ブログ

11月23日(土)、石巻市かほくホールにて伝統工芸、雄勝硯のこれからと書の文化を考えるシンポジウムを開催いたします。

suzuri

日本製の硯の 90%を生産していたといわれる石巻市雄勝の硯産業。歴史は古く室町時代にはじまり、その後は伊達正宗に献上され、伊達藩に保護されながら、職人の高い技術を継承してきました。ところが、東日本大震災で町全体が壊滅的な被害を受け、硯産業も現地に残る職人はたった一人になり、硯の生産はもとより、後継者の育成にも光が見えない状況です。 一方で、学校教育の現場でも合成樹脂の硯が使われ、書道教室でさえ、硯で墨を擦ることは少ないというのが書道教育の現状です。そこで、自由大学ファウンダーの黒崎輝男を中心に、雄勝硯の復興プロジェクトが立ち上がりました。ただ産業を元に戻すだけではなく、書道文化自体を改めて見直し、書の文化に必要な新しい硯を雄勝で形にします。

本シンポジウムでは、雄勝と書道文化の現状を踏まえながら、これからの新しい硯と書道文化の未来について考えます。基調講演には雄勝硯生産販売組合理事長の澤村文雄氏をお招きし、雄勝硯の歴史と現状についてご講演いただきます。続く特別講演では書家 木下真理子氏より、作品制作における硯の役割や硯で墨を擦る意味など、書家にとって硯はどのような存在であるのかご講演いただきます。最後にパネルディスカッションでは、自由大学ファウンダーであり、雄勝硯復興プロジェクトプロデューサー黒崎輝氏と南三陸出身の書家、平野燿華氏に加わっていただき、新しい硯の書道の未来について討論します。

suzuri01

【シンポジウム概要】
日時:11/23(土)14:00-16:30
会場:三陸河北新報社「かほくホール」( 宮城県石巻市千石町4-42 1F)

【プログラム】
・14:10 基調講演 雄勝と硯の現状(雄勝硯生産販売協同組合理事長 澤村文雄氏)(30 分)
・14:40 特別講演 硯の魅力(書家 木下真理子氏)(40 分)
・15:30 パネルディスカッション(50 分)
出演予定:プロデューサー黒崎輝男氏、南三陸出身書家 平野燿華氏、他上記 2 名

【参加費】 無料

【申し込み方法】こちらの申し込みフォームよりエントリーください。
suzuri04

kinoshita【特別講演 木下真理子氏プロフィール】
書家/書道講師
雅号は木下秀翠(しゅうすい)。現在、読売書法会幹事、謙慎書道会理事、郁文社理事。6歳より祖父の影響で書を始め、より専門的な知識を学び、高度な技術を習得するために、書の研究では第一線として知られている大東文化大学に進学。 そこで戦後の日本書道界を牽引したと言われる書家 青山杉雨(文化勲章受章)の弟子である高木聖雨と出会い、師事。大学卒業後は日本を代表する書展で作品を発表し、『読売書法展 特選』『謙慎書道会 推薦顧問賞』『槇社文会展槇社文会賞』他、数々の賞を受賞。『国際女性筆墨展』(参加国 中国、台湾、韓国、日本、シンガポール、フランス、イタリア、ドイツ、アメリカ等)に 日本代表の女流書家として選出された。近年は、世界各地で開催されている国際ブックフェア等にて、“日本の書”を普及させるためのワークショップ『日本の美しい文字プロジェクト』を展開中。

<石巻・雄勝硯ツーリズムについて>
硯のことや石巻や雄勝の現状をより深く知ることのできる「石巻・雄勝硯ツーリズム」を同時に企画しています。シンポジウムへは、こちらのツーリズムの一部として参加することも可能です。

石巻・雄勝硯ツーリズム詳細はこちらをご覧ください。

<雄勝硯復興プロジェクトについて>
本プロジェクトではまず、書道や道具に詳しい11人の方々にインタビューを実施し、書道文化のいま置かれている現状を把握し、問題点を浮き彫りにしてから、雄勝硯で形を模索し実際に硯を製作し、それを基に全体として理想の文房具や新しいカルチャーを創造して行こうとしています。インタビューやプロジェクトの取り組みなどは、11月上旬よりWEBにて公開予定です。

今後は、硯職人やプロダクトデザイナー、美大生らと共に雄勝で新しい硯をつくり、銀座や中目黒での展示会を予定しています。また、自由大学でもプロジェクトの一環として、11月3日・4日には硯や文房具のことを学び、書を体験する「文房具にこだわる~硯編~」を開催します。また、2014年1月には雄勝硯の制作を体験する研修も予定しています。

suzuri04


カテゴリ: ☞ イベント


関連するブログ