ブログ

ポートランドで見つけた、地元松本の魅力(山崎量平さん)

2016年大きな変化があった卒業生を特別インタビュー(聞き手:佐藤大智)

今年の夏にCREATIVE CAMP in ポートランドに参加し、帰国後すぐに仕事を辞め、地元の長野県松本市にフィールドを移した山崎量平さん。今年入社した東京の会社の人達、ポートランドで出会った人達、松本で新たに関わるようになった人達。これまで接してこなかった多様な「人」からたくさん刺激受け、自分の価値観の大きな転換があったとのこと。今は、東京では感じなかった「自分が世界を変えている実感」を日々小さくも感じるようになったそうです。

(聞き手:クリエイティブチーム佐藤大智)

 

img_2648

ーポートランドに行った後仕事をすぐ辞めましたよね?何があったんですか?

大学を卒業して今年の春から建築事務所で働きはじめたんだけど、職場の人と自分を比べてみて、自分は”もの”に対してクレイジーにはなれないなと気づいたんですよね。建築の哲学を考えるのは好きだったんですけど。働いていてどこか違和感があって、そのヒントを見つけにポートランドへ行きました。

ポートランドで、デザイナー、アーティストなど感覚や直感を大事にする人たちに出会って、話をしていくなかで自分に素直に感覚や直感で生きてもいいんだ!と扉が開けました。そして、自分の「好き」や「楽しい」という感情が何に対してなぜ思うのかがだんだん見えてきました。

で、帰国して、会社を辞めました。

img_2543

ーずいぶん決断が早かったですね

住みたいところで、自分らしく生きたい、と強く思うようになったんです。前々から30歳くらいには地元の松本に帰ろうとぼんやりは考えていましたが、ふと「なぜ今松本で暮らさないんだ?」って思ったんです。それで、もう松本に引っ越しました。

dsc_3943

ー松本の暮らしはどうですか?

高校生まで暮らしていたころにはなんとも思っていなかったことにたくさん気づくようになって、発見の連続です。街からすぐの豊かな自然、美しい北アルプスが見える景色、クラフトの文化、自営業の人が多く街の自由な空気感など、魅力的なところがたくさんあるなと。この要素って、ポートランドと似ているんじゃない!?って気がついたときはハッとしました。

田舎では無職の若者への需要が意外と多くて、りんご農家の外国人対応を手伝ったり、防災研修やまちづくり協議会に参加したり、DIYでカフェをつくっているアメリカ人の手伝いをしたり、アイリッシュパブを手伝ったり、信州大学の大学生と協力して映画祭の企画、開催をしたりしています。

 

ーたくさんの活動をされていますね。一見、脈略がないようにも見えるのですが…

ははは、そうなんです。でも、共通している行動軸は「自分の街をよくする」ということです。この街で足りていないピースを自分が埋めている感覚です。東京で暮らしたり、留学や旅行で海外を経験している僕はある意味よそ者なんです。だから、自分にしかできないことがあるなと見えてきました。自分で足りないピースを見つけて、何をするか自分で決めて、それを自分がやることで人が喜んでくれることが嬉しいし、やっていくうちに自分でもいろんなことを変えられそうな自信がついてきました。自分は無力だなと思っていましたが、今では東京にいた頃には感じなかった小さくも自分が世界を変えている実感があります。

dsc_4179

ーその実感がうまれたのはすごいですね。関わる人も変わりそうですね。

東京のころは建築関係の人と関わる時間が多かったですが、今はBARの店長や市役所職員、ヒッピーみたいな人などさまざまな職業の人や、おじいちゃんやおばあちゃん、赤ちゃん、子供とか、仕事に関係にとどまらないつながりが増えました。東京では関わらなかったような人たちに毎日ように顔合わせるようになって、それぞれみんな面白くて、たくさん刺激をもらっています。特に赤ちゃんの生きるエネルギーや感受性、成長スピードはすごくて、學ぶことがたくさんあります。

どんどんアクションしていくと、いろんな人に出会って、いろんな考え触れ、またそこから刺激を受けて、次のアクションに繋がっています。

 

これからはどうしようと思っていますか?

今は街が良くなるようにパズルを1ピースずつうめていますが、自分では限界があるなと。だから、もっと他のピースを持っている人を外から呼んできて、一緒にやりたいなと思っています。でも、ただピースをどんどんうめていくだけじゃなくて、「こんなパズルやらない?」って新しいビジョンを提案していく存在になりたいと思っています。

そのためにも松本という物理的場所にとらわれず、東京とか海外にも目は向けて外の動きもチェックしていきたいです。外の風を吹き込んで、自分が楽しい、おもしろいって思うことをどんどんやっていって、その過程の中でまたそこから刺激受ける。そんな循環をしながら、街もよくしていきたいです。



関連するブログ