講義レポート

生産と生活を有機的につなぐフェアトレード

「旅学」講義レポート

「日常と旅とのリンク」をテーマにしている旅学第6期。

第3回目は、国連職員としてフィリピン、ミャンマー、タイなどで約10年間難民支援に携わり、現在’Friendly, Fair and Fashionable’をモットーに作り手も買い手も幸せな気分になれる品々を紹介するTammy’s Treatsを運営していらっしゃる杉原たみさんをお招きし、フィリピン、ミャンマー、タイなど実際に杉原さんが訪れた世界各地やTammy’s Treatsで取り扱う商品の写真をスライドで鑑賞しながら、世界各地の生産の現場と都市生活とを有機的につなぐフェアトレードについて学びました。

・難民支援からTammy’s Treatss創設まで
難民として暮らす人々にとって、政治や紛争などの根本的な問題を解決できなければ、自分の国に戻ることができないというのが現状でした。そのような環境の中で、難民の人々は支援を受け続け、援助慣れしてしまい、自立ができなくなってしまうという問題点を抱えていました。大きな組織が提供する援助だけでなく、もっと普通の環境で人たちが自立して生きていけるように何かしたいと思いと、世界各地の雑貨に興味を持っていた思いが重なりTammy’s Treatss創設につながりました。

・旅と仕事
国連の職員として難民支援に関わっていた際には、首都から遠く離れた国境沿いの土地で働くことが多かったそうです。ある訪れた土地で、布を織る地元の人たちがつぶやいた「あなたみたいな人がもっとたくさん買ってくれれば私たちの生活も良くなるのに」。また、ミャンマー、タイの国境沿いの町では、日本でも売られる有名なブランド製品の工場で地元労働者たちがとても安い賃金で働いている現状があったそうです。この現状をもっと多くの人に知ってもらい、普通の環境で自立していけるサポートをしたいという思いが現在のTammy’s Treatssで活動の原動力の一つとなっています。

・商品とストーリー
現在Tammy’s Treatssを運営する杉原さん。世界各地の生産者とのコミュニーケーションは苦労される場面もあるそう。イベント用の商品がなかなか来なくて、再度注文したら注文した数以上の商品が送られてきたなんてこともあったそうです。しかし、苦労はありつつも、現在の仕事では常に自分自身が刺激を受けることが多いとか。現場で働く生産者の人たちのパワフルさにいつも励まされ、元気をもらえるとのこと。そんな時、自分の抱えている悩みなんて小さいと気づき、仕事を頑張れるそうです。

杉原さんのTammy’s Treatssで活動を聞いて、世界各地の生産者のパワフルなエネルギーをもらえた気がしました



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