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自由大学祭2012 エリアレポート第三弾(トークライブpart1 その道で行け!-己の道編-)

「自由大学祭2012〜Which Way? 信じた道を行け!」レポート

こんにちは。自由大学祭2012実行委員の奥野剛史です。オープニングとBOOK EXCHANGEに続いてメイン会場のIID Galleryで行われた、自由大学教授陣トークライブpart1の模様をレポートします。
『その道で行け!-己の道編-』と題し、『20年履ける靴に育てる』教授の明石優さん、『新盆栽学』教授の塩津丈洋さんが登場。毎月恒例レクチャープランニングコンテストでもお馴染みの新小田裕二さんの司会により、2人がこれまで歩んできた“己の道”について語りました。

自由大学祭

自分で行動してみないとわからない

それまで触れることのなかった靴磨きに、明石さんが出会ったのは約7年前。絵を描きながらママチャリで日本一周していた時に、同年代で日本一周靴磨きの旅をしている長谷川裕也さんという男性に出会ったのがきっかけでした。

「普通は旅先での人とのコミュニケーションって結構取りづらいんですけど、靴磨きをすると磨いている間にお客さんと会話ができて、コミュニケーションツールとしてすごく面白いなと思ったんです」

その後、長谷川さんとともに青山に靴磨き専門店を立ち上げ、明石さんはデザイン学校に通いながら、毎日どっぷり靴磨きをするようになっていきます。

一方の塩津さんは、和歌山の緑の多い環境に育った影響で、なるべく植物に関わりながら生きていきたいとずっと思っていたそうですが、盆栽職人になろうとは全然思ってなかったとのこと。大学4年生の時に「自分は何をして生きていきたいのか? 植物の仕事をしたい、さあどうしよう」と考えた時に、植物に関する仕事をアルバイト情報誌で探し、生け花や花屋など、いろいろと実際にトライしてみる中で、「この人やばい!」と思う盆栽の職人さんに出会いました。

「盆栽のことを『これは宇宙だ!』とか言ってて。こんな面白いことを言う人がやってるものは面白いだろう、と。これや!と思って始めたのがきっかけでしたね」

しゃべっているといろいろ共通点が出てくるという2人。自分で行動してみないとわからない—−「行動」というキーワードも共通点のひとつでした。

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「靴磨きを朝の歯磨きのような、当たり前のものにしたい」(明石)

「植物の病院がないのなら、自分がやろう」(塩津)

親や育った環境から受けた影響などの話が弾んだ後、トークライブの終盤にはそれぞれの将来の夢の話に。

「靴磨きってまだ身近じゃないと思うんですよ。靴磨きを朝の歯磨きのような、当たり前のものにしたいと考えています。大切な人に会いに行く前にちょっとブラッシングしていこう、とか。何を一番作りたいかと考えた時に、文化を作りたい。カルチャーを作れたら最高だと思いません?」(明石さん)

「自分が植物が好きなのは、植物を売りたいんじゃなくて、植物ともっと仲良くなりたいと思って、それが今の仕事につながってます。今後の野望としては、たとえば家のベランダのひまわりが枯れそうっていう時に来てくれる人って今ほとんどいないと思うんですね。人間やペットには病院があるのに、なんで植物の病院はないんだろう。いないんなら自分がそうなろうと」(塩津さん)

時に思わず立ち上がってテンション高く、楽しそうに“己の道”を話す塩津さん、それをにこやかに見守る明石さん、といった場面もあって会場では度々自然と笑いが起きることも。終始なごやかな雰囲気で進む中にも、「己の道を行くための柱をどのように見つけ、育てていくか」を考えるヒントが散りばめられていたトークライブでした。

 

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