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第9回「First Wednesday」レポート(10月5日開催)

毎月第一水曜日開催 ワンテーマを探る誰でもウェルカムなイベント

10月のFirst Wednesdayは“ただいまPortlandナイト”

毎年自由大学が行っている“Creative Camp in ポートランド”から、帰国した参加メンバーが自身の経験や学びを発信します。多様な価値観が上手に生かされ合うポートランドの街で感じたことはまさしく有機的なイメージ。感じたことを、この目で見た景色を、どんな言葉で伝えようか。登壇メンバーのドキドキも伝わるなか、満員御礼でスタートです。

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何事にも「寛容な」社会が生み出すもの
キャンプ参加者が撮影した写真を見ていくと、休日?と見間違うばかりに、明るいうちからビールで楽しむ写真、それも多くの大人たちが回遊しているかのような景色をよく見かけます。60以上のBreweryがせめぎあう土地だから、ということ以前に、その一つの景色から見えてくるのは人々の働き方が反映しているようです。

ポートランドでは個人の裁量で「働く時間」を調整することがごくごく当たり前に行われている様子。夏時期の働きが非効率であれば、あるいはニーズが少ないのであれば仕をを少しセーブしたり、複数のパートタイムジョブをかけもって働き方を少し緩やかにする。そうなると仲間内で集まろうという話にもなって、お昼から大人がビールで楽しむ環境も自然に生まれる。

ただ流行ってるから、名産だからという理由ではなく、人々の生活リズムから自然に生まれたニーズによって生み出された景色ともいえます。働くことと生活することのボーダーが曖昧なことは大多数が想像する「働き方」のベクトルから離れているかもしれませんが、「やりたいことをやるためにどう働くか、どう生活するか」を自主的に考える風土はこうした風景からも感じられたようです。

「寛容であること」はあらゆる価値観が世をうごめいていることを認め、受け入れること。そしてそこからは「こういう働き方/生活スタイルもあるんじゃないか?」という、自由なアイデアが次々に生まれるのがとても自然なのことなのかもしれません。

一つの「街のランドリー」からもその景色を読み取ることができます、参加者の体験談から出てきた「ランドリー」×「カフェ」が共存する場所での自由なコミュニケーション。日常生活に欠かせない「洗濯する」という行為に場を共有するスペースを取り、飲食を絡めることで、インナーなイメージの「家事」が快活な「外の世界とのコミュニケーション」の場へと変容します。そこには隣人も旅人もなく、老若男女の境もなかった様子。洗濯を待つ間に繰り広げられるのは、コーヒーやビール片手の日常会話、本の世界に没頭する人もいれば、初めてやってきた旅人に「ドレスが素敵ね」と率直な気持ちを伝えて気持ちを緩やかにしてくれる人も。垣根の無いコミュニケーションがもたらす生活の快適さを、ポートランダーは無意識に選択し、上手に生き方に取り入れているように感じます。

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ポートランドでの生活がもたらしたもの
目の前で見たこと・経験して感じたことをめいっぱいアウトプットした登壇者の熱量に呼応するかのように、参加者からの様々な質問が飛び交いましたが、答えの中で印象に残ったのは「私たちも探っている」という一言。キャンプ参加前にはきっと体感したこともなかった働き様や寛容なコミュニティの空気は、決して自分たちの今までのなかでは「当たり前のこと」ではなく、ある意味「異質なこと」や「知らない世界」。

知らないものはいつもよりも咀嚼に時を要します、大好きなことでも確実に良いことだと思っても、「適切な言葉」で自分の腹に落とし込むには、莫大なインプットを整理する時間も必要で、もしかしたら明快な「解」は出てこないのかもしれません。
それでも登壇したキャンプ参加者はキャンプで感じた「知らなかった世界のすばらしさ」を、自分の体に散りばめられた様々な光景や気持ち、言葉を探りつつ語りかけてくれました。消化や発酵を繰り返すように何度も何度も行き来した経験値の塊は、これから先どんどん形を変えて外の世界にでてきそうです。

だからこそポートランドの旅は毎年繰り返されても多種多様な輝きを参加者にもたらすもので、そこに魅せられる人が次々と引き寄せられる以上ぐるぐると循環して続くものかもしれないと、この先のおもしろい景色が垣間見えたようでした。

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会の終了後も盛り上がる景色はもはやFirst Wedenesday名物。登壇者も参加者も自由大学スタッフも垣根を越えてのポートランド話に花が咲きました。ポートランドはあらゆる切り口から人々の思考やスタイルを探ることができる面白さを秘めた街。今回のトークでも飛び出したブリュワリーを切り口に“BREWING CAMP in ポートランド”も来月は待ち構えてます。(自由大学クリエイティブチームの佐藤大智君が熱く語ってくれます)キャンプ参加者のリアルな体験談に触発された人が次はどんな経験値を持ちかえってくるのか。楽しみの連鎖は止まりません。

次回のFirst Wedenesdayは「自由大学のヒミツ教えちゃうナイト」。ビールやコーヒー片手にゆるやかに、でも熱気ある水曜夜をすごしませんか?また集まりましょう、ご参加お待ちしてます!

(写真・文 MIYAKO)



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