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CREATIVE CAMP in ポートランドから始まった、クリエイティブ人生

「魅せる！映像学」教授齋藤汐里さんがクラウドファンディングに挑戦中

2017年04月05日(水)

こんにちは、齋藤汐里と申します。「魅せる！映像学」の教授を務めています。

自由大学との最初の関わりは、実は2015年の「クリエイティブキャンプ in Porland」に参加したことでした。

当時テレビ業界で仕事をしていて、楽しいながらも昼夜問わず心身を削るような働き方をしていた為、”ライフワークバランス”について考えては悶々とする日々を過ごしていました。

そんな中、当時雑誌などで”ポートランド特集”が多く組まれており、「ポートランドにはクリエイティブ職の人や個人起業家の人たちが活躍してるらしい。しかもなんかお洒落。」という印象を抱いていました。そして、「ポートランドに行ったら自分の中で何か開けるかもしれない！」と一念発起。2015年の7月、初のポートランドへ飛び立ったのでした。

ポートランドでは、訪問した企業や食・街並み、すべてにおいて感動する点は多かったのですが、クリエティブキャンプに参加して得た一番のものは、一緒に参加した仲間たちとの”繋がり”です。

キャンプ当時、参加者全員が何かを模索しているような状態で、年齢・職業はバラバラであるものの、それぞれが「人生の分岐点」に立っているように感じました。そして、帰国後はポートランドで得た刺激を各々の方法で消化しアウトプットしていこうと試行錯誤していたのですが、その時にもお互いがお互いを応援し合う雰囲気があって、みんな前へ進もうとするポジティブなエネルギーに溢れていたように感じます。

同じ年の10月下旬、キャンプ参加者の数名が中心となって「ポートランド展」なるものが開催しました。これは、クリエイティブキャンプで得た知識や刺激を自分の作品に落とし込みお披露目をしようというイベントです。展示内容はお料理・お菓子・写真・映像・ZINEなど様々。私はキャンプ中ずっと撮影していた動画を編集し、3分の映像を作って出展しました。

その時に自分の中で大きな発見となったのは、「クリエイティブ職＝クリエイティブ」ではないということです。

例えば、お料理やお菓子づくりなど、一般的に「クリエイティブ職」と呼ばれない分野でも、自分の発想と技術で何かを作り上げるということは「クリエイティブ」ではないだろうか、と気づいたのです。

逆に、私は映像作家という肩書きで、”クリエイティブ職”というくくりに直結しているように思えますが、例えば多忙を理由に生活や身に付けるものに一切こだわりなく生きていたとしたら、それは「クリエイティブ」とはかけ離れています。

このような意識改革から、ものづくりをする人間として恥じない、自分のこだわりや手間を注ぎ込んだ作品を作りたいと思うようになりました。

そして翌年6月、私は会社を独立し、それと同時に完成したのが『手と手』という短編ドキュメンタリーシリーズです。1話につき1人の”つくり手”に密着し、彼らの働き方やライフスタイル、そして原点にせまる作品となっています。

第1話の出演者はパティシエの田中成美さん。同じく2015年のクリエイティブキャンプの参加メンバーですが、参加した週が異なる為、10月のポートランド展で初めて顔を合わせました。その時に彼女が提供していた”ローズマリーのショートブレッド”をいただいた時、びっくりするほどの美味しさで、「この子は只者じゃない！」とビビビッときてしまったのです。

成美さんに会ったのはその時一度きりにも関わらず、その後『手と手』の構想を練り、すぐに出演のオファーをしました。

そして、2回目に会ったのは静岡県・浜松市のご実家で、2日間泊まりがけでみっちり撮影をさせていただくという、今考えると信じられないほどのスピード感と柔軟性で生まれた第1作目となりました。

第1話田中成美篇