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「里山のコミューン」を目指して

葉山町「森と畑の学校」と自由大学の3つの授業|キュレーター・竹田潤平さん(男子野菜部)インタビュー

「里山のコミューン」を目指して|葉山町「森と畑の学校」と自由大学の3つの授業|キュレーター・竹田潤平さん(男子野菜部)インタビュー

「授業を受けて終わり。何かを作って終わり。そうならずに、継続的に関わってもらえる場にしたい」

4月中旬から6月上旬にかけて、自由大学では「里山」をフィールドにした3つの授業が行われています。

食べたい畑を作る
小さな土かまどを作る
小屋を作ろう 〜バンブーハウス編〜

キャンパスは神奈川県横須賀市の湘南国際村にある「森と畑の学校」です。この3つの授業でキュレーターを務める竹田潤平さん(男子野菜部)が、2014年1月に「森と畑の学校」メンバーと出会い、一緒に「里山再生」を進めていく中で、3つの授業は誕生しました。現在は、クラウドファンディングプラットフォーム「Motion Gallery」でプロジェクトの支援も募集しています。そんな「森と畑の学校」と3つの授業について、キュレーターの竹田さんに話を聞きました。

Q.「森と畑の学校」と出会ったキッカケは?

ぼくと「森と畑の学校」との出会いは2014年1月。自分たちが出している書籍『TRUE PORTLAND』の出版イベントに、「森と畑の学校」のメンバーの青年が来ました。ぼく自身、青山ファーマーズマーケットのスタッフをしていて畑に行くことも多かったですし、葉山は地元にも近かったので、彼から畑の話を聞きすぐに遊びに行く約束をしたんです。

そもそも、この「森と畑の学校」がある場所は30〜40年前にデベロッパーによる開発が始まり、そして中断した土地でした。120ヘクタールという広大な山地の中の谷を埋め立てて作った5ヘクタールの場所がこのプロジェクトを行う土地です。

数十年放置されたこの場所を再生すべく、神奈川県が森の再生プロジェクトの公募を行ったところ、葉山牛を育てる石井牧場さんと実業家の伊藤力さんが手をあげました。この二人が代表となり「森と畑の学校」がスタート。とはいえ、埋立地。土の質が定まってなかったり、強い繁殖力の植物から解放するために、根気のいる開墾作業など、なかなかやりたいことも前に進まない状況だったようです。

Q.「森と畑の学校」に遊びにいくようになり、変化はありましたか?

実際に知人、友人や青山ファーマーズマーケットに毎週買い物に来てくださるシェフを誘って「森と畑の学校」に何度か行ったところ、あるシェフが「この場所で何かをやりたい」と言ってくれました。そのシェフは料理を通して、未来や社会に意義のあるアプローチをどうやって図っていくか考える方で、「人間の手で壊した自然を、そのまま放置なんてしていられない」「自分もその土地に何かの良い影響を与えられる活動の一端を担いたい」と思ってくれました。

シェフの想いと、畑のメンバーの想い。連れて行った人たちも何かこの場所の力になれればということが重なり、僕自身も何かちからになれることがあるか考えていました。そこが合わさったタイミングで丁度、葉山芸術祭という地元で行われるイベントの実行委員から、「森と畑の学校」もイベントに参加してくれないかというお誘いがありました。

Q.では「葉山芸術祭」に「森と畑の学校」が参加するタイミングから、竹田さんも「森と畑の学校」に関わるようになったと。

企画を何かし始めたのはそのタイミングです。でも、二つ返事で「うん」とは言えませんでした。なぜならかなりボリュームのある企画になるだろうと思いましたし、休日に片手間でやるような内容ではないなと。なので事前に会社のみんなに相談して、どう思うのか聞きました。

潤平がやりたいなら、思いっきりやればいいよと言ってくれたことは本当に嬉しかったですね。

「森と畑の学校」は資金不足・人手不足に悩んでいました。そこで今回、「Motion Gallery」でクラウドファンディングをすることにしたんです。そして、「森と畑の学校」を盛り上げるためには、お金だけでなく人が集まる場所にならなくちゃいけない。「森と畑の学校」を好きになってくれて、自由に使ってくれる人たちと出会うために自由大学で授業をつくりました。

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Q.「森と畑の学校」で行った授業では、どんなことをしていますか?

畑、釜戸、小屋。3つを自由に作る授業をしています。畑作りの授業には16人もの人が集まってくれて、授業が終わった後も生育を見守ったり、水をあげたりしにきてくれる卒業生がいます。「森と畑の学校」のことも、「自由大学」のことも知らず、青山ファーマーズマーケットでたまたまチラシを手にした方が参加してくれたりもして、嬉しかったですね。

釜戸作りは現在進行形で、6月まで続きます。土を乾かす時間が必要なんです。授業が終わった後は、7月にみんなでごはんを炊いて食べるという話も出ています。小屋作りは16日にスタートしたばかり。これからどんな授業になっていくのか楽しみです。

授業を受けて終わり。何かを作って終わり。そうならずに、継続的に関わってもらえるようにしていきたいですね。

Q.今後、「森と畑の学校」ではどんなことをしていきたいですか?

自由大学の「レクチャープランニングコンテスト」の@葉山みたいにものが出来たら良いなと思っています。また、秋に食事会のイベントをやろうかとか、音楽フェスを開催するなど、いろんな話が出ていますね。

将来的に「森と畑の学校」がどうなっていくのかは畑の人たち次第だと思いますが、自分が考えるのは、commun246のように多様な人々や活動が常に生まれていっている場所のように「里山のコミューン」がちゃんと出来たら皆にとって楽しい場所になるはずだと思っています。都市と里山の架け橋になっていくことが青山ファーマーズマーケットをはじめとした僕たちがやらなければいけないことの一つなのではと思っています。

【関連ページ】
森の再生と里山づくり「森と畑の学校」を応援するプロジェクト



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