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西東京で地域密着だから出来ること(小菅亜実さん)

2016年大きな変化があった卒業生を特別インタビュー(聞き手:花村えみ)

工務店を営む家で育ち、四代目として活躍を期待される小菅亜実さん。今年はクリエイティブキャンプin Portlandをはじめ、自由大学の講義を複数受講してきました。10月には新しい活動場所 Nishitokyo CRAFT BASE をオープンさせたりと、どんどん想いを形にしているな、という印象。彼女が掴んだアウトプットを軽やかにしていくコツとは?

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2016年はグングン進んでる感じでしたね。どんな心境の動きがあったんですか?
工務店を取り巻く建設関係の業界って、男社会だし、職人気質の人が多いんです。ここでの流儀を知るべきだろうと、まずは彼らのやり方に巻かれてみたんですが、ずっと「なにか違う」ってもやもやしてました。夏にCreative Camp in ポートランドに参加したことは大きなキッカケでした。ここで「もういい加減アウトプットをしたい!」という衝動が強くなって、一気に進んだというかんじでした。

ポートランドのどんなところに触発されたんですか?
ポートランドで出会う人たちはインプットとアウトプットのバランスが良くて、まだ完璧になっていない段階でも人に見せながら「どう思う?いいでしょ?」って世の中に出していく。抱え込まないで、走りながら考えるし、表明していく、みたいなかんじのほうがいいなと。いい塩梅をたくさん見させてもらったように思います。

−日本人は欧米の人たちより(消化器官である)腸の長さが長い。じっくり消化して外に出すまでに溜め込む傾向にあるんじゃないかと?
まさにそう。笑

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−このNishitokyo CRAFT BASEがアウトプットですね。ここをつくった想いをきかせてください。

うちは親族で経営している工務店なんですけど、地域に密着した仕事をもっとしたかったんです。でも工務店って頼みたい仕事がないと人は入ってこないんです。とはいえ仕事を待っているだけなのも嫌ですし、営業をかけて押し売りするのも違います。それなら、何か楽しそうなことやっている、道行く人たちがふらりと入ってみたいと思う空間を作りたかったんです。

私自身、建築に興味があるというよりも、地域の人のために仕事をしたいという想いが強くあります。だから営業の一つの手段としてここをやりたくはない。工務店の仕事は、地域の人の暮らしに寄り添う仕事、と捉えれば周りとの繋がり方はぐっと広がります。

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情報は伝わりやすい形で届けたい。そんな想いが行き届いた冊子と新聞を創刊。「サザエさんに登場する三河屋さんのような存在を目指します」と紙面で語っているのが微笑ましかった。

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−やってみて心境にさらなる変化はおこりました?

脇目をふって生きていこうって思うようになりました。お店の中から、ガラス越しに道行く人たちを観察してるとですね、女の人は比較的「ここ何?」ってキョロキョロしていく人が多いんです。でも全く脇目をふらずに歩く人もいるんです。先日隣のお店の人と話をしていたら、5年前からお店をやっているのに、毎日ここを通る人から「お店があることを知らなかった」といわれた、という話を聞きました。

>(並木)俺なんて横しかみてない。いつまでたっても駅に着かない。笑

わはは!わかる気がする。
これって実際の生き方も同じだなって気づいたんですよ。目的地にしか行かないなんてもったいない。寄り道をすればいろんな発見があるはずなのに。脇目をふって歩いていかないと人生損だなーって思ったんです。

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TOKYOコーヒーライフ、創業スクール、北欧学など今年一年で複数講義を受講しました。自由大学の講義では自分とは全く違う仕事、全く違う価値観を持っている仲間に出会うことができたなと。ヒトとの出会うことで、少しずつ自分や活動する内容について俯瞰的な目を持つことができはじめています。

たまに頭の中でgoogleマップをイメージして物事を考えるようにしてるんです。「どこにいこうとしているのか?」とか「井の中の蛙になっていないかな?」ってスクロールダウンして自問自答することができます。結構効果あるんですよ。

講義で出会ったメンバーと一緒にzineを作ったり、一緒に仕事を作っていくことも目指したいと語ってくれる小菅さん。彼女の周りで起こっている楽しそうな渦から2017年も目が話すことができません。

インタビュー・Photo: 花村えみ



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