講義情報

Lecture Planning学

Lecture Planning学

学長と自由大学の面白い新講義をつくろう

BREAKTHROUGH & FREEDOM-circleBREAKTHROUGH & FREEDOM
Lecture Planning学

講義について

あふれる探究心を、自由大学で新講義にする

わたしたち自由大学は、表参道にある「誰でも新しい講義を立ち上げることができる」少し珍しい学校です。創立10年を迎えましたが、この「レクチャープランニング学」は、自由大学で新講義を企画し実現することが目標。自由大学学長の深井次郎が、メンバーと一緒に企画の種を芽がでるまで丁寧に伴走します。自分の地域で自由大学的な学びの場をつくりたい方にも、参考になるはず。

なぜいま多様な「学びの場」が必要なのか

近年で東京だけでなく全国各地に「大人の学びの場」が増え、熱気が集まっています。何とか大学、何とかの学校など思い思いにネーミングし、主催者も個人やチームから大企業までさまざまです。

増えているその背景には、多くの人が「時代の大きな変化」を感じ取り、未来に向かって自分も変わって行こうとスイッチが入っていることが考えられます。

背景① 人生100年時代には、何度も転機がやってくる

日本人の健康寿命はますます延びていますが、反対に会社の寿命は短くなっています。人生で倒産や転職を経験することが当たり前となり、もしフリーランスであってもひとつの専門領域、スキルをマスターしただけでは5年10年もすれば陳腐化し通用しなくなってしまう。これはすでに実感している方も多いと思いますが、立ち往生してしまう前に先手先手を打ち、常に好奇心の向かう方向へ学び続けていきたいものです。

背景② 変化の時代には、仮説を立て実験する力が必要

かつて「安定成長の時代」は、前例を模倣すれば同じ成功を手に入れることができました。しかし、わたしたちの生きる「変化の時代」では、前例が通用せず混迷を極めています。個人のSNSがマスメディアよりも影響力を持ったり、小学生でもiPhoneひとつで起業できたり、オフィスがなくなりリモートワークが可能になったりした時代は、人類史上過去に例がなく、これからやってくる暮らしは、まったくの未知の領域。過去を研究するのも大切ですが、それ以上に、理想の未来を想像し、仮説を立てる能力が必要になります。過去の成功談を語る偉い人の講演会よりも、一緒に切磋琢磨できる同志との意見交換やつながりが重要な意味を持つようになってきました。

背景③ 失敗を経験できるのは、遊びと学びだ

濃霧につつまれた森の中でも安全に歩むためには、歩幅は狭くなり、手数は増えます。あなたが取り組んでいるプロジェクトも同じで、小さく始めて実験をくり返し、五感と六感を研ぎ澄ませて手探りで進むしかありません。多産多死。そしてその中から予想外のひとつが芽を出したりするような実験室が求められます。

確率論として、失敗をくり返さなければひと握りの芽も出ないのですが、残念ながら社員に失敗を許す余裕のある会社はそう多くはありません。独立している人ならなおのこと、たった一度の失敗で契約打ち切りもありえます。もし職場で実験が許されなければ、他でやるしかありません。その点、遊びや学びの場でなら、いくらでも貴重な失敗をすることができます。

趣味や遊びが学びになり、それがやがて新しい仕事にもつながっていく。遊び学び仕事の区別がなくなっているのが現代です。先進的なナイキやアップル、パタゴニアなどは本社を「オフィス」ではなく「キャンパス」や「パーク」と名づけています。これに象徴されるように、講義や部活から事業が立ち上がる、ということが起きる。新しい事業は、キャンパスから生まれているのです。

背景④ ニッチで多様な学びのニーズが生まれている

価値観が多様になっている現代は、カオスの様相をていしていて、人の数だけ偏愛があり、学びたいことも異なります。網目のように細分化していて、とても既存の大きな学校だけではカバーしきれません。多様な学びのニーズに応えるためには、誰かがやってくれるのを待つのではなく、「なければつくる」のDIY精神で、学びたい人自身が企画し草の根的に小さく生んでいくほうがよほど早いです。

そのほか、多くの理由がありますが、学びの場に注目が集まっていることは確かでしょう。迫ってくる変化の大波から逃げようとすれば飲み込まれてしまいますが、冷静に見極め勇気を出して正面から向かっていけば、小舟でも安全に乗り越えていくことができます。自由大学でも、前向きなビジネスマン、クリエイター向けにもっとユニークな講義を増やしたいですし、日本中に学びの場がまだまだ足りないと思っています。


自由大学は、教室の壁を超える学校


自由大学で講義をつくるにあたり、わたしたちが大切にしていることを3つお話しします。


1. 中世ヨーロッパの「大学の起源」にインスパイア

自由大学というシステムは、もともと「大学の起源」とされる中世イタリアのボローニャ周辺で起きたムーブメントからヒントを得ています。そこでは最初に偉い教授や学位や校舎があったのではなく、「学びたい!」というひとりの生徒の好奇心から始まりました。自分の学びたいテーマを、あの手この手で紹介を辿りながら適任の先生を見つけてきて、教えてもらえないか頼んだのです。場所は、近所のカフェでも教会でも公園でも自宅でもよかった。

