きっかけは、Facebookの友達の投稿でたまたま目にした『自由大学』についての記事。
机に向かう勉強は得意ではないけれど、何かを学ぶのは楽しいだろうな。そんな淡い気持ちが湧いて、自由大学に関する投稿を読み進めている内に見つけたのが「20年履ける靴に育てる」という靴磨きの講義でした。
靴のケアをしたいと思ってクリームやブラシを買ってみてもうまく使いこなせないでいましたし、お気に入りの靴も「結局は消耗品なんだよね」なんて半ば諦めていた私にぴったりの講義だと思いました。
静岡から通う表参道。どんな人が来るのかな?
初めて顔を合わせたメンバーの6人で、まずは自己紹介を。
講師の明石さん、キュレーターの三麗さんも含めて、今回のメンバーは、はにかむように笑う優しそうな方ばかり!とても和やかな雰囲気でスタートしました。
その日は明石さんの靴磨きのデモンストレーションを見学。
軽快におしゃべりと解説を交えながらの実演は、20分ほどだったでしょうか。もともときれいな靴だったけど、磨き終える頃にはさらにぴかぴかに輝いていました。これはすごい!
しかし、講義の実習が始まってみると、私は磨く靴に悩むことになりました。
初回は自分の黒いハイヒールを磨きましたが、革の面積が狭くて、まったく磨き甲斐がないのです。
もっと色々な靴を磨いてみたい。
毎回消化不良で終わらせたくはなかったので、ある日仕事帰りに食事をした元同僚の男性が履いていた靴に目を付け、相談したところ、快く貸してもらうことができました!
スムースレザーとヌバックのブーツの2足を貸していただいたので、御礼に「これでもか!」ってくらいぴかぴかに磨いてお返ししました。あまりにぴかぴかしていたので、元同僚の友人がスマホで写真を撮っていたくらいです。
講義を重ねるたび感じたのは、靴がきれいになるのって、すごく気持ちがいい!ってこと。
自分が磨いた靴に足をしのばせる時の高揚感!
歩き出せば、なんだかうきうきして、足取りまで軽くなるようです。
5回の講義を通して、男性の多くが奥さんの靴を磨いていたのも印象的です。
靴を磨きながら、前回磨いた靴を持ち帰った時の様子を「女房が驚いてたよ!」「奥さん喜んでました~」なんて話すみなさんの顔は、やっぱりはにかんでいました。
最終回で磨く「大切な人の靴」は、両親の靴にしました。
磨くために机上へ出すのも恥ずかしいような母の黒い革靴は、手をかけてあげると別の靴のようにぴかぴかになりました!やっぱり靴磨きって楽しい!
この5日間の講義は、単なる靴磨きの知識とテクニックを学ぶものではなく、生涯にわたって身近な人に喜ばれるものが身に付けられます。2回目以降、毎回近くのお店で飲んで帰るほど仲良くなったメンバーと知り合えたのも幸運でした。合言葉は「アイドル巻き」です。
明石さん、三麗さん、素敵な5日間をありがとうございました!
「20年履ける靴に育てる」44期 曾我 容子