白露の候、秋刀魚が美味しい9月のFirst Wednesday。
今回はみどり荘永田町での開催です。
雨でじんわりと蒸し暑い日でしたが、エネルギー溢れる参加者のみなさんが集まってくださりました。
4組の熱い想いをもったプレゼンターとともに、永田町みどり荘での第79回レクチャープランニングコンテストの始まりです。
” 勇気を問う優しい世界 “
1組目のプレゼンターの徳山さんは、立教大学の経営学部4年生。
学生として商学を学ぶを傍ら、海外のNPO法人に関わり、起業家としてMigidonariという学生SNSサービースを作る活動をされています。
勇気とはどんなもので、人が自由になるためにはどんな勇気が必要なのだろうということを、進撃の巨人を例に挙げて受講者に向けて想像し易く解説してくださりました。
「なんかモヤモヤする社会だよね、でもそれが何なのかがわからない。」
講義の中では、学生や社会人が混じり合い、それぞれのバックグラウンドを持っていて、その分野で自由がどう語られているのかをディスカッションする内容がメインになるとのこと。
学生の彼だからこそできる視点のプレゼンテーションでした。
” 誰かのためのコーヒー学 “
2組目のプレゼンターの藤井さんは、学生時代経済を学ぶ間に辻村英之の『おいしいコーヒーの経済論』という一冊の本に出会い、運命がガラリと変わりました。
彼にとってコーヒーとは現実を知ること。
学校を休学しては、沖縄や、世界中を飛び周りコーヒーの栽培について学ぶ日々。
2年前学校を卒業してから、小笠原の父島にてコーヒー畑を営み始めたそう。
メディアや本、冊子などで取り上げられた間違った情報が氾濫した社会に対して「コーヒーの事実」を伝えたい。
そんな思いから、小笠原の父島で、焙煎から気候や植物、経済、歴史など様々な切り口からコーヒーを学ぶことができる幅の広い講義です。
コーヒーに関する紙芝居や地図、焙煎機もご自身で作られており、コーヒー愛に満ち溢れている方でした。
そのエネルギーを感じた参加者からは「本を出版してみては?」という声も上がっていました。
” 10年後の本屋のつくりかた “
3組目のプレゼンターの奥住さんは、会社員を生業にしながら様々な本屋さんに通う日々。
そんな中で、10年間で4500店舗の本屋が失われている事実を知り、街の本屋さんを講義参加者と一緒に作る講義を提案しました。
書店作りに関わっていない人同士でアイディアを出し合い、地域の文化創造の場所としての本屋を作り上げみたい。
「ただ売り物としての本」ではなく、本屋としての様々な役割や魅力に気づいてもらいたい。
本屋は本を買うだけではなく、発見し訴える場所に。
新しい本の可能性を見つられる場所にしたい。業界以外の人々から波を起こして行きたい。
そんな想いの沢山詰まったプレゼンでした。
” 未来に気付くカラーカウンセリング学 “
最後のプレゼンターの夜久さんは、日本とフランスとイタリアで講義やマッサージを行っています。
施術を行う前に毎回行っているというカラーボトルを使用したカウンセリングを使用した講義の提案でした。
日本人は「相手のことを知り思いやり、空気を読む心」があるが、あまり自分を上手く引き出すことをしない人種である、と語る夜久さん。
そんなシャイな日本人から話を引き出すべく、カラーボトルをコミュニケーションツールとして使用しているそう。
気分や状況に応じて色を選び、そこから自分を見る。
最後には傾聴のテクニックを学ぶという流れのようです。
会場にいる人々を巻き込んで最後はタイトル投票にまで持ち込んでいました。
「未来に気付くカラーカウンセリング学」と「未来と対話するカラーコミュニケーション学」のどちらが良いですか?
夜久さんの人々を巻き込む力に来場者は魅了されていました。
4組の熱意溢れるプレゼンテーションの後は、イベント参加者のみなさんがいちばん講義化してほしいものを投票します。
今回一位に選ばれたのは、”未来に気づくカラーカウンセリング学”の夜久さんです!
参加者のみなさんからは、「とにかく、人を惹きつける話術が素晴らしい!」「圧倒的プレゼン力が後天的なものと聞いて、講義を受けてみたくなりました」などといったコメントが寄せられていました。
今回はあいにくの雨で室内での開催でしたが、個性を発揮した魅力的なプレゼンテーションが行われました。
参加者の意見も多く生まれ、対話形式に近いレクチャープランニングコンテストでした。
次回のFirst Wednesdayは「ポートランドNight」です。
今年で第5回を迎えた「Creative Camp in Portland」の報告会と、ポートランドの陶芸コミュニティについてお話します。
ぜひ、自由大学に遊びに来てください!
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Text : 武田優恵
Photo : 佐藤大智