺技を覚えたおかげで意識すれば、できるようになった気がします。

次に、何と言っても「意識をする」ということの大切さ。無意識にできるようになるための「意識する」ことの積み重ね。「意識する」ということは、時間もかからず、コストもかからない、けれど、相手とのより素敵な関係が築ける、エコ嬉しい、エコ楽しい世界が広がっている気がしました。



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