あけましておめでとうございます。新年最初のクリエイティブチーム日記は小酒＠NYからお届けします。

2016年は育児にどっぷりな1年でした。去年の今頃、ようやくお座りができるようになった赤ちゃんが、今は一人でスタスタ歩き、ようやく10倍がゆからスタートしたご飯も、今では下手ながらもなんとかスプーンやフォークを使って食べるようになっているのだから、赤ちゃんの1年ってすごいですね。

かたや自分はどうだったのかと振り返ると、自分の外側についていたものがどんどんそぎ落とされていったような気がします。「外側」というのは、社会的な自分、見栄やプライド、欲求。家の中や育児に対する「ねばならない」。あと自制心。自分のことなんていつも後回し。食事も睡眠もお風呂もトイレも。あらゆることが自分のペースではままならない中で、大げさだけど、人間力を磨く修行のような気さえする。いろいろ自分の中で大事なことも手放していくなかで、残った何か。形や言葉にはできないけれど確かに感じる手ごたえは、これからの私の核になるものだと信じてる。

そう書くと、いいことばかりのようだけど、なんだか自分の「本質」というには高尚すぎるような、もっと見るのも嫌な根源的な自分を見せつけられたような気がします。そして嫌な自分と格闘するのって一人じゃできないものですね。娘のおかげで、私の他者とのかかわり方も変わったように思います。いいところも悪いところも含めて、素の自分と向き合った1年でした。

一方、「素」の塊でしかなかった娘ももうすぐ一歳半。驚くほどこちらの言うことも理解するようになりました。私と夫で態度が変わったり、顔色を窺ったりするようにもなってきた。社会的な自分がどんどんそぎ落とされていった私と、社会性を身につけていく娘。私はこれから娘にどんな衣をまとわせていくのか、はたまた鎧を着せてしまうのか、不安にも感じる今日この頃。でも気にしすぎてもしょうがない。私と彼女はすでに別々の人間。私からだけでなく、出会うものから何を選んでいくかは彼女の自由。いずれにしてもまだまだ彼女の人生ははじまったばかり。とりあえず今年も子育てにどっぷりつかりながら、一緒に成長していきたいと思うのです。