クリエイティブチーム日記は、毎週火曜日にクリエイティブチームのメンバーが交代で書く日記。今週は、花村えみです。

物やサービスとの交換だけではないお金の働きが始まっている

前回の岡島さんの回でも紹介していますが、最近自由大学の周りでもクラウドファンディングに挑戦する人がとても増えてきました。クラウドファンディングは、プロジェクトの資金を得たい人・お金を出す人、双方の想いを乗せことができるので、人と人との関係を育む手段になっています。実際支援と共にプロジェクトを立ちあげた人にあてて応援メッセージを書くことができ、知り合いではなかった人からのメッセージに胸を熱くした、クラウドファンディングの出資者がプロジェクトの仲間になった、という声をクラウドファンディング挑戦者から聞くことがあります。

一方決済方法では、Squareなどのサービスによってクレジットカード決済システムが個人で使える身近なものになっています。電子マネーや銀行口座自動引き落とし。使い出せばなんて安全だしお気軽なのでしょう。そういえば私もお給料は現金でもらったことなんて学生時代の短期バイトでしかありません。身近なところから少しずつ貨幣が消えつつあるような気がします。

資金調達方法や決済方法が、貨幣経済が始まって以来の過渡期にきているのではないか。そんな肌感覚を今もっています。いまやお金は物やサービスとの交換のためだけにあらず、想いを見える化して人をつなぐ媒体になっています。そして技術によって貨幣自体は姿を隠し、お金をもらう側・払う側の認識は薄くなり関係はよりフラット化しつつあります。この流れは私たちの人とのつき合い方、物との向き合い方にどんな影響を及ぼしていくのでしょうか。これがいま私が興味をもってアンテナを張っているテーマの一つです。

Good Finance makes Good Creativity.

ずっとお金について考えることや語ることは「煩わしがられる」「好まれないこと」という空気が流れているように感じてきました。私自身がお金→自分の利益を最大化するために動く、というイメージに囚われてきたように思います。クリエイティブチームで働き始めて、お金についての考えに変化が起こっています。資本がしっかりしていること、いい経営をすることがよい創造活動を支える。資本がしっかりしていれば、Stupidなクライアントを切ることだってできます。

お金のもつ意味合いが変わってきている、それによって世の中がどう変わっていくか。目に見えるBig waveではないかもしれないけれど、それは確実に私たちの周りでジワジワと始まっています。そしてそれについて語り合うことはとてもクリエイティブなことだと確信しています。