講義レポート

足元を大事にするということ

「20年履ける靴に育てる」講義レポート

冬が近づいてきましたね。20年履ける靴に育てる キュレーターのみよしです。和気あいあいととても楽しい雰囲気だった12期が修了しました。

毎回たくさんの質問が出て、いろんな情報を共有できました。靴の話でこんなに盛り上がれるのはこの空間だけです。さらに今期は静岡から通ってくださる方もいました。靴を育てる という言葉に惹かれ、全国の、たくさんの方がここで繋がっていくことがとても嬉しいです。

さて、みなさんは毎日履いている靴、手にとってまじまじと見たことはありますか?

自分の目の高さにもってきて見てみると、傷がついてるところ、すりへっているところ、見ているようで見てなかった細部のデザイン、自分のくせや靴の良さを改めて感じられることがあります。この講座、靴磨きが好きな人が集まってるんでしょ、と言われる事がありますが、いえいえ、実は今すでにばりばり磨いてます!という方は少ないのです。むしろ初めて道具を手にするという方のほうが多いくらいで。

ですから、実際にケアを始めるとき、靴を目の高さに置き、まるで人間の肌のように汚れを落とし、栄養クリームをいれてあげ、最後にきれいに仕上げてあげるという流れに驚く方が多いです。靴の重みを感じながら、手でクリームをなじませてあげたり、傷をつけてしまった自分のがさつさにがっかりしたり、この靴にはどの色のクリームが合うだろうかとか、靴と向き合っている時間は一途になれる時間でもあります。真剣になると汗をかくほどです。

「だんだん靴が可愛く思えてきた!!」この言葉が聞こえてくると思わずニヤリとしてしまいます。目に見えて綺麗になってくる、靴が応えてくれるのを感じるからだと思います。

捨ててしまおうかと思っていた靴をダメもとで磨いてみたら、新品の頃より味が出てイイと思えたり、新しいものを買うのは簡単だけど、自分で綺麗にしていける技を身につけることは一生ものだと思います。

そして、靴のケアをするようになると、日頃の所作や振る舞い、歩き方が変わってきます。

傷をつけないように、綺麗にした靴が綺麗に見えるように。そして大きな変化は他人の靴も踏んだり傷つけてしまうことがないように周りにも目を配れるようになったことです。足元を大事にするというのは、人間として美しくなっていくことなのかもしれませんね。

この冬、一緒に靴を育てる楽しさを学びませんか?



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