講義レポート

地球リズム学アシスタントの吉澤裕樹さんより講義レポートが届きました。


地球リズム学P1020593.JPGのサムネール画像
世界中の民俗音楽を聴いて、視て、地球の鼓動を感じようという地球リズム学。実際にリズムを奏でて、五感をフルに活用し体感していく講座です。
第4回目は、本講義の教授であるSUGEE氏が太鼓と唄を学んできた西アフリカのリズムと唄をききながら、地球上の音楽全てに共通した呼吸とリズムを学び、伝統音楽とポップスの相関関係について学び感じるとともに、西アフリカに伝わる基本的なリズムを手拍子で表現し、グルーヴを体感しました。


現在、アーティストとして活躍するSUGEE氏は、唄と打楽器でリズムを奏でます。その独自のスタイルは、沖縄、東南アジア、中南米、キューバ、西アフリカ等を旅し各地の祭礼音楽とシャーマニズムとの交流の中から生み出されました。とくに影響を与えたのは、今までの講義でさまざまな音楽のルーツであると言われてきた、アフリカです。西アフリカ・マリ共和国のケラという村で、グリオと呼ばれる伝統音楽奏者から唄とジャンベを学び、西アフリカのリズムを本場で体感してきました。西アフリカには、大きく2つのリズムがあります。マンジャニと呼ばれる二拍三連のリズムは、沖縄民謡と合い、マドゥンと呼ばれる四拍子は、本土の民謡と合うそうです。
アフリカのリズムは日本の音楽と相性が良いのですね。美空ひばりさんの昭和民謡は、アフリカを端とするラテンのリズムに影響を受けているそうです。やはりリズムはつながっている。とともに、日本人は、さまじまな文化を取り込み、ミックスするのがうまい民族といえます。SUGEE氏もそのひとり。奏でられる声と音は、どことなく懐かしいような気持ちにさせてくれるとともに、大地のような広がりを感じさせてくれます。
西アフリカについて。日中は50℃を超えるような、厳しい環境の中で人々は生活しています。一夫多妻制が一般的で、泥でできた家のなかで、母親ごとに部屋があり、少ない食物を分けあって過ごしていますが、母親同士は仲が良く、民族紛争はないようです。みんなリズムを表現するのが大好きです。講義中に、ブルキナファソの人々の生活と音楽の関わりを紹介する映像を見ました。マハア・コナテという有名なバラフォン奏者がいる、ファラフィナ・リリという名のバンドの音楽が流れます。シンプルなリズムですが、力強く奏で続けられます。お祭りのときはもちろん、日常生活でも音楽が奏でられ、老若男女が身体を揺らし踊ったり、声を出して唄ったりしています。筋肉の細胞が反応するというのでしょうか、西アフリカの民は、何かしないと気がすまないようです。しかもとても楽しそうに(笑)。ひとりひとりが自分の好きなリズムを出して、全体に溶け込んでいるようなかんじです。ブラックカルチャーの原点を、そこから見いだすことができます。
講義のなかでの印象的な話。リズムはひとつにつながっている。それは地球のグルーヴ・鼓動である。風の音のような自然の音もそう。人間ひとりひとりが持つリズムもそう。特別なものじゃなくて、みんな持っているもの。そのリズムを感じ、オープンにしていくことが大事なんだと。心も身体も解放され、地球のリズムとつながっている瞬間。生きていくうえで、必要な瞬間。本来、どこにいても、いつでも感じられるものだけど、今の世の中、感じにくくなっているのかもしれない。ブルキナファソの映像で、バラフォン奏者のマハア・コナテが言います。「感性や才能を持っている人は、発揮すべきだ」と。これは、誰もが何かしら持っているものですよね。気づいてないだけかもしれない。自分に聴いてみよう!自分のリズムを感じてみよう
次回12/15(木)は、ついに最終回の講義です。地球のリズムを全身で感じます。飛び入りのスペシャルゲストが来るようですよ。楽しみですね。


[講義データ]
地球リズム学
木曜日 19:30 – 21:00 11/17, 11/24, 12/1, 12/8, 12/15(全5回)
【単発聴講制度 適用講義】
本講義は全5回のうちお好きな回の聴講が可能です 聴講料:10,000円/回(当日現金払い)
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