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【連載vol.3】旅から学ぶ、旅を學ぶ。/黒崎輝男

メールマガジン「READY STUDY GO」連載コラム

自由大学READY STUDY GO

かれこれ、30年以上、毎年十回以上海外を旅行し続けて生きて来た。

70年代のヨーロッパやアメリカから、骨董品やデザインやアートや、はたまた生活文化、建築や都市そのものへの興味から
それらを仕事にして組立てて来た。面白いと思うことから始まり、好きなもの、それを掘り下げ、色んな人に会って、いろいろ話して独自の視点を持って、色々なビジネスにして来た。

考えてみると、15世紀、大航海時代から、ヨーロッパの人達は東方貿易や、アメリカ発見をし、ありとあらゆるビジネスを組立てて来た。新しい文化に触れて、新しい食べ物や飲み物、お茶や胡椒や香辛料、それに宝物を見つけてきた、いや宝物を探し続けて来たと言える。僕も初めて1971年に香港、インド、を経由して、エジプト、ローマ、そしてロンドン、パリに行って以来、何百回と飛行機に乗り続けて来た。おそらく航空会社に勤めていない人で、自力で旅行し続ける日本人としては一番海外を旅した方だろうと思う。何故、こんなに旅をするのか?それは結局良くわからないけど、何か一つではない。インスピレーションを求めて、好奇心と探究心の赴くまま目的地に向うと言うことではないか?

東京である時間生活していると、中から何か押し上げてくるものがある。旅に行かなければ?もっと何かを知りたい?そう言えばあいつと会ってまた話さないと、と言うことや、やっぱりあそこをもっと見てみたい。またあそこで食べよう。といった様に、もっと知りたい、もっと体験したい、もっと深めたい。といった、好き、興味、情熱が合わさった様なものが、押し寄せて来る。これは自由大学の、學びの、初期設定、問題設定、好奇心のやり場、生命力の発露と言うのと全く同じだと思います。それをどうキュレイションして、學びの実体、インスピレーションと、學びの獲得を実体として行って行くことに近い。

そこでこうした旅を続けて、考え続ける生き方を選んだので、プロの旅行者になってやろうと思いました。
それは一生學び続ける覚悟を決めるのと似ています。旅そのものの設定を考えて、何処を見るか、どう時間を使うか?誰と会い何を食べるか?誰とどういう関係を保つか。などをきちっと考えてやって行くことができるか?それは自由大学でどのように興味の視点を掘り下げて、総体として、どう攻めて、自分の課題や問題を設定し得るか?と似ているようです。何処で誰と何を食べるか?を偶然も含めて楽しめるか。これは何を、どう、誰と如何に學んで行くか?と同じです。

すると旅をすることは僕にとって生きて行くことそのものです。それは一生學び続けて行こうと言うコトと同じで、好奇心から探究心に変わって行くコトそのものです。何を持ってプロの旅行者と言えるか?は解りませんが、興味を掘り下げて、何を食べて行くか、どうそれを楽しめるか?を論理的に掘り下げて、自分の中できちんと体系化しているか、プロである以上そこは譲れないし、旅をしていて、眼の付け方が流石に違うと言わせたいと思いながら旅する。僕の場合始めての場所では、まず、マーケット。アンティークやモノが集まっている場所と古本街、食べ物が集まっているマーケットから入る。ここでそこに住む人達の生活の息吹を感じることから始める。それは丁度自由大学の學びでは、じっくりとその課題設定と集まってくる人の顔を観察することからはじめるのと似ています。

Ready,Study,Go.の位置について。ですね。旅の仕方をすこし変えることは、學びを変えて行くことです。
それが僕にとって旅そのものを學び、學ぶと言うことを學ぶと言うこと。

 

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