「日常と旅とのリンク」をテーマにする旅学第7期。その模様を旅学サポーターの橋場さんがレポートしてくれました。
第7期は参加者が全員女性という事もあってか、とてもアットホームな雰囲気ではじまりました。受講されたみなさんはそれぞれ目的はちがうものの、旅学を通してどう自由に生きて行くかを学び、今後の生活に活かして行きたいとおっしゃっていました。
自由でいるという気持の持ち方はとても大事。それを持続させるにはどうしたら良いのか。全5回の講義がどうなっていくのかワクワクしますね。
今回のsugee教授のお話は、海のお話からスタート。教授自身の旅は、学生時代に沖縄からはじまったそうです。海はすべての命の源。優しくおおらかで余裕があり、潮の満ち引きや月の満ち欠けという地球のリズムに自分たちの体内時計を合わせて行く海の人々にあこがれがあったのだそう。
海には昔からアジール(誰が来ても良い、敵味方のない自由区域、緩衝地帯)というものがあって、海は人類共有の財産であり、境界を作り領土を決めるというのは陸の人の考えと言えそうです。沖縄は、中世大航海時代にはタイ、フィリピン、インドネシアなど様々な国と交流があり、文化がチャンプルされていて島ごとに言葉が違い、沖縄本島の”うちなーぐち”が共通言語なんだとか。また、琉球王朝がとても大事にしていた久高島のお話も伺うことが出来ました。久高島は年に30回のお祭りがあったりと昔の風習が残る島で、文化も植生も面白い島だそうです。
いろんな国いろんな人種そしてバックパッカーが集まるタイのチャーン島では、船上で暮らすカンボジア国籍の漁師団と夜の海でセッションをするという体験があり、そういうセッションでは相手のまねをするのではなくコミュニケーションをするとオリジナルのものが生まれやすく、インスピレーションを刺激される。言葉は関係なく、お互いが持っているものを交換し合うという心のやりとりでオリジナリティが生まれてくる。この体験がご自身の曲のもとにもなっているそうです。
今でも良い雰囲気が残っている台湾。南東部に住む少数民族のアミ族は、お祭りを大切にしている民族でアイヌや沖縄の人々に似ているとのこと。ディープフォレストのサンプリングにも使われた歌を歌うおじいさんに会いに行ってみると、日本語が話せるおおらかな人だったそうです。
台湾だけではなく太平洋の国々では、言葉は違うが同じような伝統文化やメンタリティを持っていて、モンゴロイドが海流に乗り太平洋を移動していたのだということを肌で感じる事象がそこかしこにあります。原風景とでもいうべき心の琴線に触れることができるので海旅はおすすめとのことです。
とても興味深い、生きた旅のお話を伺うことができました