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自由大学の働き方【チーフキュレーター・和泉里佳編（１）】

クリエイティブチームは一緒に働く仲間を探しています

2014年11月06日(木)

izumi

自由大学を作ってきたのは誰なのだろう。

数々の講義が開講されて、学び、卒業していった大人がたくさんいる。一人ひとりに対して、自由大学の見せた顔は異なっている。延べ6,000人に及ぶ卒業生が対面した自由大学の顔を、すべてコントロールできる人なんていない。

それでも、作ってきたのはこの人なんじゃないかと思って話を訊いた人からは、「私だって、きっかけは手伝いでスタートしたんだよ」という言葉が、あっけらかんと返ってきた。

自由大学が一緒に働くメンバーを募っているという噂を聞きつけてスタートした今回の連続インタビュー。ラストは、チーフキュレーターの和泉里佳さんだ。

クリエイティブチーム・和泉里佳さんと自由大学

2009年、上海勤務を終えて帰国した和泉さんに、自由大学のファウンダー・黒崎輝男さんが声をかける。和泉さんと自由大学の関わりはこの瞬間、スタートした。

黒崎さんのスクーリングパッド（以下、スクパ）っていう学びの場に通った縁で上海で働いていたから、帰国の挨拶をしにいったのね。そしたら『自由大学はじめたから、ちょっと手伝わない？』って言われて、事務仕事をすることになったんだよ

「最初は、自分が講義をつくるなんて思ってもみなかったんだけどね」と言って、和泉さんは笑う。でも、そんなはずはないでしょう。だって、今年で６年目。和泉さんは自由大学にずっと関わり続けてきたのだから。

和泉さんは、「なんでもやってみなけりゃわからない」が口癖のような人。きっと自由大学との関わりだって、やってみなけりゃわからなかったんじゃないか。

でもね。何でもやってみたがりだけど、スクパに通う前は臆病な自分もいて。やってみたいと思っても、どうしたらいいかわからなかった。社会のために良いことなのか、誰かのためになることなのかって変に正義感に熱いタイプだったし、自分で限界を作っていたんだろうな。だけど『やってみよう』を実現できる機会があって、やってみるとちょっと世界が変わった気がした。だから、もしも『やってみよう』を実現できる場所があったら、誰でも変わることができるんじゃないかって。数十人の中に混ざって話を聞いている立場から、反対に前に立ってみると景色が違う。『私、モヤモヤしているんです』で終わらせずに、そんな体験ができる場所があったら、面白いんじゃないかって思ったんだ

どんな小さな体験でもいい。学校の先輩に連れていかれて、初めて知った遊び場で、気分がアガって別世界を知った興奮でもOK。そういう誰もが通ることのできる視点が変わった体験の積み重ねが和泉さんの原動力になっている。

自由大学は誰かが作ってきたわけじゃない

でも結局、混ぜるのが好きなんだろうな。壊すのが好きとも言えるよね、ふふふ

和泉さんは、また笑って付け足した……。

（この人を、下手な物差しで計るのはやめよう。いい加減ないい加減さを崩してまで、物語にしてもしょうがない）。

……そんなことを考えていて、ふと思った。今までインタビューに答えてもらった、小酒さんや岡島さんは自由大学と関わる中でどんなふうに変わっていったんだろう。

小酒さんの第一印象は、繊細だった。今とは全然、顔が違う。休職中できっとモヤモヤしてたんだろうね。そういうのって、顔に出るじゃん。だからガラッと変わった。今はすごくいきいきしていますよね。

岡島さんは、いろんな経験値があって、持っている物があった人。それをどうやって使っていこうかというタイミングで出会って、今は自分の軸がしっかりしたように見えるかな。

私もきっと変わった。それぞれ個性的で３人は全くフラットです。

和泉さんは、学長の頃から、「学長だからって、偉いわけじゃない」とずっと言い続けてきた。「そんなもん、壊していきたい」とも。

今回、学長が小酒さんに変わって、新しく付けた「チーフキュレーター」という肩書きも、「『キュレーターでいいんじゃない？』って言ったら、『“長”っぽさがほしい』、『チーフキュレーターだ』みたいになったから、『じゃあ、そうしよう』って感じで」決まったのだと言う。

自由大学はみんなで作ってきたもので、誰が偉いわけでもない。講義もそうでしょ？　教授、キュレーターが師匠のように教えてやるってわけじゃなくて、みんなで学びのテーマに向かって探求しよう、みたいな。

それで、なんかちょっと自由になった感覚をみんなが体験して。そういう体験の数々が自由大学を作っているんだと思う

和泉さんはまた付け加えた。「新しく仲間になる人とも、そんな多くの人の智慧で作られてきた自由大学をリスペクトする気持ちを一緒にもちたいかな」。

そろそろ、どんな人に来てほしいのか、新メンバー募集の話は後半に続く。（11月11日（火）アップ予定）

（記事、インタビュー：新井優佑　写真：ぽろり）

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