URBAN HIPPY SURVIVE 学の3つの特徴
①表現ジャンルを問わず、創造する人たちが集まり、アーティストとしてスタートを切るための講義。
②「作品をつくる、発表する、販売する」その一連の流れを実際に体験できる。
③メンバーの作品販売の場として、自由大学のある表参道「COMMUNE」のpop up spaceを1ヵ月間提供します。
スタンフォード大学の特別講義をさらにアップデート
教授は、アーティストのK.A.N.T.A(カンタ)氏。元サッカー選手という異業種からのキャリアチェンジにもかかわらず、今や NIKE , adidas , Coca Cola , Panasonic , Jeep , ANA など有名ブランドのCM音楽を手がけ、アパレルやスニーカーもデザインするなど、分野を横断してアートワークをビジネスとして成り立たせています。
その個性的な存在が海外でも注目され、2019年、スタンフォード大学に招待されました。同大学の特別講師としてはコモン、ジェニファーロペスなど著名人と並び、日本人アーティストとして初となる3日間の講義「URBAN HIPPY ARTIST SESSION」は話題を呼びました。
今回は、そのK.A.N.T.A氏がナビゲート役となり、「自分にしかできない表現で、経済活動もまわす方法」を一緒に学んでいきます。
<記事> 刺激だらけのK.A.N.T.Aの講義がスタンフォード大学で開催。次は日本でも?
個人でもセルフプロデュースで生きられる
ヒッピー=インディペンデントの時代
なぜ、自由大学でアーティストをサポートする講義を企画したのか。それは常々、「情熱と愛があるのに、思うようにスタートが切れていない人が多くいる」と感じているからです。
新しい才能たちが最初の一歩を踏み出し、感動を共有し合う場があれば素敵じゃないでしょうか。表参道に作品販売できる舞台も用意して、「一人でも多くのアーティストを誕生させること」を目指します。
世の中の流れを読めば、もうすでに、個人でもやりたいことが叶えられる時代になっていることに、みんな気づいてきているはずです。
かつては、例えば音楽業界でも大手事務所に所属しなければ、大きな仕事ができない時代がありました。メジャーデビューし、マスメディアで広告を打ち、ランキング上位を目指し、TV番組に出演、CDを大量に販売するのが成功の王道でした。
しかし今は、構造が変わっています。メジャーな大組織に属さなくても、等身大のインディペンデントで十分やっていける流れになっています。「レーベルと契約しない・音源を有料販売しない」という従来の音楽ビジネスとは一線を画す活動形態。それでもグラミー賞を受賞するなど大きな成功を収めているミュージシャン「Chance The Rapper」のような例もいくつも出てきています。
その背景の一つには、発展を続けるデジタルツールの恩恵があります。創作面では、専門技術がない初心者でも、イメージを形にしやすくなりました。販売面でも、SNSやYOUTUBEを駆使して個人でも企業をしのぐほどの影響力が可能になっています。レコード会社、出版社などの中間業者をはさむ「BtoC」から、直接個人が個人に販売できる「CtoC」の時代になっています。
レーベルに頼らずDIY、セルフプロデュースで生きられる外部環境がようやく整いました。今は逆に企業のほうが、力を持った個人に頼ってくる状況でしょう。
知恵を絞り、ネットワークを使えば「大組織でしかできないこと」は、今ほとんどなくなってきている。変化が著しいこれからの時代は、むしろ小さな個人の方が、小回りがきくし、スピードが速い。自由度も高いので有利になってきています。
VIDEO
「ワイデン+ケネディ トウキョウ」の広告作品をまとめたフィルムの音楽をK.A.N.T.Aが担当。
デジタルツールがあれば、世界中どこにいてもURBANだ
必要なものは愛と情熱だけ
「属さない」と言っても、孤立してしまっては、チャンスの扉が開けないこともあります。
自分の強みを客観的に分析する必要があるし、創作だけやっていればいいのではなく、ビジネス面も含めて一人で何役もこなさなくてはなりません。企画からPRや販売まで、自分の思い通りにコントロールすることを楽しめる人は、独立独歩に向いています。
自身のオリジナリティに気づくには、他人と協働する機会があると良いでしょう。例えば、グループ展やコラボレーション。比較することで自分の強みが見えてくるし、他人のやり方から学ぶことがあります。自分ひとりだけでは気づけない「隠れた才能」に気づけるのです。
