こんにちは。自由大学サポーターの徳田です。
小雨がぱらつく2021年6月30日(水)、第88回レクチャープランニングコンテストが開催されました。
今回はいつもよりコンテスト登壇者が少なく(3名)、「コンテスト」と言うよりもむしろ企画会議的な、意見交換的な雰囲気で進みました。
開始に際し、コンテスト登壇者だけでなく全員が簡単な自己紹介と好きなおでんの具を発表することで少しだけ緊張がほぐれた?のではないでしょうか。
投票制で順位を決定するレクプラコンテスト。1位を取れなくても講義化されることも多く、いかに発表テーマを自由大学っぽくブラッシュアップさせていけるかがミソとなる感じ。
このレクプラコンテスト内で重視していることは、
①社会性・・・社会に対しての問題意識が起点となっているかどうか
②独自性・・・他にはない自由大学らしさがあるかどうか
③実現性・・・5回の講義ができそうかどうか
④受講したいかどうか
さて、ポイントもわかったところで登壇者一人ひとりの発表に入っていきましょう。
①藤﨑美紀さん 9分50秒
講義テーマ:(最高の)居場所学、数奇学 ※テーマは二つですが、一緒に発表されました。
プロフィール:Hibana to bloom主催。日本や世界のヒトモノコトを通して自分を感じ、自分と世界を知る、自分を表現することで世界と調和し循環を実感する場として、“感じる”セッションはじめ、ワークショップ、イベントを企画運営。
自由大学に惹かれたところ:相乗効果を感じられるところ、全員で探求するのが自由大学に共感、様々なバックグラウンドを持つ人が来るのがいい
・居場所学
理想の居場所はみんな違う、生きる使命がある、存在を体現していく、「感じる」ことで気づいて周りと調和していく
自分の存在をひとりから2人、3人、4人に広げていくことを実感することが目標
・数奇学
お茶の世界の数奇=オタク的
こんなに惹かれるのは何故か?その人がどうしても惹かれるものは何か
好きの探求は自己満足だけではなく、他者に影響することを実感すること
開講したい理由:持続可能で平和な世界の実現のために有効だから
自分一人の平和を大きな世界のインパクトにつながることを実感してもらいたいから
教授について:世界中を居場所にしている人、視野を広く持ってと言ってくれる人
深井さんの感想:
自己啓発系の講義は難易度が高いので自由大学は避けてきた。
山登りを通して自分を知っていく。出版で自分を見つめる、と言うことはやってきた。
次に繋げるためのポイント:
講義ではロジックや論理を教えるのではなく、対話で実感してもらうことが大切
徳田の感想:
藤崎さんの「自己肯定感の低さを感じていたことが発端」と言うことを聞き、確かに「自己肯定感」「HSP」など、ここ数年は個人の内面にフォーカスした書籍・記事・SNS投稿・イベントやワークショップなどがとても増えてきたと感じます。それだけ「個」に対しての社会的な期待度が上がってきていると思う反面、私を含めて今働き盛りの世代は「個」を大切にする教育をほとんど受けてこなかった。藤崎さんの「ネガティブが使命に繋がる」と言う勇気ある言葉もあり、今後講義化に向けて磨いていっていただきたいと思いました。
②小林千秋さん 14分40秒
講義テーマ:漬けるを楽しむキムチの世界
プロフィール:大学で国際関係を学んでいたが、英語以外の言語を学びたくなり、韓国語を始めたのが韓国に興味を持ったきっかけ。
自由大学に惹かれたところ:学ぶ楽しさを提供する側になりたい。
講師案:キムチ研究家 中島さとしさん フリーランス料理人(Twitterで知り合った)
開講したい理由:
1.中島さんの活動を広めたい
2.多彩なキムチに出会って欲しい スーパーのものだけでなく。
講義構成
1.座学 起源と歴史
2.ブラインドキムチ キムチマトリックスを作成
パッケージのラベルを取り払い、感覚的に甘い辛いを体感する
3.ヤンニョム
4.キムチを漬けよう
5.持ち寄って料理しよう キムチチム(豚肉)
深井さんの感想:
3万円くらい払って受講するかどうか。
ブラインドキムチは自分でできてしまうかもしれない。
例えば開講回数が増えていって、ハイレベルな受講生に対応していけるかも考えていかないと。
「漬物」のように1段上げてみるのもあり。
河村さんの感想:発酵食品だし、健康にフォーカスしたり、ペアリングしたりはどうか
徳田の感想:
個人的にキムチについてほとんど知識がないので興味が沸きました。小林さんのキムチ愛がプレゼンからひしひしと感じられました。プレゼン資料のレイアウトが見やすく画像もたくさん使われていて、実際の講義資料はきっと素敵になるんだろうなと想像しました。
③河村泰介さん 11分00秒
講義テーマ:不便益デザイン学
コンセプト:不便は手間だが役に立つ
ターゲット:疲れてるビジネスパーソン
アイディア出しにこまってるクリエーター
ルーティン化してる主婦 etc…
きっかけ:
仕事を通じて→デジタル系の仕事でコスパ至上主義への疲れ「幸せってなんだっけ
趣味を通じて→キャンプ、登山など
書籍を通じて→「ビヨンドスマートライフ」、「モモ」など
不便益の例:
便利の害 登山エレベーター
不便の益 ホテルチェックイン時にスマホを預ける
不便の益 素数しかない定規
⇨不便益を知るとあらゆる物事を自分ゴト化できる、現代社会へのアンチテーゼ
⇨単にノスタルジーに浸る、昔の生活に戻れということようなことではなく、今の便利も活かしつつの生き方
構成:
1.不便益を知る
2.不便益を見つける
3.聴く(ゲストを招く)
4.ワークショップ
5.不便益を作る 課題・発表
講師案:川上浩司さん(不便益研究所)京都大学大学院情報学研究科教授
開講したい理由:
・自分の頭で考えることを提案したい(ワークショップ型)
・1回やって終わりじゃない
・まだあまり知られてない
・直感でこれくるなと思った
深井さんの感想:
行きすぎている便利さが顕著になってきている。使わない機能・性能もあるだろう。
みんな便利が好きだけど、例えばトレーニングジムなどで鍛える人もいるから不便を取り入れてもいる。
不便益を講義で考えて、でどうする?ムーブメントにつながるような流れを考えたい
カウンターカルチャーは自由大学っぽくていい
藤崎さんの感想:哲学的でもあるところがすごく興味ある
徳田の感想:
不便益、初めて知るワードでした。調べると大手広告代理店(D通)と遠山正通氏の会社が今まさに共同究コミュニティを開催中です。「丁寧な暮らし」のようなナチュラル要素高めのイメージではなくソリッドな言葉なので、男女分け隔てなく受講生が集められそうですね。個々の生活にどうクリエイティブに落とし込んでいくかというのを知りたいと思いました。
☆結果発表☆
1位 河村さん 3票
2位 藤崎さん、小林さん 同率2位
総合的な徳田の感想:
お三方とも熱意がありつつも、完成形ではなく現在進行形でそれぞれのテーマに向き合っているというところが素敵でした。ブラッシュアップがどんな風に進んでいくのか楽しみです。初めて参加させていただきましたが、本来はこのプレゼンをひとり7分に収めるというのは至難の技だと思いました。