英語…言ってることは大体聞けるんですけど話せないんですって話、とてもよく耳にします。でもそれって多分、聞いてるんじゃなくて拾い聞きした言葉を紡いで自分の中で類推してるんですよね。で、それが人の素晴らしいところ!
お財布持って欲しい商品を手にレジ前に立ってたらおそらくその人は買い物をしたい。そこにSaleとかDiscountとかCouponとか聞こえたらそれに紐づいた内容を連想して理解に繋げる。この場合大切なのは「理解に繋げている」ということで「会話してるわけではない」ということ。でも念押しますよ、「意思疎通はしている」ということ。
そう、会話と意思疎通は完全イコールではないんですよね。会話なんか無くても心や意思はちゃんと通じるように生き物はできている、ということ。(すると言葉があるのに通じ合わない同じ国の人はなんなんだってつい思ってしまうけど。)
英語を話したいという欲求をちゃんと掘り下げると、あっても無くても自分の人生や生活には関わりの無いブランド品として求めているのか、毎日着る気持ちのいい肌着を欲しがっているのかを知る機会になります。
そんなには要らないのに欲しがって、手に入らなくてコンプレックスにしちゃったのが日本人にとっての英語だったように思います。それは中高6年も労力をかけたのに報われなかった自分の思いが見返りを求めているのであって、本当に英語話したいのかどうか…そう自問した時にまず一つ答えが出ると思います。で、もし「ああ、別に要らないな…」とか、アメリカ文化の味がしっかり染み付いた日本において「話せたらかっこいいなという憧れだったんだなぁ…」という結論に至ったのならその答えはその答えでものすごく大事。その答えが今、あなたを一つ自由にしてくれたから。言葉は飾りじゃない。言葉はあなたの心を形にしてくれるもの。あなたの心のカタチだから。
じゃ、ここからはそこで「いや、やっぱり話したい。もっと伸びやかに話したい、楽しんで話したい」と思った人へ。おそらくあなたは少し英語慣れしていて、で、これ以上はどう上達していけばいいんだろうと思ってる、かな。そんなあなたはとにかく単語や文を発声すること。とにかく言葉を集めること。集めた言葉を使って、日々実験・実践すること。で、なんかうまく行かないなと思ったら好きな英語詞の歌を空で歌えるようになるまで練習して最低5曲貯めること。騙されたと思って!
言葉はあなたの心を謳うから、ね。
(text: 世界に羽ばたくJapanese English教授 田邊香菜子)