また、それぞれの業界のシーンに入りこむには、人とのつながりが必要なことも多い。紹介や引き上げてくれるキーマンとのコネクションも、はじめは大事になってきます。日進月歩で進化する、最新テクノロジーや人々の価値観。新しい潮流をキャッチアップするには、情報交換をし学び続けるネットワークが必要です。
インターネットにつながれば、世界中どこにいたってURBAN。デジタルの波を乗りこなし、既成概念に縛られず身軽にインディペンデントでいきましょう。ゆるやかなネットワークでつながり、新たなシーンをつくっていく。これが「アーバンヒッピー」という生き方です。
LOS ANGELSにて楽天FMの生放送 (2018年)
「クリエイティブ」とは、LOVEで壁を乗り越える力
「あの人はクリエイティブだ」とよく言われるけれど、つまりはこの世界をサバイブする能力が高い人のことです。
あなたがアーティストと自覚して、具体的な活動をはじめると、理想に届かないもどかしさを感じることがあります。「あれがない、これがない…」と、ないものばかりが目につき、壁にぶつかる。
・独創的な発想、オリジナリティが足りない
・人前に出せる自信作がまだ生み出せない
・作品に自信はあるのに、評価してくれる人がいない
・必要な機材を買う資金が足りない
・創作に集中できる時間や環境がそろわない
・アーティストメンターがいない
・つくりたい理想イメージはあるのに、自分のスキルが追いつかない
・仲間が必要だが、同じパッションを持つ協力者に出会えない
・十分なファン、フォロワーがいない。いるけど、買ってもらえない
・売る場所がない。場所はあるが売れない
・将来この生き方で家族を養えるのか自信がない…などなど
ないものを挙げれば、きりがありません。それでも、現在あるものに目を向け、なければないで「持ってる人」から借りてきたり、なんとかするのです。知恵を絞って工夫して、想像力、経験値、身体能力、感情コントロール、全てを総動員してサバイヴしていきます。目の前の問題をひとつひとつ解決していくのが、クリエイティブ能力です。
<記事>イタリアのフィレンツェで毎年行われる世界最大級のメンズファッションイベント「Pitti umo」の開会式を golden goose delux brand と K.A.N.T.A がプロデュースした。 (2017年)
芸術とお金の関係はいつの時代も難しいから
美大では学べない「アートでサバイブする力」を身につけよう
この講義には、アートをつくる技術や音楽の作りかたを詳細に教える内容はありません。
美大やアートスクールでは「絵を上手に描く技術」は教わっても、「アーティストとしてどうしたら食べていけるのか、売っていくか」までは教えてくれません。実は先生たちも、よくわからないのです。ですから「アートでは食べていけないよ」と平気で言う先生すらいます。
この講義では、誰も教えてくれない「食べていく方法=サバイブ」に焦点を当てます。
具体的なスキルを教える講義ではないので、表現ジャンルは問いません。スキルレベルも、スマホのアプリでデザインできるレベルや、紙とペンだけで制作できるものでもOK。絵も音楽も立体もファッションも。ダンサーでもマジシャンなどパフォーマーでも詩人でも、表現を売って生きたい人なら、どなたでもウエルカムです。そのエネルギーを込めたものをどうやったら売れるか、考えます。
「PROJECT MOZART」K.A.N.T.Aの紡ぐその人のためだけのオーダーメイドの音楽と、それを発するカスタムスピーカー装置
どの分野にも通じる、目に見えないエネルギーのルールと法則が存在する
芸術は独創的であることを求められます。なので「芸術=自由で、なんでもあり」と思っている人が多いけれど、共感を得るには実はたくさんのルールと法則が存在することに気づくはず。スポーツのルールのようには明文化されていないので、つかみどころが難しく、理解するにはトライ&エラーを繰り返さないとわかりません
「なぜ自分の作品は評価されないのか」と嘆いている人も多くいるように思います。ただ目立てば良いわけではありません。自由のルールを読み解き、正しい努力のしかたを学ぶことで道が開けてくるのです。
『Atmos magazine』の表紙に起用された「1&0 project 」1点物スニーカー。この一足のために作曲したCDも同封。
<教授 K.A.N.T.Aさんよりメッセージ>
