クリエイティブチーム日記は、毎週火曜日にクリエイティブチームのメンバーが交代で書く日記。今週は花村えみです。
この物も情報も過剰にあふれている時代に、どういうモチベーションで起業をしたいと思うのか?これが最近私が探ってみたいテーマです。
Creative Camp in Portland では、現地でたくさんの起業家たちと会う機会がありました。そこで何度も耳にしたのが「失敗はチャレンジをしないよりまし」ということでした。なんでも起業家たちが集まると、決まって何度倒産したかという武勇伝自慢になるのだとか。3度倒産して4度目の挑戦でうまくいった、といったことはザラにある話のようです!
アメリカンドリームというように、アメリカではスタートアップの事業に投資家がつくと、株式公開の機会に莫大な富を得ることになります。日本と比べると、失敗のリスクを負ってでも、起業する価値があるのかもしれません。今年ポートランドにいって、ポートランド発のコーヒーメーカーが大手投資銀行出資になっていたりと、大資本の波が確実にこの街にも存在することを認識しました。しかし、そんな中でも「あえて拡大しない、大資本に魂を売らない」という企業も確実に存在することも事実でした。
Portland Razor Co モチベーションは古き良きストレートレーザー(髭そりに使うカミソリ)を復活させたいと語る。 Hunter Lea & Scott Miyako
彼らの起業は、自己顕示欲や見栄えの良さ、支配力や地位、先駆者という称号のための起業、とは違う理由でした。ベクトルは自分のためよりも人の幸せをつくるため、だったり、居心地のいい空間をみんなに提供したいから。さらに人と繋がるだけではなく、地域の問題を解決する方向にも向いています。それは日本における2011年震災以降の人と人の繋がりをデザインする起業、そして社会問題を解決をするための起業、という流れに通づるものを感じました。
以前、有名な起業家であり投資家としても知られるガイ・カワサキが起業のモチベーションについて語っている記事を読みました。起業を志すとき、自分がやろうとしていることがこの3つのうち一つも当てはまらない場合は、考え直した方がいいよと言っています。
Increase the quality of life 人々の暮らしを豊かにする
Right a wrong 間違っている状態を正す
Provent the end of something good 大切なものが失われていくのを防ぐ
Twitter、Facebook、 Instagramといったメディアを使えば、その人がどんな人で、どんな考え方を持っているのか、がすぐに分かってしまいます。利己的な要素や綺麗な建前は簡単に見抜かれてしまう時代。地域や社会の課題を自分化できる力、その設定能力が起業には必要なのかなと感じています。