マンツーマンでもいいけど、貴重な機会なので興味が似ている知人にも声をかけました。先生を囲んで輪になり、聞きたい質問をぶつけディスカッションをしました。社交界にデビューするために弁論術を学んだり、紳士としての服装や、リーダーとしての立ち振る舞い、はたまた薬草や占星術について、絵画や読書の方法について、政治や資産の増やし方など、小さな輪が多発していきました。現代で言えば「今度みんなで集まろうよ」とスマホで呼びかける飲み会の気軽さで、学びの場ができていたと想像します。先生や幹事には、集めた会費から謝礼を少し渡し、継続できる仕組みにしていきました。

近代のように「立派な校舎がなければ、国の許可がなければ、教員免許がなければ、高額の学費がなければ」という堅苦しさはどこにもありませんでした。学校は、もっと自由に誰でもつくっていいものだったのです。

 

2. ここにしかない「新しいライフスタイルを提案する」講義をつくりたい

「誰でも学べて、誰でも教えられる」自由大学ですが、こんな講義が増えたらいいなという理想はあります。

創立者の黒崎輝男は、80年代からインテリアのIDEEブランドを立ち上げ、当時の日本にまだなかったデザイン家具のカルチャーを根付かせた人物です。マークニューソンなどのちの世界的デザイナーを世に出したり、アップルのジョナサンアイヴ、コムデギャルソンの川久保玲、ポールスミスなどと親交を深めコラボレーションをするなど、デザイン界で「新しいライフスタイル」を提案。時に驚きを与え、それがやがて当たり前になるという時代の潮流をつくりだしてきました。近年でも、ファーマーズマーケットや「シェア」のムーブメント、ポートランドで起きている動向をいち早く日本に紹介したり、東京のライフスタイルホテルをキュレーションしたりと、暮らしを変える革新的なコンセプトを世に問い続けています。

わたしたちは、そうした黒崎のカルチャーを汲みながら、今まで「食」から「働き方」までジャンルにとらわれず、講義をつくってきましたが、特に「新しいライフスタイルを提案する講義」に面白さを感じています。新しい(New)と言っても、古き良きものに再び光を当てること(New again)、普遍的な新しさ(Always new)も含みます。「今はまだその価値に気づいていないが、これからは世のスタンダートになるだろう」というようなテーマを積極的に講義化していければ、と考えています。

 

3. 学びのネットワークで越えていく

「個の時代」と言われていますが、孤立する必要はありません。近くに行くのなら一人が速いけれど、濃霧の中を遠くまで行くなら仲間がいると安全です。さまざまな業界や組織、世代の垣根を越えて、同じ興味でつながったメンバーのユニット、グループ、知のネットワークで超えていく。

出版史に残る名著『ホモルーデンス』の著者ホイジンガも、実は一人で書いたわけではなく、彼を囲む知のネットワークがありました。人類史すべての情報をたった一人で網羅できるわけはなく、足りないところは、先輩や仲間から知恵を集めていた。学びのネットワークをつくれば、ひとりの力を超えられるのです。

自由大学でも、同じようなことが頻繁に起きています。助け合ってお店を開店させたり、出版したり、登山したり、音楽をつくったり、事業や企画展を立ち上げたり、移住したり。

偉い先生に過去の成功談を教えてもらうのではなく。偉くはなくても若くても現場でトライアンドエラーを重ねる探求心のある先生と一緒に考え、ディスカッションし、アクションにつなげていく場づくりに価値を感じています。


▶︎何が学べるのか。新講義をつくること=事業をつくること


全5回を通して、参加メンバーには、実際に新講義を企画して開講できるようになるプログラムを用意しています。
企画から、広報、現場までの一連の流れを経験することで、自分の興味関心を軸として、仕事を立ち上げるスキルが身につきます。仕事を「もらう」のではなく、自ら企画し仕事を「創り出す」スキルがあれば、変化の時代であってもたくましく生きていけます。

何もわからなければ未来が不安で仕方ないけれど、望む現実を自分でつくれることがわかれば、変化の時代も楽しみになります。日本の学びの場をもっと自由にするために、一緒に、表参道から新講義を世に出しませんか。

 

▶︎教授  深井次郎より


自由大学もいくつかの賞や各メディアで「学びの場ムーブメントの先駆け」と評されることも多くなりました。しかし、正直もうし上げてこれは最初から狙ったものではありません。これから流行るだろう、などという思惑はなく、自分たち自身にとって「いま、学びが必要だ」と切実に求めていたから、新しい学校のかたちになっていきました。

もしかすると、あなたも同じかもしれません。25歳で会社を辞めて独立するとき、「これからは大きな何かに依存するのではなく、自分の頭で考えて生きていくんだ」と決めました。それはイコール「一生学び続ける覚悟を決めること」でもあり、武者震いとともに緊張感も走りました。

自由大学は、2009年の設立以来、およそ250種類の講義を立ち上げ、2万人近くの人生と丁寧に向き合っています。まったくそんなことはないのですが、ビジネスとしてうまくやっているように見えることもあるようで、海外からも有識者が視察にいらっしゃいます。新しい学校のつくりかたを教えて欲しい、自分も自由大学で講義をつくりたいと求められることも増えました。