人類みなアーティスト。LOVEで創造的活動を取り戻そう
あなたは毎朝、どんな気持ちで目覚めていますか? もし、LOVEに満たされて飛び起きるのでないならば、何かを変える必要があるかもしれません。人生の中に何らかの創造的活動がない場合、誰しも「充実している感覚」を持てないものです。
とはいえ、私はなにも全員が今の仕事を辞め「フルタイムの芸術家になろう」と言いたいわけではありません。人生の中で自分がもともと持っているLOVEを活かし、生き生きとする場を意識的に持ってみませんか、ということです。大事なのは、LOVEのエネルギーを放出すること。何かを愛することです。内部に潜んでいる創造のエネルギーを解き放ちはじめると、<現在>を、そして<いのち>をもっと深く感じるようになります。
「何をつくるか」は重要ではありません。「自分が愛する何かにエネルギーを注ぐ」その行為そのものが、あなたに喜びと充実感を与えるのです。
私はその瞬間、ファミリーのために毎日愛することを続けれるなら幸せな、シンプルな人間です。それさえ続けれていれば、経済的に豊かであろうとなかろうと、辛いと思うことはありません。
その昔、18歳から20歳までアルゼンチンに渡りプロチームの下部組織でサッカーをしていたころは、愛していたサッカーのはずなのに、プロとして毎日ボールを蹴ることが仕事になったとたん、鬱々としてしまったことがあります。試合前は寝れないのが当たり前で、結果的にサッカーを辞めました。サッカーは、幼い頃から毎日180%のLOVEで約15年間練習してやっと掴んだチャンスでした。
けれど「今この瞬間」のイメージと直感を大切にしたのです。一度きりの人生、LOVEを追求し、本来人間が人間らしく生きる選択肢をとろうと決めました。
努力、頑張る、未来のために、というこわばった考え方を溶かし、LOVEを思い出したらエネルギーが戻ってきました。それからは、現在この瞬間瞬間で、心が震えることだけに集中して今にいたります。毎日、子どものように好きなことに没頭し、夜は心地よい疲れでバタンと寝る。
過去を悔やむことも、未来を不安になることもない。「今」を最大限にフローして、呼吸すること。こんな「瞬間にフォーカスした生き方」を「GENZAI ART」と私は呼んでいます。
ひと世代前は、好きな表現を仕事にできる人は一握りで、裕福な家の特権でしたが、今は変わってきています。最初は興味や趣味としての遊びが、活動としての遊びになっていき、遊びから仕事が生まれ、ライフワークになっていく。そうやって、少しずつ力が成熟していきます。
「アーティスト」について、多くの人が誤解しているのは、それは特定の職業を指すわけではないということです。
アーティストとは、「その道」のこと。
私たちは生まれた瞬間から、自分の道を歩き、今日までたどり着いています。自分でたったひとつのオリジナルの人生を創造している。私たちは、みなそれぞれ、その道を歩んでいるアーティストなのです。
この講義で重要なのは、新しい知識を詰め込むことではありません。「つくり、届ける」このエキサイティングな体験を通して、すでに備えられている “アーティストとしての自分” に気づくこと。
「アーティストとは特別な人のことではない。誰もが特別なLOVEをもつアーティストなのだ」
私たちの内にある想像力、創造性をLOVEで呼び起こし、一緒に素晴らしい人生を、社会に自分の居場所をつくりだしましょう。
リビングルームでの家族写真
< K.A.N.T.Aさんを知るリンクなど>
●インタビュー記事
ファッションプロジェクト「ブローク・シティ・ゴールド」について
ニュージーランドを代表するビール、STEINLAGERのテレビCMにK.A.N.T.Aが出演 (2019年)
「社会のボートから降りて、感覚の世界へダイブしろ」
「ライフスタイルそのものがアート」
●音楽
THE NORTH FACE STANDARD でパフォーマンス
VIDEO
REEBOKとのコラボレーション「MONKEY TALK – ANARCHY & K.A.N.T.A」
VIDEO
Ellesse Heritageの世界をK.A.N.T.Aがサウンドメイク
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K A N T A L A N Dのチャンネル
https://www.youtube.com/user/KANTALAND
(第1期募集開始日:2020年1月13日)