講義レポート

シャーマニズムから学ぶ、共存共生な生き方

「旅学」講義レポート

「日常と旅とのリンク」をテーマにする旅学。その模様を旅学卒業生の山田さんがレポートしてくれました。

travelstudies_201306010

旅学第7期もいよいよ最終回。「都市のシャーマニズム」をテーマに、参加者全員でトークセッションを行いました。

現代都市生活においても、仲間や環境と優しく大らかに「共生」することはできるはず。その秘訣を、地球とのつながりを大切にし、自然環境と調和した生活を基本とするシャーマンの教えから学ぼうという試みです。

まずは2人組のペアになって話し合いながら、「シャーマン」または「シャーマニズム」についてイメージを膨らませていきます。最初は一体何を話せばいいかとまどっていた様子でしたが、話し合いは次第に熱を帯びていきます。そして、その結果を全員でシェアすることに。

受講生からはこんな意見がでてきました。
・シャーマンは、神様と人間をつなぐ役割を担っている。
・シャーマンと聞くと、巫女を連想する。恐山のいたこもシャーマン?
・シャーマンは、畏れ多く特別な存在である。ただそれと同時に胡散臭さも感じてしまう。
・シャーマニズムと宗教は別物であると思う。シャーマニズムは自然を神と崇めているのでは。
・シャーマンは、神が宿る器や入れ物のような存在なのかも。

トークセッションのまとめの中で、講師のSUGEEさんは「シャーマニズムは宗教以前の原風景である」とおっしゃられました。

宗教も存在しなかった時代には、自然と人間の関係は今よりもっと密接だったことでしょう。それは自然の力が人間の生活に大きな影響を及ぼしていたことを意味します。自然(神)のメッセージを受信するシャーマンは、現在で言うところの政治的・宗教的指導者のような役割だったそうです。

豊かで安全な暮らしを望むのはいつの時代も同じ。シャーマニズムとはまさにシャーマンを統治者に据えた社会システムであり、共同体を維持するための人間の知恵だったに違いありません。

では、このシャーマニズムの考え方を現在の我々の生活にどういかしていくことができるか。
その一つのヒントとして、五感を開放し、素直な自分と向き合うことが大切だと私は感じました。

現代社会は情報にあふれ、とかく感情よりも理性を優先しがちです。素直な自分を受け入れることは他者を認めることにつながり、それが最終的に「共存共生」につながっていくのではないでしょうか。

講義全体のまとめの中で、SUGEEさんがおっしゃられた「今後の社会を引っ張っていくのは女性だろう」という言葉は非常に印象的でした。今期の旅学はなんと受講生もゲストも全員女性。
女性特有の感性で動くフットワークの軽さや元気さを男性は見習わないといけないでしょうね。

最後に受講生の声を紹介します。
・これまでは日常生活からの脱却という意味で旅をしてたが、都会でも旅に出れると感じた。
・「旅」をテーマにいろいろな価値観に触れることができて、素直に面白かった。
・一生続けられる仕事を今探し中。考えている時間があれば動きだしてみて、興味があるとこにまず行ってみようと思う。
・どのテーマひとつ取っても考えさせられるものばかりで、自分の知識のなさを痛感した。もっと勉強したくなった。

「旅が日常を豊かにすることがあれば、その逆に日常が旅を豊かにすることもある。」
この言葉を胸に、毎日を丁寧に生きたいと思います。



関連するレポート