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これからのクリエイティブな仕事の創り方

「自由大学クリエイティブ創業スクール」キックオフイベント レポート

冒頭
自由大学クリエイティブ創業スクールは、今年で3年目を迎えます。今年の開校を前に、自由大学ファウンダーの黒崎輝男さん、創業スクールのキュレーターでもある自由大学教授の大内征さん、望月暢彦さんをトークゲストにキックオフイベントを開催しました。司会は自由大学クリエイティブチームのキュレーター岩井謙介さんです。

会場、オーディエンス

「熱いゲストトークに引き込まれる満場のオーディエンス」

岩井
「社内起業学」の教授で、起業の経験もある望月さんは今回も第二創業コースのキュレーター、教授をご担当いただきます。第二創業ってどういうコースですか?

望月
3年目になりますが、1年目に全国ベストスクールに選ばれました。起業再チャレンジの人と家業を引き継ぐ2パターンがあるのですが、毎回熱い思いを抱いた魅力的な人が集まる講座です。

岩井
ベーシックコースのキュレーター、教授の大内さんは、「東京日帰り登山ライフ」など山関係や、東北にかかわる講義をもつ自由大学の教授でもあり、低山トラベラーとしても山や地域に関わる仕事をしていらっしゃいます。

大内
僕は16年会社員をしていて会社を辞め、独立しました。東北の被災地プロジェクトを企画したことをきっかけに、自分発信の問題提起が面白くなってしまい、今は個人事業主として仕事をしています。ですから僕はこれから起業する方よりちょっと先輩という認識でいます。仕事を起こすとき、アイデアがあるからというだけじゃなくて、なんでそれをやるのかを、周りと共有しながら、自分の事業の正体を暴いていくようなコースになるといいと思います。

黒崎
ベーシック創業というのは、登記がどうとか、資本を入れるとかいうことよりも、何をもってビジネスとしていくかということをやることで、やるんですね。

大内
ハウツーはほどほどに、それは本やネットでわかることですから。

黒崎
モノを教えるっていうのは、今までは知っている人が偉そうに教えるという上下関係があったけれど、今は知識はすぐ共有できる。それをどうするかが大事。

岩井
知っていることをどう価値にしていくかが大事だということですね。

 

黒崎さん

「自由大学ファウンダー黒崎氏が語るこれからの起業マインド」

黒崎
かつては「いい大学に入っていい企業に入りなさい、安定すれば布団の上で死ねますよ」という幸せモデルに従わされていたけれど、みんなそれは本当なのかな?と思い始めているんじゃないかと思います。学歴より、お金より、やる気があることが価値になってきている。

どこに住んでいるとか、そういうステイタスもビジネスには関係ない。僕の知り合いでサンフランシスコで日本のブランドの海外出店の仕事をしている人が言っていたんですが、公園のホームレスが、きれいなシャツに着替えてシェアオフィスを借りて起業なんて、別に珍しくないんだそうです。住所なんてなくても、キャンプ生活の人でも事業を始められる。日本で働いている僕らにはそういうタフさがないよね。安全に生きようとしすぎる。会社を辞めたら生活できないと思いこみがちだけれど、やってみるとそうじゃないんだよね。もっとタフに生きよう、子どもみたいな好奇心をもって面白いものを見つけよう。自分で問題設定ができること。いろんなところに転がっている學びを見つけ出して、新しいこと、これまでなかったことを面白がってやってみることに価値がある。Ready Study Goの時代です。

自分発の課題をビジネスに育てる方法とは?

岩井
自分なりの課題を設定することで見えている景色が変わってくるんですね。

黒崎
だからいわゆる起業ハウツーを学ぶよりは、ゼロから問題提起をして、仕事を立ち上げた人の話を聞く方がいいと思うんですよね。自分は何が好きなのか、どうしていると楽しいのかに注目すること。社会人になると趣味に没頭することは、何か悪いことみたいな感じがあるけれど、趣味は自分がやりたいことを探すいいヒントになります。

大内さん

「良いサービスは観察から生まれる、と語る大内氏」

大内
好きな事を追求すると同時に、自分を観察することです。憧れや疑問、何に苦しめられているかに気づくこと。自分の棚卸しです。僕は今でもやっていますが、自分のスタンスが見えて観察の基礎力が上がってくると、周りのこともよく見えてくる。

世の中のいいサービスは、観察力のたまものだということを言っていた人がいましたが、同じ志の仲間との対話を通して、自分をよく観察することで、事業の形に昇華させていくことができる。自分の色を出していくこと。アイデアと自分のカラーを結びつけるストーリーを紡ぎ出すことが先へ進めると思うんです。

ただのお勉強会にしたくない。時間が限られているので、先人の話を聞いて欲しい。起業の内輪話を聞いたり、質問したりするチャンスです。参加する人すべての問題があなたの問題かもしれない。逆にあなたのした質問がとなりの人の解決作になっている可能性もある。

