講義レポート

こんにちは。旅から自分らしい生き方を考える講義「旅学」サポーターのこうの ひろゆきさんから講義レポートが届きました。


旅学」第五回。テーマは「旅に踊る’ワールドミュージック’」。今回は「旅学」第二期の最終回でもあります。
まずはミュージシャンでもあるSUGEEさんが、沖縄久高島やキューバ、西アフリカなどでの人間と音楽との関わり、文化や信仰との関わり、音楽の起源や背景、派生して行った様々な音楽についてなど興味深い話を聞かせてくれました。
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中でも、「自然の恵みや喜びに感謝し、祈願するという人間の原風景が音楽の生みの親であり、圧倒的な美しさを前にすると、言葉では足りなくて感謝や感動を音楽で表現するのは必然だ」という話はとても心に響くものでした。
後半はゲスト講師に黒崎輝男さんを迎え、受講生との対話を通して様々な話題へと話が展開していきます。黒崎さん自身の豊富な旅の話はもちろん、農業や古民家の話から、サイケデリックアート、自由、デザインなどなど、話はあらゆる方向に無秩序に展開しているように見えて、実は全てヒッピーイズムというところに集約されていました。
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68年をピークとするヒッピーカルチャーは、東西冷戦が社会を覆っていた1960年代に、社会的閉塞感や伝統的な社会や制度に反発した新しい若者文化から発生した一大ムーブメント。
彼らは既成の価値観に縛られた社会生活に生きることに対する否定を行い、また自然への回帰を提唱し、薬物による高揚と愛と平和を訴え、各地でコミューンと呼ばれるヒッピー共同体が生まれたそうです。
薬物による高揚の部分はさておき、社会背景や起こりつつあるムーブメントは今と重なる部分も多いかもしれない、そう感じました。受講生たちは、そのヒッピーカルチャーを知らない世代であり、だからこそ黒崎さんの話にそれぞれ想い感じるものもあったのではないでしょうか。興味深く聞き入っている姿がとても印象的でした。
最後はSUGEEさんの生演奏
きっと言葉では足りない「何か」を表現してくれたのでしょう。
ジェンベの音が、体の芯までガンガン響いてきて、「何か」がジンジン伝わってきました。そして、今回の「旅学」全五回の旅は拍手とともに終了となりました。
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SUGEE旅学の3期は9/30(金)からスタートします。次回もお楽しみに。


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【講義データ】
旅学 教授:SUGEE
次回日程:金曜日 19:30 – 21:00 9/30, 10/7, 10/14, 10/21, 10/28(全5回)
会場:世田谷ものづくり学校内



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