・「生活の革命」は、独立して生きるために必要な「創造的アウトプットの技術」を身につける講義シリーズです。
・今回のテーマは「事務」。芸術的才能の有無に左右されない、商人(あきんど)としての仕掛け方を学びます。
・教授は、0円ハウス、独立国家、いのっちの電話、小説、絵画、音楽、料理、編み物、畑……などさまざまなクリエイティブワークで知られる異才、坂口恭平さん。アウトプットの質と量を上げ、本当に生きたい人生を実現したい方におすすめです。
なぜ企画したのか
きれいごとを諦めなくていい人生を送るために
「いいことをしているのに、なぜ…」
いいことをしているだけでは、生活が成り立たないこともあります。きれいごとだけでは生きられない社会を責めても、すぐには変わらない。わたしたちは自分で自分を動かし、現実社会をハックするしかありません。
ありえないと笑われる「大きな夢」を叶えるために、あるいは多くは望まないが「続けたい生活」を続けるために、今わたしたちは、何を学んだら良いのでしょうか。
自由大学の運営チームは、坂口恭平さんに相談しました。坂口さんは芸術家でありながら、死にたい人のための無料電話相談「いのっちの電話」として、社会活動を年中無休で続けています。芸術家も社会活動も、一般的には「食べていくのが難しい仕事」とカテゴライズされている。にも関わらず、彼はその壁を軽々と乗り越えているように見えました。
「生まれつき彼は才能があるから」
そう片付けるのは簡単です。しかし、14年前から講義を担当してくれている坂口さんを見ていて、才能だけでは済まされない継続的な取り組みがあることにも気づいていました。
坂口恭平さんは、言います。
「足りないとしたら、それは才能よりも、事務です」
戦略的に自ら考え、仕掛けること。商人としての動きかた、自分の価値を最大化する考え方を学びたいと思い、今回の講義を企画しました。
ゴッホのように死後に認められる人生もロマンチックだけど、どうせならピカソのように生きているうちに理想を叶えたい。
ピカソもウォーホルもそうですが、評価を得た芸術家の多くは、一見するとただ感性のままに生きているように見えます。しかし、その裏には戦略がありました。自ら会社などをつくり、組織をオーガナイズして、戦略的に仕掛け生きのびていたのです。
こうした水面下で行われている「水鳥の足かき」を、外からは窺い知ることはできません。
「作品さえよければ。いいことさえしていれば。いつか評価されるはず…」
きれいごとだけで生きられる世の中になったら、どんなにいいかと思いますが、現実はまだそれがなかなか叶いません。
「偶然、家の前を通りかかった業界人に見出され、世界から脚光を浴びた」
そんなアルフレッド・ウォリスのような「事件」も時々は起きるけれど、偶然を待つには、人生は短すぎます。
何歳からでも遅くない
「理想の生活」をうまく成り立たせるための革命
フリーランスとして上手に独立独歩している人は、自分の中に「芸術家」と「商人」と言いますか、「制作部」と「営業部」の両面を併せ持っているのではないでしょうか。
「自分は芸術家だから、感性のおもむくままに直感で描いていればいいんだ」
ということだけでは、ある日、食べていけなくなったり、続けられなくなることもある。
何をどうやってつくるか、どうやって知ってもらうか、いくらで誰にどうやって売るか。
商人としての戦略も同じくらい重要です。「コストがかかりすぎて無理…」と諦めてしまう夢も
工夫次第では、0円で可能になることだってあるのですから。
感性以外の「商人」の面を、坂口さんはあたらしく広義での「事務」と称しています。自分の中に、優秀な営業やマーケティング、ブランディング、経営戦略担当部署を持つイメージでしょうか。
雇われずに生きていくフリーランスはもちろんのこと、会社員であろうと、誰しも個人として生きている。見方によっては「自分株式会社」の経営者ですから、だれしも「事務」は必須です。
芸術家としての「感性」は人それぞれなので簡単に教えられるものではないかもしれませんが、商人としての「事務」は誰にでも共通であり、再現性がある。
そんな背景で今回は、「事務」にフォーカスし深く掘り下げていく一日にします。坂口さんの本を読んだだけではわからないかもしれない<実践編>を、できる限り具体的に高い解像度でレクチャーしていただきます。
今まで見落としていた「事務」を学び、あなたの生活を革命していきましょう。
教授、坂口恭平さんからのメッセージ
「あなたもジムがいれば実現できる」
生きのびるための事務、実践篇をやってみたいと思います。つまり、私があの漫画の主人公であるジムになりきりまして、なりきるというか、あのジムは、私の一部分なのです。
そこで私のジムの部分をこの講義では登場させることにします。それで、僕ではなく、受講者の方々の事務について、とことんお話できたらと思うんです。
だから、この講義では、できるだけ僕の話は漫画を読んでもらって、それである程度は理解してもらった上で、じゃあ、あなたはどうする的なことに、できるだけ集中したいと思います。
なので、できるだけ、自分がやろうとしていること、実現したいことを明確に持っている方を待ってます。とは言っても別に決まりはありませんので、自由にしてください。
ジムがいれば、必ずや実現できるということを、僕だけでなく、あなたにも知ってほしいのです。(坂口恭平)
NOTEにて連載「生きのびるための事務」:https://note.com/kyoheisakaguchi/m/m1d3e68356b14
<坂口恭平さんってこんな人>
第4回「京大おもろトーク:アートな京大を目指して」
対談 坂口 恭平、山極 壽一(京都大学総長)
サンフランシスコで実演したモバイルハウスのつくりかた(2013年)
坂口恭平さんの著書
●インタビュー記事
料理で“創造”を取り戻せ 坂口恭平さんのネオ料理本「cook」(2019年)
新作『しみ』から読み解く、音楽になりたかった坂口恭平とその表現 (2017年)
堤幸彦×坂口恭平 “家”から見る、現代社会の本当の幸せとは(2012年)
(第2期募集開始日:2024年6月29日)