講義レポート

生活と共にある憲法の恵み

「日本国憲法ラボ」講義レポート

日本国憲法ラボ」では、憲法について、フラットに、あらゆる角度から考え、議論をしています。第3回までは様々な考え方や情報を取り入れるインプット中心の講義でしたが、第4回・第5回は、アウトプット中心で講義を進めました。

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第4回は、憲法に関して独自の視点で考えていらっしゃるCCDさんをゲストにお迎えしました。テーマは「改憲」です。

まずは「より良い社会とはどんな社会だろう?それについて何ができるだろう?」と考えるところからスタート。「互いの意見を尊重し、対等に話し合いができる社会のために、自分の意見を相手に伝えたい」という意見もあれば、「個人と集団が影響し合ってスパイラルとなって成長できる社会のために、まずは自分が動き出したい」という意見もありました。

そして、ディスカッションは改憲へ。改憲について考えているうちに出てきたのが「加憲」という考え方。また、システムエンジニアの世界で、プロトタイプを作ってテストするように、政治のシステムも、プロトタイプを作って、一部の地域でテストするようなことはできないものか、など、ユニークな意見も出てきました。

第5回の講義では、これまでの気づきを共有しながら、それぞれが「理想の憲法像」を発表しました。

看護師として人の生命と向き合っている受講生からは、「憲法は生命を守れるものだと気づいた、憲法について考えることは生命と向き合うことと同じくらい重く、私たちはそれを避けてきたけど向き合わなくてはいけないものだと思った」との意見。また、旅好きで世界各国を旅してきた生徒は、お手本になりそうな国の憲法として、ブータン王国の憲法(2008年施行)を紹介してくれました。ブータン王国の憲法は、環境、文化などの保護を明文化したり、「助け合う」精神が前面に出ていたりなど、ユニークな憲法でした。その他、面白かったのは、憲法の条文の順序を変える、というアイデア。順序を変えるだけでも、随分と印象が異なるんですね。

日本の憲法について多様な視点で考える「日本国憲法ラボ」。全5回の講義を通して気づいたのは、憲法は私たちの生活に根付いている文化であり、それぞれの立場やバックグラウンドによって、憲法の捉え方が大きく異なるということです。実は憲法は私たち個人の生活の中で大きな役割を担っているんですね。



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