講義レポート

旅から受けるインスピレーションや自由を仕事や生活につなげていこうという「旅学」第3期の最終回。アシスタントの木村さんがレポートしてくださいました。


3期生の旅学講義も本日で最終、第5回。人類の移動、文化のルーツ、原風景、未来・・・これまでのゲストと共に学んだ旅を、受講生みんなでの振り返りからはじまった10月28日金曜日19:30!!そして、今回のテーマは、そんな振り返りと総括を巡るに相応しい切り口、“ヒッピーとバックパッカー”
tabigaku351.jpg
ゲストは、本講義の母体である自由大学の創始者、黒崎輝男さんをお迎えし、お届けしました。ヒッピー時代の旅の中でのヒントから、インテリアの「IDEE(イデー)」を創業し、「東京デザイナーズブロック」や「Rプロジェクト」など、国内外のデザイナーのプロデュースを中心に”生活文化の探求”をテーマとしたビジネスを広く展開する忙しい毎日を送る氏。そんな氏の経験をベースに、自分の生き方やライフスタイルの考え方に切り込んだ、未来の旅とは?という本講義のコンセプトにも鋭くせまった最終講義。


60年代という激動の時代に世界中に散って行ったヒッピーという人達。怠惰というイメージがつきまといがちですが、目的と使命感を持っていた彼らの世代の中には、実は、世界トップレベルの実業家や芸術家として活躍している人たちも少なくありません。彼らが生み出した音楽やカルチャーが人類の古来からの叡智とどう関係をもち、そしてそれが現代の文化にどう影響を与え、どのように実っていったのか、氏や世界中にいる仲間の旅の系譜をもとに、彼らの色々な生き方や豊富なライフスタイルの考え方を、学びました。
練金術師がなぜ生まれたのか。なぜ、ユダヤ人が立国した際に最初につくったものが、情報を編集する放送局と、音楽・歴史・アート・デザインなどの文化を編集する美術館や博物館、コンサートホールの2つであったのか。なぜ、17~18世紀頃の世界最大の都市が、実は、当時鎖国していたオーガニック先進都市・江戸であったのか、なぜ、ユダヤ人は、一番良い解答をした人ではなく、一番良い質問をした人をリスペクトするのかなど、旅をすると、いろいろな世界観であり生き方をしている人々と交流が出来、これまでの自分や自国の世界観との違いを比較し、破壊と創造を繰り返しながら学んでいくキュレーションの楽しさは、人生を魅了してやまないものがあるそうです。
卓越したものをもつ人になるという視点で旅し、生活する。そして、常に旅なら3ヶ所以上行く、ものごとなら3つ以上を同時に考える、仕事も3つ以上持つなど、自分の生活にも、この旅のキュレーション感覚を取り入れていくと人生、もっと楽しくなる!
黒崎さんのそんな自分や仲間の生き方に重ね合わせた生の体験をもとにした、非連続性の中にあるドリブル・トークの展開は、旅学・最終講義にふさわしく、終わりでなく、これからがはじまりなんだという、未来の旅を巡るマインドセットを激しくうける濃密な時間になりました。
そして最後に、SUGEE氏から受講生へ、ライブ演奏が贈られました。最終回ライブにふさわしく、世界中の様々な文化や民族に流れる、音楽のルーツリズムや鼓動から、現代へとつなぐ’グルーヴ’を起こし続ける演奏は、これからの旅の出発点となる、この時間を、一層と濃密な一体感へと、会場を包みこみました。これからが、スタートです!


【講義情報】
旅学 教授:SUGEE
ゲスト:Lucas B.B、奥村恵子、清野史郎
次回日程:2012年初旬に開催を企画中



関連するレポート