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クリエイティブチーム日記vol.41「かたちにするエネルギー」岡島悦代

毎週火曜日に、クリエイティブチームのメンバーが交代で日々のできごとを綴ります

クリエイティブチーム日記

クリエイティブチーム日記は、毎週火曜日にクリエイティブチームのメンバーが交代で書く日記。今週は、岡島悦代です。

アイデアには重さがあって、良いアイデアほど形にするのにエネルギー使う。アイデアは誰でも思い付くけれど、形にするには根性がいる。しつこく考え続けて、一目にさらすことができる状態に仕上げるまで逃げ出さない。わたしも職業柄、いろいろなアウトプットを求められる。企画書を書いたり、取材したものを原稿にまとめたり、この日記のために文章を書いているのもそうだ。読むのはほんの数分だけれど、書き上げるに最低でも1時間はかかる。そして、書かねばと思ってPCに向かうまでの間、たいていイヤイヤ期が襲ってくる。コーヒーを飲んでも、ネットサーフィンしても襲ってくる罪悪感に耐えかねたころ、やっと手を付け始める。何かを形にする前は、いつもだいたいそんな感じ。

5月22日に自由大学祭があるので、そのポスターに使う言葉をクリエイティブチームのメンバーで書き出してみた。付箋に書かれたキーワードの山から、はたと目にとまったのがGENERATE(つくりだす)という単語。 つくりだすという単語は、CREATEがよく使われるが、こちらは超自然的な力が働く感じがする。だけれどGENERATEのほうは、人間が手に入れたいろいろな法則を駆使して何かをつくりだす。科学や数学の分野でよく使われる単語というのも頷ける。何度も試行錯誤をして、経験を積んでいく中で、アイデアを形にするための自分の数式を増やしていく。それは楽しくもあるけれど、たいていの場合は苦しい。

一昨年のクリエイティブ・キャンプ・イン・ポートランドに参加した中山悠子さん(通称ゆうこりん)は、会社を辞めることをさんざん悩んだあげく、不安な心を引きずったままポートランド行きを決めた。そんな彼女がつい最近、留学から帰国した。お土産として渡されたのが、表紙に青い松ぼっくりが美しく描かれたzineだった。「kibi of life」というタイトルのzineは、ゆうこりんがポートランドでの暮らしが始まってから、現地を経つまで、日々の細やかな心の揺れや、気付いたことを丁寧に日本語と英語で綴っている。彼女は、帰国の際は、必ず自分の体験をzineにして持ち帰ると宣言してくれていた。「ついにやり切ったね。」と彼女に言ったと同時に、きっといろいろなチャレンジをしたのだろう、と想像した。最終的に彼女は、自分のやりたいことを伝え、レタープレスのお店でインターンとして働いた。アイデアを形にしたゆうこりんに、大きな拍手を送りたい。そして、1つ何かをやり遂げた人は、思い通りの自分に1歩近づけるのだと思う。

kibi of life

 



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