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クリエイティブチーム日記vol.38「離乳食からの学び」小酒ちひろ

毎週火曜日にクリエイティブチームのメンバーが日々のできごとを綴ります

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クリエイティブチーム日記は、毎週火曜日にクリエイティブチームのメンバーが交代で書く日記。今週は、小酒ちひろ@NYです。

先週の和泉里佳さんに引き続き育児ネタ。昨年8月にこちらで生んだ我が子も7か月になり、離乳食を始めています。日本にいたら何の疑問もなく、日本のやり方で離乳食も進めていたと思うけど、国が違えば事情も異なる。今日はアメリカの離乳食事情を少し書いてみたいと思います。

日本ではまず10倍粥からスタートしますが、こちらの小児科で勧められたのはライスシリアル。シリアルといっても朝食に食べるアレではなくて、粉末状になってます。これを母乳や粉ミルク、水で溶いてあげる。ライスシリアルには鉄分が補われていたりして、簡単に栄養バランスが取れるのもなかなか優秀。

お米以外の食材では意外や意外、アメリカの方が日本よりシンプル。日本の方が魚や大豆などのタンパク質をあげ始めるのは早かったりします。売っているベビーフードも日本は調理されたおかずが多いけど、こちらは野菜やフルーツのピューレがほとんど。そしてなんといっても、日本の離乳食の特徴は出汁!もちろんアメリカのレシピに出汁が出てくるはずもなく、こうして日本人の「旨み」の味覚が刷り込まれていくのだなと思います。

ひな祭りメニュー。こういう季節の行事があったり、食材で季節を感じることができるのは本当に日本の良いところだなと思います。

ひな祭りメニュー。こういう季節の行事があったり、食材で季節を感じることができるのは本当に日本の良いところだなと思います。

逆に日本では出てこないけど、こちらのレシピで出てくるのは、スパイスやハーブ。りんごに少しシナモンをふってみたり、ミントを散らしてみたり、あくまで素材の味を活かしつつ、風味づけに使う感じです。有名シェフ、アラン・デュカスの離乳食レシピ本も買ってみましたが、こちらはオレンジやレモンの果汁を仕上げに一振りしたり、最後のひと手間にフランスらしさを感じるし、肉や魚のレシピでもフルーツを上手く組み合わせているものが多く、大人向けの料理にもアレンジできそう。出汁を使わずに素材の組み合わせで美味しさを引き出すいい勉強になります。

また、こうして離乳食の本や育児の本を見ていると、本自体にも国の違いが現れていることに気づきます。日本は本当に丁寧。食材はこれぐらいのテクスチャーだとか、フリージングの技だとか細かく載っていてわかりやすい。また、特徴的なのは「〇〇ちゃんの1日」や「〇〇ちゃんの離乳食」みたいな例がたくさん出てくること。こちらの本だと、レシピもそこまで写真付きで丁寧には載っていないし、読者モデル的赤ちゃんもほとんど見ない。日本はよく言えば親切。悪く言えば、それがお母さんのプレッシャーになってることも多いんじゃないかな。子育てなんて正解があるわけないのに、そこにもやっぱり正解を求めてしまう。安心を求めた結果、教科書的な本が増えて、逆にそこからはみ出ると心配しすぎてしまう。アメリカの本は、レシピ本ならあくまでその著者の考えとして書かれているし、発育に関する本は科学的根拠がやさしく書かれていたり、より客観的な印象。こんなところにも国民性の違いが出ているようです。



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