講義レポート

<卒業生サウナ実例①>鹿又陸さんの「JUURI SAUNA」(宮城・女川町)

「サウナ創造学」から始まった挑戦。離島に循環型サウナをつくる

自分たちで、間伐材を活用したログ構造のスモークサウナを製作

「運命だったんです」サウナ創造学【実践編】の講義に申し込んだ理由を尋ねると、鹿又陸さんはそう笑って即答してくれた。Facebook投稿で偶然この講義の存在を知り、まるで導かれるようにその場で申し込んだ。2023年7月、横浜市役所の港湾局を退職し、生まれ故郷である宮城県へとUターンした直後のことだった。

新天地で始めたのは、サウナづくり。地域おこし協力隊として女川町の離島「出島(いずしま)」に移住し、長年放置されていた杉林の間伐から、自分たちの手でサウナをつくるという壮大な挑戦に乗り出した。その出発点となったのが、自由大学の「サウナ創造学」だった。

本土から離島「出島」に橋がかかり、島に行きやすくなった


■ 受講前の状況について

サウナ創造学に出会ったのは、まさに「これからサウナを作ろう」と決意し、行動に移そうとしていたタイミングだったようだ。

「これはもう、運命だと思いました」

サウナ施設の企画や建築には、多くの法的・技術的なハードルがある。条例や許可申請のポイントなど、ネットでは拾えない実務的な知識や現場の工夫を、リアルな事例から学べる場所を探していた。

また、自分の計画しているサウナの構想が、専門家たちから見てどう評価されるのか。それを知りたかったのだ。

「プロの目から見て、現実的なのか、それとも甘いのか。そういうフィードバックがほしかったんです」

離島で、循環型のサウナをつくった


■ 講義で得た学びと仲間との関係

実際に講義が始まると、自分と同じように「サウナを作りたい」という熱い想いを抱く受講生が何人もいた。

「同じ目線で話せる仲間と出会えたこと、それだけでもものすごく価値がありました」

どんな素材を使うか、どんな設備にするか、そしてどうやって資金調達をするか…。講義内外でも活発に情報交換が行われた。講義後には、みんなで注目すべきサウナに行き、議論を交わした。

教授やゲスト陣も一方通行の「授業」ではなく、実際の計画に対して具体的なアドバイスやサポートをしてくれた。

「終始、密なコミュニケーションが取れていたと感じます。受講するだけじゃなくて、仲間や講師と一緒にプロジェクトをつくっていくような実感がありました」


■ 卒業後に起きた大きな変化

講義期間を終えた後、受講生どうしで一緒にフィンランドへ視察旅行に出かけた。そこで出会ったストーブが、自分たちの理想とするサウナ像を決定づけた。「これだ」と思える一台に出会えたことで、サウナの核心が明確になった。

そして2024年、JUURI SAUNAが宮城県女川町の出島に誕生する。サウナ小屋の建設は、放置されていた島の杉林を自分たちで間伐するところから始まった。伐った木をログに加工し、ストーブの薪としても活用。さらに燃やした後の灰は森に撒くことで土壌の栄養となり、森を豊かにするという“循環型”のサウナプロジェクトとなっている。

「サウナを通して、森を育てる」

これがJUURI SAUNAの一番大切なコンセプトだ。


■ サウナ創造学をおすすめする理由

「この講義のいちばんの魅力は、人とのつながりにあります」

鹿又さんはきっぱりと言う。

受講後も、卒業生や教授たちとの交流は途切れない。JUURI SAUNAを建築中も、オープンしたときも、真っ先に仲間たちが訪れてくれた。

「全国のサウナ施設を一緒に視察に行ったり、イベントで再会したり。この関係性が、何よりも支えになっています」

受講中に得た知識ももちろん役に立っているが、それ以上に、心から応援し合える“同志”と出会えたことが、人生にとっての財産だという。

日本で唯一のフィンランド製ストーブ


■ 活動リンク

・JUURI SAUNA 公式HP
https://juurisauna.com

・Instagram
https://www.instagram.com/juuri_sauna/profilecard/?igsh=MXF1ajhoMW1icHBlZw==

・サウナイキタイマガジン記事
「循環を生み出すスモークサウナ JUURI SAUNA(宮城県牡鹿郡女川町)」
https://sauna-ikitai.com/magazine/articles/tanzyo-09

サウナを通じて豊かな森を育む


■ 鹿又 陸(かのまた りく)さん

株式会社JUURI 代表取締役

1988年生まれ、宮城県塩竈市出身。大学進学を機に上京し、卒業後は横浜市役所・港湾局にて東京湾の海洋環境調査などに従事。2023年7月、地元・宮城にUターン。女川町の離島「出島(いずしま)」に移住し、同年8月から地域おこし協力隊として活動を開始。

建築・法律の知見を活かして、循環型のサウナプロジェクト「JUURI SAUNA」を立ち上げる。長年放置されていた杉林の間伐から着手し、間伐材を活用したログ構造のスモークサウナを製作。薪にも間伐材を使用し、燃やした後の灰は森に撒くという自然循環を徹底。

「サウナを通じて豊かな森を育む」を活動の中核コンセプトに、2024年12月に本土から橋が開通したばかりの離島「出島」で挑戦を続けている。



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