設と振る舞いと着飾り方で見分けるマナーの心得
「人は見た目が9割」という本が巷に出回る程、人は第一印象をみているものです。
あなたの個性を表現するツールとしてのファッションにもフォーカスを当ててゲストとディスカッションしていきます。
新講義
想像力・共感力を鍛えるマナー学
この講義は大都市東京をこよなく愛するアーバン・ジェントルマンを目指す男性や、ジェントルな男性たちを育てたい、そんな心広い女性に向けた講義です。
さらに、東京オリンピック・パラリンピックを目前にした今日、私たちは一人の日本人として一挙に押し寄せてくる訪日外国人からの評価の目に晒されることになります。大方の予測を超えて、訪日観光者数はすでに2500万人を超えています。あまり知られていない事実ではありますが、インバウンドあらため、観光産業は私たち日本の主要産業の一つです。少子高齢化が叫ばれる中、この産業を育てない手はありません。
さらに、島国日本とはいえ世界との様々な繋がりを安価に手に入れることができるようになったことは疑う余地はありません。一期一会という日本の良き文化に合わせて、その繋がりを途絶えることのないようにするための作法をこのオリパラで多くの外国人が来日するタイミングで習得することは経済的にもコストパフォーマンスは高いと考えています。
その時に必要とされているのが他者に対する良き行為とは何か?つまりはグッドマナーとは何かを自分自身でもっておくことだと思います。
日常的に耳にするマナーという言葉。暗黙的に提示されるこの言葉について考えてみたことはありますか。
先日ほろ酔い加減でガラ空きの日比谷線に乗車し、おもむろに気になった原稿の確認をしようとPCを取り出して原稿チェックをしてました。そしてその後、同じPCでチャットのやりとりをパコパコキーボードを叩きながら進めていると、片言の英語で突然、「キーボードがうるさいからpcをカバンの中にしまってください」と忠告をされたのでした。
混雑した車内でならまだしもガラ空きの車内での出来事だったので少し戸惑いつつも、自分にとっては問題のないと思った行為でも、受け手となっていたその人にとっては「マナー違反」だったのでしょう。
この一連のやりとりが決してUrban Gentlemanを指しているわけではなく、「マナー」について考えさせられる問いが生まれた経験だったのです。
その大切な問いは「良き作法(マナー)とは何か?」ということ。良き作法は人によって違うはずだから、この講義に参加するみなさんと一緒に改めて「グッドマナーとは何か?」を掘り下げることそれがこの講義の一つのコアメッセージなのです。
では、ルールとマナーは何が異なるのでしょうか。
例えばルールの例を考えてみると、どんなに急いでいても、車の運転で法定速度を守らなければ、法を犯すことになります。会社での仕事に目を向けてみると、決められた時間に出社をして、日々のタスクを制限時間内にしっかりと納品する。そうでないと、社会人としては不合格と言われてしまうでしょう。目上の人から注意勧告を言い渡されたら言い訳をせず、とにかく謝り、反省することも同様です。
一般的なルールを一つ一づ挙げ始めると、なんとも窮屈な日常が目の前に広がって行きそうです。
一方で、マナーはどうでしょうか。
使ったタッパや食器は洗って元の置いてあった場所に戻す。トレイの蓋や開けたら閉める。頂いたメールはその日のうちに返信する。プレゼントやお土産に対してしっかりとお礼や感謝の気持ちを伝える。これら一連の行為がサラっと出来るとマナーのある大人と言えるのかもしれません。
ルールと比較をするとマナーにはこれまで生きてきた形跡が積み重なっているように感じます。
個性が滲み出るこのマナーをどう評価し、社会全体と適応していけばいいのでしょうか。ルールとマナーから見えてくる人間の行為とその背景も考えていきます。
更に、このルールやマナーは国や地域によっても異なってくるでしょう。ドイツではアウトバーンで200キロ以上で高速に車を走らせても誰も文句も言わないでしょうし、インドであればウィンカーなど出さなくとも阿吽の呼吸で交通整理がなされています。
一方、場所が日本に変われば、それらはルール違反となって社会悪というレッテルを貼られてしまいます。ルールは守るもので独自の解釈がどうであれ、新たに法律やルールを作るのは政治家以外はなかなかにハードルが高いし、変えようとして革命を起こすことも難しいでしょう。
その一方で、「マナーを学ぶ」とはあまり表現されません。日本ではマナーというより道徳観念といったところでしょうか。
