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クリエイティブチーム日記vol.1「言葉を交わす」岡島悦代

毎週火曜日にクリエイティブチームのメンバーが日々のできごとを綴ります

クリエイティブチーム日記
これから毎週火曜日に、クリエイティブチームのメンバーが交代で日記を書くことにしました。普段、講義募集文やレポートなど文章を書く機会は多いのですが、これからはもっとみんなとの距離を縮めたい!ということで、顔の見える文章を書いていくことになりました。クリエイティブチームはそれぞれの個性が響き合って、自由大学を運営しています。日々メンバーが感じたことや、考えていることが原動力になっているのです。記念すべき第1回目はクリエイティブチームに入って3年目の岡島悦代からスタート。3日坊主にならないように、みなさんからの感想などもお待ちしております〜(←他力本願)

 

言葉を交わす
4月10日から16日までイタリアのミラノに行ってきました。旅の目的は、国際的なデザインの見本市「ミラノ・サローネ」を見に行くこと。最近、日本茶を海外に広めるプロジェクトに参加しているので、あわよくば現地でPOP UP TEA PARTYを開催しようと目論んでいました。自由大学棟の隣にあるシェア・オフィス「みどり荘」のキュレーター大矢くんと、そこに入居している「mountain house architects」の山家さんと話が盛り上がり、携帯式のバーカウンタをつくって、いざミラノへ。

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どこでもティーパーティーができる可動式のカウンター。山家さんデザイン。

 

滞在先は長屋のようなアパート。外の共有部分は花が咲き乱れていて、住んでいる人たちみんなで手入れしていました。猫がたくさんいて、どの子も人なつっこく、とても可愛がられている様子。部屋の窓を開けていると、ご近所さんにインテリアについて質問されたりして、声を掛け合うのが自然な環境。家の中にいて隣の家の物音が聞こえても、なぜか安心できる。ホテル滞在では経験できない、暮らしの息づかいを感じることができました。

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滞在先のアパート。共用部分を美しくしようという意識がステキ。

 

そしてとある食堂に行った時のこと。今まで経験したことのないコミュニケーションに出くわしたのです。途中で、自由大学のファウンダーである黒崎さんと合流。黒崎さんは何度も「ミラノ・サローネ」を訪れている、デザイン界の有名人。昔から一緒に仕事をしている、というデザイナーの方とランチを食べに食堂へ行きました。

席に着くやいなや、イタリア語が飛び交います。最初はさっぱり状況が掴めませんでしたが、どうやらメニューを決めている様子。

「オーソブッコ(子牛の骨付きすね肉煮)、あるでしょ?ミラノ名物をみんなに食べさせなきゃ。黄色いリゾットの上に柔らかい肉を乗せて。あ、それ出す前に生ハムが来ないといけないな。肉ばかりだからサラダも出して!オリーブオイルと塩、シンプルに食べるのが一番うまいんだ。」

食堂中に会話が鳴り響き、店の人との掛け合いがしばらく続いたと思うと、テーブルにサッとスライスしたてのハムが並びました。

それから次から次へと料理が運ばれ、あっという間にお腹がいっぱい。お客の美味しいものを食べたい、という執念とそれに応えようとするお店のプライドが、言葉を介して良い感じのグルーブ感を醸し出し、今でも食べた料理の味をはっきりと思い出せるほどです。言葉の掛け合いからイマジネーションを膨らませて、お互いの落としどころを見つける。遙か遠い昔から、さまざまな民族や文化が流入しては、新しいものを生み出してきた土地に根付いたものを垣間見た出来事でした。(岡島悦代

次回の担当は去年からクリエイティブチームメンバーとなった花村えみさんです。

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軽く100年以上は経過している建築物の中にある食堂。妄想でルネッサンス期にタイムスリップできる。

 



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