講義レポート

インドに、スパイスを、インド料理を、インド文化を、世界史を学んだ(前編)

「インドに学ぶスパイス学(初級)」講義レポート

こんにちは、「インドに学ぶスパイス学」キュレーターの勝川です。

私自身が大好きなスパイスの楽しさを、多くの方に知って頂きたいと企画したこの講義。最も基本的な7種類のスパイス(クミン、コリアンダー、ターメリック、カイエンペッパー、シナモン、クローブ、カルダモン)を取り上げて、効果効能や使い方などの基礎知識から、ドリンク、料理の調理までを体験型で学びます。2013年の年明けに、週末の3日間にわたって開講した第1期のうち、2日目までの講義内容をレポートします。

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1日目は1コマ。第1期の受講生は、男女比1:2くらいです。まずは自己紹介をしていただきました。スパイスをお仕事にされている方から、種類もよく知らないけれどカレーやチャイをつくってみたいという初心者の方まで、スパイスについてのスキルは様々ですが、食べる事が大好きで、好奇心旺盛、多趣味な楽しい方ばかりです。

緊張もほぐれたところで、いよいよ講義開始。「世界史のなかのスパイス」では、ヨーロッパの大航海時代の歴史に、当時珍重されていたスパイスが大きく関わっていたことが紐解かれ、マルコポーロや黒船も飛び出し、アカデミックな時間となりました。

「7種類のスパイスの紹介」では、インドの神様”ガネーシャ”は、実はあるスパイスで出来ている、という話から、歯医者さんや楊貴妃へと思わぬ話の展開もあり、スパイスの世界の幅広さ、奥深さを感じました。受講生のみなさんのスパイスへの興味が高まったところで1日目は終了です。

2日目は、スパイスと友達になることを目指しました。
講義で使う7種類のスパイスを、五感で深く体験しながら、学んでいきます。それぞれのスパイスには、香り、味、などの役割があることを、ひとつひとつのスパイスとじっくり向き合いながら感じていきます。興味はあったけれどよく分からなかったスパイスとの距離がぐっと近づいてきました。

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いよいよお待ちかねの調理実習です。この日は、いろいろなドリンクを作りました。スパイスをお湯で抽出するだけで、リラックス効果、消化促進効果などのあるお茶が作れることに、まずはびっくり。香りを深く吸い込み一口飲むと、効果を実感できて、講義で習った効果効能を納得します。複数のスパイスを組み合わせることで深みのある香りと味わいを創り出すこともできました。受講生のみなさんには、リラックス効果のあるコリアンダーのお茶が大人気でした。

ヨーグルトと牛乳を使うラッシーは、しょっぱい「ソルティーラッシー」と甘い「マンゴーラッシー」の2種類を作りました。「ソルティーラッシー」は初めて味わう方が多く、???と不思議な表情の方も。インドの食文化の学びにもなったようです。

「チャイを作れるようになりたかった」という方が多く、熱心にメモや写真がとられていました。チャイに向く茶葉の種類や、スパイスを砕いて使うなどのコツ、バラッツさんのインド人のおばあちゃん秘伝のチャイをおいしくするおまじないまで教えていただきました。インドで使われている、チャイを泡立てる道具に有志がトライ。チャイは、一度習えば簡単に作れるようになりますので、受講生のみなさんの満足度が高かったようです。

インドに、スパイスを、インド料理を、インド文化を、世界史を学んだ(後編)】に続きます。



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