
AIの発達によって、私たちの生活は大きく変わっています。
占いの世界も例外ではありません。
星の運行やカードの意味を検索すれば、あっという間に膨大な情報が得られるようになりました。そんな変化の中で、「占いを学ぶ意味はこれからどうなるのだろう?」と感じる方もいらっしゃるかもしれません。
AIの強みは、統計的に処理できる膨大なデータの計算や整理にあります。たとえば複雑な星の配置を瞬時に割り出したり、過去の傾向から一定のパターンを導き出したりすることは、AIがもっとも得意とする領域です。効率や正確さという点で、人間がちょっと学んだくらいでは到底かなわないでしょう。
そんな話をしていると、「占いって統計学ですよね?」なんて聞かれることがあります。おそらく非科学的なことに首を突っ込んでいる私を、なんとかフォローしてくださっているのだと思います。
とてもありがたいのですが、心理統計学を学んだ身としては、「そうなのです!」とは言えません。だって、最近流行りのデータとエビデンス・・・占いに関するもので見たことはありますか?「それは私の中にある!」という占い師さんの顔が浮かびます。
私が心理学を学びながらも、まだ占いを学び続けているのは、むしろ統計の枠からこぼれ落ちる部分を見出すことができるからなのです。
カードの象徴や星の配置を前にしたとき、そこから何を感じ、どんな言葉が自分に響くのか、それは数値化できません。
つまり、統計の外側にある「主観的な体験」こそが占いの核心なのです。そしてその体験は、自分の内面を言葉にしていくプロセスを通して初めて生まれます。
占いで「幸運」や「不運」という言葉をそのまま受け取るのではなく、「私はどう感じるのか」「どう選択するのか」を問い直すきっかけにするのです。
ここで重要になるのが、自分の内面を言葉にするプロセスです。カードの意味や星の配置について話したり、引いたカードに自分の感情や考えを重ねたりすることで、ぼんやりしていた気持ちや希望が言葉として輪郭を持ちます。
その言語化のプロセスを通して、自分自身の物語を自分で編み直していく。これこそが、占いの本当の面白さであり、学びの醍醐味でしょう。
心理学的にいえば、それは「メタ認知」や「時間的展望」とも深く関わっています。メタ認知とは、自分の思考や感情を客観的に見つめる力。時間的展望とは、過去・現在・未来をつなぎ、自分の人生を大きな流れとして捉える力です。今の自分を客観的に見たり、未来に向けた視点を持ったりする力は、現実を生き抜くための重要なスキルではないでしょうか。
占いの言語化プロセスは、そのスキルを自然に実践できる場でもあります。占いは、自分に関する言葉を豊かに「用意」してくれる。自分を言語化していくツールとして大いに役立つものです。あなたが自分自身の言葉で物語を編み直し、自分の人生を歩んでいけるように。
占いを学ぶ時間は、AIでは代替できない。自分と向き合い、自分を育てるための贅沢な時間なのです。