英国のボーディングスクールを通してマナーを躾けられた友人が、躾けを受けることの価値は、世の中の大前提、つまり暗黙的なマナーの全体像とその範囲が分かることだ、と教えてくれました。
マナーを逸脱するもそうしないも、結局は自ら考えて行動した結果を、社会は評価します。
これからの社会に必要とされるGood mannerを考え、マナーの全体像を理解した上で、個人の法則や哲学をもって行動をしていきましょう。
ジェントルマンや紳士という言葉を耳にすると、どうしても気高いそうなイメージを持ってしまうものです。ただ単に優しい男たち、そう訳す人はそう多くはないでしょうから。
だとすれば、この都市部に生きる男たちや彼らを支える女性が「紳士道」を学ぶことの醍醐味とは何か?という疑問にたどりつくことになります。その真相はぜひ講義をお受けになってから、と言いたいところですが、それでは説明が足りていません。
私たちはこの講義を通して養いたいスキルの一つに「想像力」、そして、「共感力」をあげたいと思います。
一年の半分以上を海外や自宅以外の環境で生活していると、異国や部外者としてその出先の地域やローカルに関係を持つことになります。ちょっぴり孤独になるなんてことは意外と多いものです。そんな時に求めるものは癒しというか、気の利いたサービスです。
外出中によくお世話になるのがその地域を知り尽くした通称ローカル・コンシェルジュたち。ホテルでよく耳にするあのコンシェルジュを想像してください。彼らはお客様のニーズに応じて、経験や知識から適切な回答を引き出し、お客様の笑顔をつくること。そう言い切りますが、実は彼ら・彼女たちが本当に素晴らしいのは知識の量ではなく、少ないお客様の情報から本当に必要なことを引き出す想像力、そして、一瞬たりとも表情の変化を見落とさない共感力からお客様の想像すら超えた提案を随所に提供していく。
実はこの行為、ローカル・コンシェルジュに対してのみ適用されるスキルではないことに最近気がつきました。例えば、フライトアテンダント、行きつけのカフェやレストラン、季節を届ける花屋さん、それからホテルや自分の背丈に完全に合わせたテーラーなどのサービス業に従事されている方々にとっては自らの行為や想像力・共感力でお客様に影響を与えています。
知識産業やクリエイティブ産業、スタートアップなどに関わる方々にとってもクライアントやユーザーを考え尽くす姿勢(=「想像力」と「共感力」)こそが経済的価値を生み出す大切なスキルであるのではないでしょうか。
Urban Gentlemanの作法では、異性・同性が気持ちよく過ごせる作法から、東京という大都市を豊かに過ごすための作法まで、日常の生活をアップデートすることに主眼を置いている一方、普段のお仕事にも応用可能な考え方やスキルまでをお届けしていく講義です。
本講義はTokyo Good Manners Project(以下、TGMP)とのコラボレーション講座です。
TGMPでは、東京で暮らす一人ひとりが自分たちのグッドマナーに誇りを持ち、東京を訪れる世界中の人々に文化としてのグッドマナーを楽しんでもらうために“TOKYO GOOD“というコンセプトを掲げ、さまざまなアクションを起こしていきます。
第1回
「人は見た目が9割」という本が巷に出回る程、人は第一印象をみているものです。
あなたの個性を表現するツールとしてのファッションにもフォーカスを当ててゲストとディスカッションしていきます。
第2回
大人になれば、夜の付き合いも増えていくものです。
東京のナイトスポット銀座の心得からみるアーバンジェントルマンの振る舞いについてゲストを交えてディスカッションしていきます。
第3回
マナーを学ぶことは、そもそもビジネスに繋がっていくのでしょうか?
ビジネスにおけるマナーについて、海外の実地も積んだゲストを招いてディスカッションしていきます。
第4回
マナーを考えた時に必ず相手との関係性について学ぶ必要があります。
茶道家の武井宗道さんをゲストにお招きし、日本人の美意識の源泉にもなっている伝統的な「茶」の文化紐解き、佇まいを学びながら、現代の様々なシーンにおける物事の「間」についてディスカッションしていきます。
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第5回
マナーは個人の視点と社会の視点の「交差点」を考えていくことに通じています。その視点を育む教養とマナーの関係性について受講生同志でディスカッションしていきます。
アーバンジェントルマンシップとは?を考えていくための出発点です。