個性の自覚
自分しか持っていないものは、そのカメラではなく自分自身。
自分の個性を最大限発揮し、自分にしか撮れない写真を撮れるようになるために、個性を自覚しよう。
あなたにしか見えない写真を撮る
あなたが最近出会った「いい写真」はどんな写真でしたか?
いい写真をとるためにはなにが必要なのでしょうか?遠くまで撮れるレンズ?ボケが綺麗にでるレンズ?細部まで鮮明に記録できる高価な本体?明るさ?撮影後の画像編集のテクニック?
今はデジタルが主流ですが、フィルムしかなかった時代にもいいとされる写真は生み出されています。インスタントカメラで撮影したものでも素敵な写真は存在します。一眼ではなくスマートフォンで撮影した写真がInstagramでたくさんの共感を呼ぶことも起きています。また、絵画の分野で対象を忠実にそっくり描く写実画が最も優れている絵として評価されるのではなく、抽象画も評価されているという状況は写真にも通じるのはないでしょうか?
このようなことを考慮するすると、いい写真を撮るためにより高価な機材を求めがちですが、問題は機材の性能なのでしょうか?お金があれば誰でも同じ機材を使える現代であなたが写真を撮る理由はなんでしょうか?
同じ花を撮っても、同じ景色を撮っても、同じ時の中にいても、同じカメラを使っても、あなたと他の人でそれぞれ1つとして同じ写真はうまれないはずです。それは、見ている視点、光の捉え方、色の感じ方、行動習慣、性格などがみんな違うため、それが写真となって現れます。機材の性能がよい写真の決定要因でないとすれば、あなたが何を見て、何をいいと思うかが重要なのではないでしょうか。
今回は撮影テクニックに重きをおきません。テクニックは捉えられる世界を広げたり、表現の幅を広げる要素の一つではありますが、それが最も重要なことないはずです。例えば、夜に走る車の流れるようなテールライトの写真がありますが、流れるようなテールライトの写真を撮る方法を知って撮れるようになったからといっていい写真とイコールにはならないでしょう。あなたがどんな写真をいいと思うのか、どう撮りたいのか。それに合わせて必要なテクニックを練習していきます。
この講義では自分の感性、個性を自覚し、自分がいいと思う写真の軸を掘り下げます。そして、自分由来のものを最大限活かした自分にしか撮れない写真が撮れるようになることを目指して取り組んでいきます。
写真を撮ったら、そのあとどうしていますか?SNSに投稿?パソコンの中にそのまま保管?写真を電子情報のままにしないで、日常生活に写真を取り入れよう。自分が納得する写真を撮ったら、額に入れて飾ろう。額に入れることでPCの画面で見るよりもその写真の良さが引き立つはずです。
第4回目の講義では額装屋さんへ行き、写真と額の関係について話を聞き、自分の写真に合う額を選びます。たくさん撮って終わりではなく、額に入れて飾ることにふさわしい写真をクオリティの1つの目標にします。
私は時々、世界が発光して波打つように美しく見える時があります。
陽が昇ってじわじわと明るくなるなかで、どきどきと高揚して見える時があります。
暗い夜、向こうにちらちら揺れる灯にあやしい気持ちに感じることがあります。
私の見ている世界は、かなり偏った感じで”光”に影響を受けているようです。
ある人は、いい風景を見ていると音楽が聞こえてくるんだと教えてくれました、ミュージックビデオみたいに。別の人は、今見ている出来事をこぼれないようにそっとすくって、永遠に閉じ込めてしまいたい衝動に駆られると。インスタのあれだけあるフィルターの中でよく使うものは必ずあなたを象徴しているし、どうして証明写真は自分が思ってる自分に写らないんだろう…
私が思うに、誰もが違った風に世界を見ていると思います。
コップに半分の水を見て、まだこれだけあると思うのか、もうこれだかしかないと思うのか。そんな違いがすべての人にあるように。
今これだけ映像や写真に囲まれる社会に生きて、生のあなたの見ている世界を一緒に探って撮ってみようとする講義です。
もちろん写真の講義なのでスキルも学びますが、一番大切なのはあなたが見てる世界はとてもユニークで、それを見つけて掘り出したいということ。
みんなであなたらしい写真を撮りに出かけましょう。
(第4期募集開始:2018年1月29日)
第1回
自分しか持っていないものは、そのカメラではなく自分自身。
自分の個性を最大限発揮し、自分にしか撮れない写真を撮れるようになるために、個性を自覚しよう。
第2回
個性を自覚し、それを活かすために、必要な表現スキルを身につけよう。撮る実践を集中的に行います。
第3回
他者の視点、写真以外の分野からインスピレーションを取り入れ自分の写真を多面的に見ていきます。
現時点での写真の発表とフィードバックを行います。
第4回
写真を額に入れて飾るために額装屋さんへ行き、額についてや額と写真の関係性について深めていきます。
第5回
なぜこの写真が自分らしいのか、どんな想いがあるのか、その額を選んだ理由を含め最終発表をします。いい写真とはなにかをあらためて考えてみましょう。