望月
第二創業の場合は、起業経験がある人もいるので、いろんなケースを持った人と話し合えることがいいところです。創業って言っても、独立起業だけでなくていい。例えば自分の会社は「副業禁止」とだと思い込んでいる人が多いけれど、就業規則には「許可なく禁止」と書いてあるはずです。許可をとればいい。営業に影響がなくて、会社の利益になればできるはず。経験者のリアルな情報があれば、より少ないリスクでスタートすることも難しくない。

岩井
多様な人の話を聞けることは自由大学の利点ですね。

黒崎
仕事って人生を豊かにして面白ければいい、というのが僕の持論です、お金じゃなくて。最近、「これって面白いんじゃないか」と思う視点をみんなが閉じているように思うんです。学びはそこらじゅうにあふれている。何々学は何々先生でというのではなくて、どこにでもある。ビジネスチャンスは身の回りにいくらでもあるなと思います。

大内
そうですね、過去2年のベーシックでは、例えば服が好きで、自分の好きなブランドを作りたくて、アパレル業界を辞めて独立したり、出身地の伝統工芸を生かしたアートを発信したりとか、身の回りのことから形にしようとしている人は事業化がスムースな傾向がありますね。自分の感覚や生活とすごく離れたことだと、そこまでのプロセスは長いのでなかなか形にならない。自分に由来していることの方が形になりやすい。規模は小さくても、そういう人は小舟でこぎ始めています。

岩井
第二創業ではどうですか?

望月さん

「同じ立場で悩みを共有できることが価値、第二創業コースの望月氏」

望月
二代目なんていいなあと言われることもあるようですが、当事者は大変です。親の事業を継ぐのがいやで逃げて、東京で好きな仕事についたけど、親が気になって、そういう葛藤がすごくあるんです。跡継ぎにしかわからない悩みを共有できるところが得難い。他の人がどうするか話したり、見たりするのが刺激になる。家族だからって仲良しとは限らないですからね。週末に工場に行って、仲間の家業を見学したり、お父さんや近所の人と話し合う合宿をしたりするのも面白いし、いい意見がでて参考になったりもしているようです。

大内
同期のメンバーの家や工場を見学するとか、すぐ起業しなくても、たまに会って話すことでアンテナをとがらせておけますね。自由大学クリエイティブ創業スクールの卒業生たちの付き合いは、今でも続いているんです。これは終わりがない関係、これまでの2年で出会った人たちはそうだった。そうやって、それぞれがいつかくるべき刀を抜く瞬間に向けて、ちゃんと刃を研いでおくことが大事、そういうことができる仲間ができるのも貴重です。

壇上総スマイル

「創業スクールの雰囲気そのままに、壇上は終始なごやか」

望月
今は会社に在籍したまま起業するノウハウを教えていますが、かつて会社を辞めて起業した理由は、僕より給料もらっている人で楽しそうな人っていないなあと思ったからです。大企業の中間管理職以上の人はそのままだとそういうことになる。何か始めなくては。

それは形ではないんです。会社の制度を使ってできるなら挑戦してみたっていい。組織だろうが、会社だろうが、個人だろうが関係ないです。やりたいのは自分だし、それを最良の方法でやってみること、そのために助けになる情報とか、仲間をつくれるのが、この創業スクールの意義だと、僕は思います。正解すらないかもしれないけど、やってみないことには始まりませんからね。

(取材・テキスト・写真:ORDINARY

▼「自由大学クリエイティブ創業スクール」のお申し込みはこちらから
https://freedom-univ.com/creativeschool/

▼ベーシックコース
これから新しく創業を考えているすべての人
に向けた基本のコース。全5日間で14コマを行う、土日&祝日集中スタイルです。キュレーターは、自由大学の東北復興学や東京・日帰り登山ライフ、アイデアスケッチ・デイズでおなじみ、低山トラベラー、ソーシャルハイカーの大内征さん。

日程:10/22(土)、10/29(土)、10/30(日)
   11/3(木祝)、11/6(日)
会場:IID世田谷ものづくり学校 ほか
定員:30名(お申し込み多数の場合は、抽選になります。)
受講料:10,800円(税込)

▼第二創業コース
先代経営者から事業を受け継ぎ、新たな挑戦をしたい人、一度事業を立ち上げてさらに飛躍させたい人に向けたコース。全4日間で10コマを行う、土日集中スタイルです。キュレーターは、自由大学の自由に働く学部の社内起業学の教授の望月暢彦さん。

日程:10/8(土)、10/23(日)
   10/30(日)、11/13(日)
会場:COMMUNE246 みどり荘2 ほか
定員:30名(お申し込み多数の場合は、抽選になります。)
受講料:5,400円(税込)


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