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クリエイティブチーム日記vol.53「日本のクラフトと北欧」岩井謙介

毎週火曜日にクリエイティブチームのメンバーが日々のできごとを綴ります。

クリエイティブチーム日記は、毎週火曜日にクリエイティブチームのメンバーが交代で書く日記。今週は、岩井謙介です。

5月の上旬に北欧ライフスタイルマガジン「a quiet day」の取材でデンマークの首都コペンハーゲンを旅している時にPernille Snedker Hansenさんというデンマークのデザイナーに出会いました。

彼女はテキスタイルデザインから始まり、日本の墨流しの技法からインスパイアーされ、マーブリングなどのデザイン行なっています。通常北欧のテキスタイルデザイナーは布などに裁縫することや布地にプリンティングすることでデザインを施したりすることがほとんどで、テキスタイルという言葉を聞くと、こういったイメージを思い浮かべる方は多いのではないでしょうか。

ところが彼女の場合、テキスタイルの役割・分野や制約を広げるようにデザイン制作を行なっています。その手法は、”プール”と呼ばれる水面に絵の具を垂らし、同心円状に分散させて柄を整え、その”ブール”の表面に木材を浸すことで、木材にマーブリングした色を染色します。

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日本の墨流しでは、和紙にマーブリングするコトがほとんどで、この技術を使ってデザインした紙袋などを作るところが、テキスタイルのデザイン領域として精一杯ですが、これを木材に染色・デザインすることで、そのアウトプットの形の可能性は広がっていきます。
床板にしても良し、この木材を使って家具を作っても良し。なんなら家だってと想像してしまいます。

彼女にデザインをする時にどんなことを考えているのかと聞いたところ、「Looking at tradition and using it in a new way」(「伝統を観察して、それを新たな手法で使ってみる。」ってところでしょうか。)とのこと。

流派がどうとか、誰の弟子かといったことに捕らわれず、クラフトの技術をしっかりと観察し、クオリティーにこだわっていくコトが、これからのクラフトには求められてくるのではないのでしょうか。

Pernilleのスタジオ
そんな新しいCraftの流れを作っていくTOKYO CRAFT MARKETが今週末の7月23日(土)24日(日)に開催します。

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【イベントコンセプト】
世界はCraftを求めている。
19世紀後半から20世紀始めにかけて、Willam MorrisたちのArts and Crafts運動が起きました。
日本でも民藝運動と共に、アートのムーブメントが次々に発生。それは産業革命によってもたらされたマスプロダクションに対する反抗として、熟練した手仕事と、美意識をライフスタイルに持ちこむ大きな流れになりました。
そして現代の世界では、再びCraftの心が必要です。手で作り、作りながら考える。
産業革命以降の現在、情報革命とともに、もの作りの心を世界は求めています。
Art, Craft and Scienceを通じて、人類の創造力が発揮され、現在の世界に溢れている危機的状態を救って行く唯一の道かもしれません。
伝承されるべき日本の工芸や世界のCraftmanship、日々の生活からアートを見出していく『TOKYO CRAFT MARKET』第二回を青山・Farmer’s Market @ UNUの会場に開催します。

tokyocraftmarket.jp

【イベント概要】
名称:TOKYO CRAFT MARKET|Season 02 : Summer 2016
日時:2016年07月23日(土) 10時から17時
2016年07月24日(日)
場所:国連大学屋根下中庭
住所:150-0001 東京都渋谷区神宮前5-53-70 国際連合大学
入場:無料
イベントページ:https://www.facebook.com/events/1698842323715637/

※またマーケットに合わせて編集されたCraft-Art for Life- 02が会場にて販売致します。

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アフリカ大陸各地の職人とデザインコラボレーションするStephen Burks Man Made、ロサンゼルスのクラフトショップ、上出長右衛門釜の六代目の上出惠悟などクラフトをフォーカスに記事を取り上げております。

 

 



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