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自由大学の働き方【コンテンツディレクター・岡島悦代編(1)】

クリエイティブチームは一緒に働く仲間を探しています

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自由大学の講義は、美意識でできている。マーケットを意識しすぎた企画とは異なり、教授・キュレーターの価値基準が魅力の源泉になっている。 そんな自由大学の講義案は、必ずレクチャープランニングコンテスト(レクプラ)で発表される。レクプラとは、教授・キュレーターの美意識から生まれた講義案が、自由大学に集う多くの人々と初めて出会い、ブラッシュアップされるオープンな場。 しかし、レクプラでの発表後、リリースされるまでにどんなプロセスがあるのか、具体的に公表されてはいない。

そこで今回は、レクプラ後の講義企画に関わっている方に話を訊くことにしよう。 自由大学が一緒に働くメンバーを募っている、という噂を耳にして始まった今回の連続インタビュー。2人目はコンテンツディレクターの岡島悦代さんだ。

岡島悦代さんとキュレーション

「そもそも、岡島さんが自由大学に来たキッカケは何ですか?」

「2008年くらいのことなのだけど、ニューヨークにあるMoMAに行ったんですね。当時、現代美術の展示をしていたんだけど、今まで行った美術館では味わえない興奮をものすごく感じたんです」

MoMAの展示では、当時テクノロジーの最先端にあった、3Dプリンターの走りのような機器やGoogleマップが、「新しい家具の完成」「人の生活を変えるデザイン」などとタグ付けされ、未来を感じさせる何かが紹介されていた。その様子を見て、岡島さんはこういう企画をする仕事は誰なのかと気になったのだと言う。

「図録にキュレーターと書かれていて、その時に初めてキュレーターっていう仕事を知りました。その言葉がずっと頭に残っていて、自由大学の『キュレーション学』を見つけた時、『これだ!』と思ったのがはじまりです」

「何期で受講しましたか?」

「2期ですね。2011年7月に開講されました。まだ2期だったから、講義自体も手探りで、みんなで意見を出し合いながら講義が進んでいたので、とても緊張感がありました。教材もないし、毎回がブレストのようで面白かったですね。自由大学は現代アートのキュレーションを応用して、学びのキュレーションをしている。即効性や収益性よりも、自分の美意識で企画を組み上げて、かつ仕事にできる部分を純粋に『いいな』って思いました」

岡島さんは、「キュレーション学(初級)」の後、すぐさま(中級)も受講した。その2ヵ月を経て、最初にキュレーションした講義が「朝ごはん学」だった。

「初級では自分の考えをうまくまとめきれなかったモヤモヤ感があったし、自由大学のファウンダーである黒崎さんみたいな面白い人はそういないと思ったので、中級も受けたんですよ。それで、『私だからやる』という理由が見つかったのが『朝ごはん学』でした。発表したときは、黒崎さんからは『この講義おもしろい?』って訊かれちゃったけど、和泉さんが『すごくいいよ、いいじゃん』って励ましてくれて。それでその気になってレクプラに出ました」

第2回・自由大学祭のレクプラで「朝ごはん学」のプレゼンをした。その時は1票差で、大野佳祐さんの「睡眠学」に破れはしたものの、数ヶ月後に無事、リリースまでこぎ着けた。

「初めての講義募集はどんな気持ちでしたか?」

「12月中旬にリリースして、人数が集まれば年明けに開講が決まることになっていたんですけど、その年の年末に行った京都の旅行では、申込のメールが来ていないか、1時間に1回くらいのペースでリロードしていましたね。自分の名前まる出しで世に企画を出し、反応がダイレクトに返ってくるわけじゃないですか。自信があるからやるのだけれど、不安とか、『この企画は面白いだろうか』という怖さもありました」

岡島悦代さんと自由大学の働き方

『朝ごはん学』のキュレーションと並行して、岡島さんは自由大学祭の実行委員にも参加していた。「積極的に関わった」という当時のことを教えてもらった。

「特に仕事もしていない時期だったんですね。だから、ここで自分のできることをアピールしたら、次の展開があるかもしれないと思って、広報やPRを担当したり、プログラムを仕切ったりしていました。以前の仕事は制作畑だったので、他の領域の人と関わる機会が少なかったけれど、自由大学に来たらいろんな業種の人がいたので、その中で私の立ち位置みたいなものを知りたかったという気持ちもありましたよ」

 

自由大学祭の実行委員、『朝ごはん学』のキュレーションを経て、クリエイティブチームに参加することになった。

「年明けに和泉さんから、『事務所に来ない?』という連絡が来ました。今まで関わってきた人はそうやって声をかけられる場合が多かったみたいです。特に何をやってと言われることはなかったんだけど、当時の自由大学はWEBが旧世代の仕様だったから、リニューアルしてみんなの通常業務を楽にできないかなと思って、それを担当しました」

「自分から関わっていったんですね」

「WEBは見てすぐわかるくらい課題があったし、元々WEBの制作を仕事にしていたから、自分のできることで仕事を作ったということですよね」

 

WEBのリニューアルをはじめ、渡米プログラム「CREATIVE CAMP in ポートランド」や書籍『TRUE PORTLAND』等、岡島さんは、自由大学で大きなプロジェクトに関わることが多い。

「意識して、ですか?」

「黒崎さんをはじめ、自由大学の周りは常に新しい可能性がうごめいているよ。でも、自分のアンテナに引っかかった物を絶対に取りにいくようにしているかな。自由大学を軸に、いろんなプロジェクトに参加できるところも面白いですね」

 

自分のできること、自分の関心が赴くもの、それらを通じて自由大学に関わり、仕事をつくり、貢献していく。岡島さんに話を訊いていると、自由大学らしい働き方のイメージが鮮明になってくる。

(記事、インタビュー:新井優佑 写真:ぽろり

後編へ続く

自由大学の働き方【新学長・小酒ちひろ編(1)】
・自由大学の働き方【新学長・小酒ちひろ編(2)】
・自由大学の働き方【コンテンツディレクター・岡島悦代編(2)】
・自由大学の働き方【コンテンツディレクター・和泉里佳(1)】

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