Idea to Action
持続可能な「食のコミュニティ」を北欧式デザイン思考で実現しよう
〈当日の流れ〉
1.参加者の自己紹介
2.システム思考の重要性を考える
3.日本の農業が直面している基本的な問題
4.アジアの食品コミュニティでのSDGの実施
5.集合的な知識のマッピング
6.かいさんの事例に焦点を当てたチャレンジを考える
7.昼食 ‐ かいさんの畑で採れた野菜を試食
8.強くなる方法として挑戦に自己を接続する
9.集合的なアイデア
10.アイデアから行動へ
11.まとめ
新講義
持続可能な「食のコミュニティ」を北欧式デザイン思考で実現しよう
食問題を北欧式デザイン思考で解決する 1Day参加型ワークショップ
あらゆる問題が山積みとなっている。この混沌とした現代社会において、どのように解決への糸口を探っていけばよいのでしょうか。社会変革には、個だけではなくチームの力が必要とされます。
この「Idea to Action」は、デンマークの教育デザイナーAnnaさんによって、イノベーションを起こすための思考プロセス「U理論」をベースとして開発されました。食やソーシャルデザインに興味を持つ人たちが集まり、対話重視のプロセスを通して新しい知を創造していきます。あなたも一緒に日本の農家さんが直面している難題に挑戦してみませんか?
今回は「食のコミュニティ」が焦点となる
ワークショップは3つのステップに分かれます。
STEP1. トピック全体について理解を深める
STEP2. トピックと関連し、私たち自身について理解する
STEP3. アイデアを出し、プロトタイプをつくる:フードコミュニティについて、さまざまなアイデアを発展させる
現在の私たちの食にまつわる状況は、「農業」「消費」の両面で変えなくてはいけない点があります。個人として、また社会としてこの行き詰まりを打破できれば、私たちの健康にも環境にも優しい、持続可能なシステムに移行させることができるのではないでしょうか。
しかし、サスティナビリティ(持続性)のように大きなテーマに挑むとき、個人として何ができるのか考えると、抽象的、壮大過ぎて途方に暮れてしまうことがあります。あまりに大きく複雑な課題に取り組むとき、何から手を付ければいいでしょうか?
教育先進国の北欧デンマークの「デザイン思考」を武器に
そこで「デザイン思考」の出番です。このワークショップを企画し、当日のファシリテーションを務めるAnnaさんは、世界一幸せな国とも呼ばれる「幸福度の高さ」や先進的な「教育」「デザイン」で注目されているデンマーク出身。幼い頃から学校経営にかかわる両親の影響で、「新しい時代の学び方」について考えてきました。
デザインとは、「デ(de)」+「サイン(sign)」。つまり従来の意味(記号)の組み合わせを否定し、変えること。常識にとらわれず眼前の複雑な状況をシンプルに解決しようとするアプローチです。
デンマークの中でも、世界のクリエイティブリーダーを育てるビジネスデザインスクールとして知られる「カオスパイロット」で、イノベーションやソーシャルデザイン(社会問題を解決する活動)を学びました。
日本の農家さんが直面する難題に立ち向かう
有機農業、再生エネルギー、生物多様性、若手農業者不足、流通モデル…
抽象的な問題をできるだけ具体的にしたいので、講義には実際に神奈川県で農業を営む加藤かいさんをゲストにお呼びします。農業のエキスパートとしてワークショップに活かせる知見を提供してくれるはず。
かいさんは「Green Basket Japan」の代表で、持続可能な食の未来のために活動されています。今回のIdea to Actionでは、かいさんと共に議論を交わし、テーマについて新しい視点やアイデアを探っていきます。
具体的にかいさんの仕事に重要な影響を与える、3つの大きな課題をワークショップの題材にします。これらの課題は、かいさんが継続的に取り組んでいるものです。
課題1. Food Communities / Farmer associations
過去、少数の農家が集まり、お金を出し合って農業器具を購入するなど助け合いがおこなわれていましたが、現在はJAが農業のルールを決めています。かいさんは、農家、研究者、学生、料理人、アーティストなどが分野を超えてコミュニティをつくり、活動を発展させていくことが今日の食産業における主要な問題を克服するために重要だと信じています。ニューヨークにあるBlue Hillがその一例です。Blue Hillでは、農家、研究者、種苗業者が協働し、現在の農業の状況を改善するべく挑戦しています。参考:https://agrijournal.jp/aj-market/38422/
課題2. テクノロジーの台頭
AIの発達などによるテクノロジーによって、問題が出てきました。AIはどうやって未来の農業を変えるのか?AIや他のテクノロジーは、農家の仕事を奪ってしまうのでしょうか? かいさんは、AIと人は共存していくだろうと考えています。農地の拡大や生産性の向上など、AIは従来の農業の助けとなる一方で、作物を含む生命との相互共存のために、農業には人の手が必要なことは変わりません。食欲、性欲、睡眠欲という3大欲求を満たすのは、それを持たないAIではなく、人間が果たすべき役割だからです。
課題3. 気候変動
近年、巨大台風が毎年のように上陸したり、豪雨、猛暑など、私たちは経験したことのない異常気象に見舞われています。かいさんはこれらの異常気象、特に台風は農家に大きな影響を与えると言います。実際に最近の台風で、かいさんのオーブ畑の木々は甚大な被害を受けました。日常生活の中で危険性を認識することはかんたんではありませんが、この異常気象による危機は、私たちが今直面しているもっとも大きな問題です。かいさんのように、自然と共存して農業を営んでいる人たちは、気候変動による影響を最初に受けることになります。農家の収入が減り、私たちの食べ物も不足することになるのです。
「持続可能な食の発展をサポートするために、どうやって分野を超え協調していくことができるか」
この問いを掘り下げることで、アイデアを発展させ、理解を深め、計画性のあるアクションにつなげていきましょう。
<ワークショップで何が学べるか>
<講義の進めかた>
・レクチャー、ワークショップは日本語でおこないます。Annaさんは主に英語ですが通訳します。英語が苦手な方でも大丈夫です。
・かいさんのオーガニック野菜を使ったランチを用意します。
・講義に関する資料を共有します。
(第1期募集開始日:2019年11月2日)
全1回
持続可能な「食のコミュニティ」を北欧式デザイン思考で実現しよう
〈当日の流れ〉
1.参加者の自己紹介
2.システム思考の重要性を考える
3.日本の農業が直面している基本的な問題
4.アジアの食品コミュニティでのSDGの実施
5.集合的な知識のマッピング
6.かいさんの事例に焦点を当てたチャレンジを考える
7.昼食 ‐ かいさんの畑で採れた野菜を試食
8.強くなる方法として挑戦に自己を接続する
9.集合的なアイデア
10.アイデアから行動へ
11.まとめ