わたしたちは正直にお伝えしています。これが流行るだろうとビジネスが先に来ては、望む結果は手に入らないかもしれません。反対に「熱い思い」だけでも仕組みとして持続できません。時間が許すまでお話しさせていただいていますが、いかんせん限られた運営人員でやってますゆえ、一人一人と腰をすえて細部までお伝えすることがなかなか難しく、ずっと歯がゆい思いがありました。

この講義では、わたしたち運営チームが10年間の試行錯誤を通して蓄積してきた経験値と、向き合ってきた問い「新しい時代に必要な学びの場とはどんな形だろう」の途中経過を包み隠さず共有できたら嬉しいです。きっと、あなたのマイプロジェクトがさらに前進するきっかけになると信じています。

 

                 (第5期募集開始日:2021年5月26日)

●こんなかた向けの講義です

・世に出したい講義アイデアがある

・アイデアはないが、自由大学でユニークな講義をつくりたい

・自由大学みたいな学びの場を自分でもつくりたい

深井次郎教授からのメッセージ


講義計画

第1回

テーマを決めるには

学校の価値とは何か。なぜ学校を運営しているのか、様々な理由。人は何を期待して学校に通うのか。新しい時代に求められる良い講義ってなんだろう? 情熱を持って探求できるテーマを講義にしよう。世の中に良い影響を与えるか。独自性をどのように生み出すのか。ニーズがあるかの事前テスト方法。自由大学10年間の過去の成功失敗事例を紹介しながら、考えます。

第2回

教授・ゲストを決めるには

先生によって、受講生がそれが好きにも嫌いにもなるくらい、「誰から教わるか」は重要です。先生選びの基準はどこに置いたらいいのか。魅力的な先生の探しかた。YESがもらいやすい依頼方法。効果的な打ち合わせの流れ。納得感のある報酬の取り決め方法など。なぜゲストが必要なのか。

第3回

プログラムを組み立てるには

受講生を目指すレベルにまで効果的に導くには、どのようなプログラムにしたらいいのか。どこが重要でどこがそうでないか取捨選択する編集的視点は必須です。広く浅くカバーするか、深く狭く掘り下げるかなど、よくある迷いがちな点もクリアに。誰にでもできるよう再現性のあるメソッドに落とし込まれ、階段を上りやすいように親切に設計されているか。「先生が伝えたいこと」「受講生が求めていること」両者にズレがないか確認する方法をお伝えします。

第4回

募集ページをつくり広報するには

どんなに自信のある講義を企画しても、その魅力が伝わらなければ参加してもらえません。人を動かすコピーライティングの基本を学び、タイトル、キャッチコピー、紹介文面で絶対に外せない要素を組み立てていきましょう。言い回しやアイキャッチ画像の細部を変えるだけで、参加者の質が変わるので慎重に設計します。クチコミが広まる仕掛けとSNSなど日進月歩で変わり続ける広報手段について。また、講義の価格の決めかたとその裏側もお伝えします。

第5回

講義のファシリテーション、コミュニティマネジメント

全員が心をひらき、ありのままでいられる、創造性を発揮できる安全な場づくりを意識します。各企画に合った初日のアイスブレイクから、メインコンテンツ、ディスカッション、プレゼンテーションなどについて大切なポイントを共有。場はいつも人の内面につながっている。主催者はどんなメンタリティで存在すればいいのか。参加者を客体化させず主体的に関わってもらう仕組みとは。「何かが変わった」と実感を得てもらうために必要なこと。実際にロールプレイング演習も。受講中、受講後の発展的なコミュニティづくり、運営方法まで考えます。

ORDINARY

キュレーター

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スケジュール

講義名
Lecture Planning学
日程

第1回:6月19日(土)19:30-21:30

第2回:6月26日(土)19:30-21:30

第3回:7月3日(土)19:30-21:30

第4回:7月10日(土)19:30-21:30

第5回:7月17日(土)19:30-21:30

定員
9名 ※定員になり次第締切 ※開講決定しました。 
申込締切日
6月17日(木)
授業料
39,600円(税込)
キャンパス

COMMUNEメインキャンパス

 

備考
講義後に簡単な懇親会をするかも。自由参加です。
講義テキスト代500円を当日集めます
持ち物
飲み物お菓子などご自由に。ノートPC持ち込み可。Wifiあり。
補講について
事前にメーリングリストかfacebookグループ上で欠席連絡をいただいた方には、次回の講義開始前30分程度でおさらい。
事前課題の有無
課題の提出やフィードバック等で「facebookの非公開グループ機能」を使用します。 facebookアカウントをお持ちでない方は、講義初日までに登録しておいてもらえるとスムーズです。
コロナのリスクについて
マスク着用、手指消毒、換気の対策を徹底した上で、対面講義を実施しています。ただ万が一、政府より明確に「東京都における10名以下の授業」に対して中止要請がなされた場合に限り、同じ日時でオンライン講義(ZOOM)に移行します。

現在申し込みを受付けておりません

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